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マッチタイプ
マッチタイプとは
キーワードマッチタイプとは、リスティング広告を運用する上で必須の設定です。
キーワードマッチタイプを理解し、適切に使い分けることで、広告キャンペーンの目的や状況に応じた最適な戦略を構築し、パフォーマンスを最大化することができます。
マッチタイプとは
マッチタイプとは、主にリスティング広告の配信設定の際に使われる言葉で、リスティング広告でどのような検索語句に対して広告を表示するかを決定するための設定です。
具体的には、検索エンジンにおいて、ユーザーがどのような検索クエリを入力したら広告やコンテンツが配信するか、設定したキーワードとどれだけ一致していたら広告を配信するか制御する設定を指しています。
広告主が設定したキーワードとユーザーの検索クエリが全く同じだった場合に広告を表示する「完全一致」、広告主が設定したキーワードの前後に他の語句が追加された検索クエリにも広告を表示する「フレーズ一致」、広告主が設定したキーワードと同じような意味であれば、誤字や関連語、同義語の検索クエリにも広告を表示する「インテントマッチ(旧:部分一致)」の3種類があります。
3つの違いまとめ
完全一致、フレーズ一致、インテントマッチのマッチタイプの説明については上記の通りです。
具体的な違いについては表にまとめましたので下記をご覧ください。
マッチタイプ | 該当マッチタイプの設定で広告が表示される場合 | 指定方法 | 表示される検索クエリ例 | 表示されない検索クエリ例 |
---|---|---|---|---|
完全一致 | 検索クエリが設定したキーワードと完全に一致する場合や類似パターンに該当する場合 | [航空券 予約] | 航空券 予約、予約 航空券 | 東京行き 航空券 予約、当日 予約 航空券 |
フレーズ一致 | 設定したキーワードと同じ、または類似した語句の前後に他の語句が付く場合 | ”航空券 予約” | 航空券 予約、東京 福岡 航空券 予約、当日 予約 航空券、航空券 当日 予約 | 飛行機 チケット 購入、国内線 フライト 予約、航空会社 おすすめ |
インテントマッチ | 上記に加え、意図が同じだと判断される検索クエリの場合(誤字や送り仮名の違い、表記ゆれ、関連語などを含む) | 航空券 予約 | 飛行機 チケット 予約、国内線 予約、海外 フライト 予約、国内線 航空会社 おすすめ | 海外旅行 ホテル、沖縄 旅行 おすすめスポット |
完全一致
完全一致のマッチタイプは、設定したキーワードとユーザーが検索したクエリが完全に一致する場合に広告が配信される設定です。検索クエリに若干の変形(スペルミス、類似する変形、単数と複数の違いなど)が含まれていても表示されますが、意図はキーワードに非常に近いものでなければなりません。
完全一致についてはこちらの記事でさらに詳しく解説していますので気になった方はぜひご覧ください。
マッチタイプ完全一致のクエリ例
「ユニバーサルスタジオジャパン チケット」というキーワードを完全一致で登録した場合に、広告が表示される検索クエリと表示されない検索クエリの例を以下にまとめました。
広告が表示されるクエリ | 広告が表示されないクエリ |
---|---|
ユニバーサルスタジオジャパン チケット | ユニバーサルスタジオジャパン チケット 購入 |
チケット ユニバーサルスタジオジャパン | ハロウィン ユニバーサルスタジオジャパン チケット |
ユニバ チケット | ディズニー チケット |
USJ チケット | USJ サイト |
ユニヴァーサルスタジオジャパン チケット | ユニバ コラボ |
完全一致の設定によるメリット
リスティング広告の配信設定を完全一致のマッチタイプで行うと、設定したキーワードと完全に一致する検索クエリにのみ広告が表示されます。そのため、ターゲットへのリーチ精度が高くなり、無駄な予算の消化を抑えつつCTRやCVRを高く保つことができるようになります。
また、広告主が自ら設定したキーワード以外には広告が表示されないため意図しないキーワードでの表示を防ぐことができ、ブランドイメージを保護することができるというメリットもあります。
デメリット
完全一致のデメリットとしてよく挙げられるのはリーチの狭さです。
設定したキーワードと一致する検索クエリのみに広告が表示されるため、同じような意図であっても広告が表示されないことがあります。そのため、特に潜在顧客にリーチすることは難しいと言えます。
完全一致の設定でリーチ範囲を補う方法としては、関連するキーワード一つ一つを登録するという方法があります。しかし、その場合も手間と時間がかかってしまうためキャンペーンによってはデメリットになります。
フレーズ一致
マッチタイプをフレーズ一致の設定にした場合は、完全一致で広告が表示される検索クエリに加えて指定したキーワードと同じ語順を含む検索クエリや、その前後にほかの単語が追加されたクエリに対して広告が表示されます。
完全一致よりも広く、インテントマッチよりも絞った範囲に広告を配信できるバランスの良いマッチタイプです。
フレーズ一致に関してはこちらの記事でさらに詳しく解説していますので、気になった方はぜひご覧ください。
