前回のIMPRESSIONとCTRに続き、今回はCPC・CVR・CPAなどの指標の関係性について解説していきたいと思います。
目次
各指標の解説①CPC(クリック単価)
CPCはCOST(配信費用)÷CLICKから導かれる指標で、1CLICKあたりにいくら払ったのか、というものです。
ここでの注意点はCPC≠入札額であるということです。
CPC入札の場合は、GoogleやYahooの拡張クリック単価を使わない限り、基本的には「CPC<入札額」になります。
またCPCの特徴としては、ターゲティングを広げれば広げるほど、CPCは安くなる傾向にあります。

このようにターゲティングが広がることにより、オークションへの参加機会は増えるため、
安い入札額でもオークションに勝てるケースが増えるのです。
要は「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ということですね。
その逆も然りで、ターゲティングを狭めれば狭めるほど、CPCは高くなってしまいます。
各指標の解説②CVR(コンバージョン率)
続いてCVRです。
CVRは、一般的にCV÷CLICKで導かれる指標ですが、場合によっては母数をCLICKにしないケースがあります。
例えばGoogleの定義では「CV÷インタラクション(操作)」となっているため、動画フォーマットにおいては、視聴も分母に含まれることがあります。
他にもGoogle AnalyticsにおけるCVRの母数はセッションであったり、アプリ計測ツールの場合の母数はCLICK+VIEWであったりと、場面に応じた母数をきちんと理解する必要があります。
また各メディア・各フォーマット一律で評価できない場合は、CVRという概念を捨てるということも必要です。
CPCもCVRもあくまで中間指標なので、この指標に囚われる必要はありません。
特にメディア間のCVRの差異については、どうしようもできないことが多いため(Yahooは1%なのに、Googleは5%など)、それぞれの母数の質にも着眼し、この指標を捉える必要があります。
各指標の解説③CPA(コンバージョン単価)
最後にCPAです。
CPAはCOST÷CVで導ける指標ですが、この式を書き換えることで別の計算式を導くことができます。
まず式の分母であるCVは、CLICK×CVRという計算式でも算出することができます。
更に分子のCOSTは、CLICK×CPCという計算式でも算出することができます。
あとは分母と分子にあるCLICKを約分することで、CPA=CPC÷CVRという計算式が成立します。

CPAは、1CVあたりにかかった費用という指標ですが、CPC(1CLICKあたりにかかった費用)とCVR(1CLICKあたりのCV)でも計算することができます。
このことは、誘導効率とCV効率をかけ合わせても出せるということを意味しており、つまりはCPAを改善するためには、CPCを安くするか(誘導単価を安くするか)CVRを高くするか(CV効率を上げるか)の2択しかないとも捉えることができます。
これはCPAを改善するためのロジックツリーの最上部に位置する概念であり、
この考えなしでは、CPAを改善する施策幅は非常に少なくなってしまいます。
まとめ
今回はCPA含め、それを構成するCVRとCPCについて解説しました。
CPCの章でかんたんに説明しましたが、CPCを下げる方法の例としてターゲティングを広げるというものがあります。
しかしいたずらにターゲティングを広げてしまっては、その分CVRは下がってしまいます。
それではCPCを下げながら、CVRを上げる方法はどのようなものがあるのでしょうか。
次はその方法を導き出す考え方を解説したいと思いますが、その前に、そもそもCV(コンバージョン)の決め方についてしっかり理解をする必要があります。
第三回ではCVの考え方・決め方を解説し、第四回で具体的にどのように施策を考えていくのかを解説していきたいと思います。