マッチタイプフレーズ一致のクエリ例
「航空券 予約」というキーワードをフレーズ一致で登録した場合に、広告が表示される検索クエリと表示されない検索クエリの例を以下にまとめました。
広告が配信される検索クエリ | 広告が配信されない検索クエリ |
---|---|
東京行き 航空券 予約 | 飛行機チケット 予約 |
航空券 予約 直前 | 航空券 購入 |
航空券 予約サイト | 国内線 航空会社 予約 |
航空券 羽田 予約 | 新幹線 予約 |
航空券を予約したい | フライト 予約 |
フレーズ一致の設定によるメリット
マッチタイプフレーズ一致の特徴は、バランスがいいという点です。
フレーズ一致は、完全一致よりも広範な検索クエリに対応できるため、多くのユーザーにリーチすることができます。また、インテントマッチと比べると狭い範囲のマッチタイプであるため、関連性の低い検索クエリに対する広告表示を抑えることができます。
このように、他のマッチタイプのデメリットを補うことができるのがメリットです。
上記のような特徴から、ユーザーの検索意図との関連性を保ったままリーチを広げることができるので、無駄なクリックが削減され、コンバージョン率が向上します。
広告費用をバランスよく効率的に運用できるのが最大のメリットです。
デメリット
フレーズ一致のリーチ範囲は、完全一致の場合よりは広いですがインテントマッチと比べると制限されます。そのため、一部の潜在顧客に広告が表示されない可能性があります。
また、対応する検索クエリが制限されるため、新しいキーワードやフレーズの発見が難しくなります。新規キーワードの拡充や、それに伴う新規市場、潜在顧客の開拓は制限される可能性があります。
インテントマッチ(旧:部分一致)
インテントマッチは設定したキーワードやその関連語、同義語、検索意図に基づく検索クエリに対して広告が配信されるマッチタイプです。指定したキーワードに関連する広範囲のクエリに対して広告を表示することができます。
以前は部分一致という名称でしたが、ターゲティング精度の向上に伴って「部分」一致という言葉と実態が離れてきたためインテントマッチという名称に変更されました。詳しくはこちらをご覧ください。
インテントマッチでは誤字、送り仮名の違い、多少の言葉の揺れがある場合や、関連性のある語句にも対応します。
3つのマッチタイプの中で最も広範な検索クエリに対応しています。
マッチタイプインテントマッチのクエリ例
「航空券 予約」というキーワードを部分一致で登録した場合に、広告が表示される検索クエリと表示されない検索クエリの例を以下にまとめました。
広告が表示されるクエリ | 広告が表示されないクエリ |
---|---|
飛行機 チケット 購入 | 航空会社 就職 |
国内線 航空会社 | 飛行機 荷物 サイズ |
飛行機のチケット 予約 | ホテル 予約 |
海外旅行 飛行機 チケット | 新幹線 チケット 予約 |
航空券を予約したい | コンサート チケット |
インテントマッチの設定によるメリット
インテントマッチを使用することによる最も大きなメリットは広い範囲にリーチすることができるという点です。
例えば、設定したキーワードと異なる表現を使ってユーザーが検索した場合でも、意図が同じであるとみなされた場合は広告が表示されるため、より多くのユーザーにリーチできます。そのため、広告の表示回数が増え、ブランドの認知度を向上させることができます。特に新しい製品やサービスの認知度を高めたい場合に有効です。
また、どのような検索クエリに広告が表示されたかなどといったデータを収集し、分析することで新たなキーワードを発見することも可能です。幅広い検索クエリに対応することで、これまで見逃していた潜在的なキーワードを見つけることができます。
デメリット
デメリットとしては、関連性の低いクエリに広告が表示されてしまう可能性があるということが挙げられます。
これによってクリック率やコンバージョン率が下がり、クリック単価(CPC)が高くなります。
また、ブランドイメージを大切にする場合は、ブランドイメージにそぐわない検索結果画面に広告が配信されてしまう可能性があるということにも注意が必要です。
マッチタイプの使い分けと活用方法
ここからは、3つのマッチタイプの活用方法について解説したうえで、どのように使い分けるべきか解説していきます。
完全一致の場合
完全一致を活用するうえで重要なのは、キーワード選定です。
設定したキーワードにしか広告が表示されないため、どういったキーワードを設定するかが非常に重要になります。キーワード選定を適切に行い、優良キーワードを見つけられた場合、パフォーマンスが最大化されます。
上記のような理由から、表示回数が少なくコンバージョン率やクリック率の高い優良キーワードが最初から分かっている場合には完全一致を使用することをおすすめします。
他に、リーチ範囲が限られるという理由から、ブランドイメージを保護したい場合や広告にかけられる予算が少ない場合にも完全一致は向いています。
フレーズ一致の場合
フレーズ一致はバランスの取れたマッチタイプであるため、さまざまな場合に活用できます。
しかし、なんでもフレーズ一致で配信するのではなく、パフォーマンス効果を最大化させるためにいくつかのポイントを押さえて居おく必要があります。
まずは、除外キーワードを設定するということです。詳しくは後述しますが、この設定を行うことで、関連性の低い検索クエリに対して広告が表示されるのを防ぐことができます。
また、スマート自動入札と組み合わせることもポイントです。スマート自動入札とは、Googleの機械学習を利用して、最適な入札額を自動で設定する機能です。特定のコンバージョン目標に基づいて入札を自動調整することでクリック率やコンバージョン率を向上させることができます。
上記のようなポイントに気を付けることで、フレーズ一致はさまざまな場合に対応した最適な設定になります。
インテントマッチの場合
インテントマッチは、リーチが広いため新商品やサービスのプロモーション、長期的なブランド認知度向上を目的とした場合に向いています。様々な検索クエリに対応しているため、広告のインプレッション数を増やすことができ、認知度向上を図ることができます。
また、広告が配信された検索クエリのデータを分析することで、当初の想定になかった優良キーワードを発見することができます。こうして見つけることができた優良キーワードは完全一致の設定で活用し、高いコンバージョンに繋げることができます。
インテントマッチの活用は、このように広い範囲にリーチすることを前提としているので、他のマッチタイプと比べて予算がかさむ可能性があります。そのため、インテントマッチの設定をメインに広告を配信する場合は広告予算が豊富な場合にしましょう。
効果を最大化するために
3つのマッチタイプに共通して効果を最大化するためには
- キーワード選定に時間をかける
- 除外キーワードを設定する
という方法があります。以下で詳しく解説していきます。
キーワード選定に時間をかける
キーワード選定に時間をかけるというのは、広告の入稿段階で設定するキーワードを吟味するということです。
3つの内どのマッチタイプを選択したとしても、すべて設定したキーワードに基づいて広告が配信されます。そのため、キーワードの設定が非常に重要になるのです。
キーワードプランナーやサーチコンソール、ラッコキーワードなどのツールを活用しながら、最適なキーワードを設定するようにしましょう。
除外キーワードを設定する
除外キーワードの設定は、フレーズ一致の活用方法でもお伝えした通り、無関係なクエリに対する広告表示を避けるための設定です。除外キーワードに設定したキーワードに対しては広告が表示されなくなります。
具体的な設定方法は、
- Google広告の管理画面から「キーワードとターゲット設定」を開き「キーワード,除外」を選択します。
- 「除外キーワードを追加」をクリックし「広告グループの除外キーワード」または「キャンペーンの除外キーワード」を選択します。
- 除外キーワードを追加する広告グループもしくはキャンペーンを選択します。
- 入力欄に除外キーワードを入力します。
以上で除外キーワードの設定が完了します。
こうすることでブランドイメージを守ることに繋がりますし、何より広告費用の無駄を防ぐことができます。
まとめ
キーワードマッチタイプとは、リスティング広告において、どのような検索クエリの際に広告を表示するか決めることができる設定です。
広告の表示範囲が狭い順から、「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」といったマッチタイプがあります。一般的に広告の表示範囲が狭いマッチタイプのほうがコンバージョン率が高くなります。
完全一致のマッチタイプでは、設定したキーワードと同じ検索クエリで広告が表示され、フレーズ一致では設定したキーワードを含む検索クエリで、インテントマッチでは設定したキーワードと同じ意図の検索クエリで広告が表示されます。
それぞれのマッチタイプによって向いている広告キャンペーンのタイプがあり、パフォーマンスの最大化のために気を付ける点も異なります。
それぞれのマッチタイプについて理解を深め、広告のパフォーマンスを最適化していきましょう。
よくある質問
Q1. キーワードマッチタイプを設定するにはどうしたら良いですか。
A1. 広告管理画面から簡単に設定することができます。例えばGoogle広告の場合、任意のキャンペーンから「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」をクリックします。その後「検索キーワード」をクリックしてマッチタイプを設定したいキーワードにチェックを入れ「編集」ボタンをクリックします。こうすることで任意のマッチタイプを選択することができます。
Q2. キーワードを設定したとき特にマッチタイプに関する設定をしなかったのですが、マッチタイプはどのような状態になっていますか。
A2. マッチタイプについて特に設定をしなかった場合は、デフォルトですべてのキーワードがインテントマッチになっています。マッチタイプを変更したい場合はA1.と同じ手順で変更することができます。
Q3. 運用中に優良キーワードが見つかり、他にも追加したいキーワードがいくつか出てきました。広告キャンペーンを新しく作り直さなければなりませんか。
A3. キャンペーンを新しく作り直す必要はありません。「検索キーワード」欄の青い+ボタンから一つずつ手動で追加することもできますし、スプレッドシートを追加すれば一括でキーワードを追加することも可能です。