インテントマッチとは?完全一致やフレーズ一致との違いを解説

インテントマッチ

現代のデジタルマーケティングにおいて、リスティング広告は欠かせない手法となっています。
検索エンジン上で特定のキーワードに対して広告を表示するリスティング広告は、ニーズが顕在化したタイミングのユーザーにアプローチできるので、企業がターゲットとなる顧客層にリーチするために非常に効果的な手段です。

リスティング広告の魅力は、その即時性とターゲティングの精度にあります。広告を配信開始すれば、すぐに検索結果に広告が表示され、見込み顧客に広告を表示することが可能です。また、地域、デバイス、時間帯など、さまざまな要素に基づいて広告を細かく調整できるため、無駄なく効率的に集客することができます。

しかし、リスティング広告の効果を最大化するためには、「マッチタイプ」という概念を理解しておく必要があります。マッチタイプとは、キーワードの拡張度合いの設定のことです。

マッチタイプには「完全一致」「フレーズ一致」「インテントマッチ」という3種類が存在します。その中でも本記事では「インテントマッチ」に焦点を当てて解説していきます。

※元々は「部分一致」というマッチタイプもありましたが、2024年7月から「インテントマッチ」という名称にGoogleとYahoo!共に変わっております。

インテントマッチとは

元々「部分一致」と呼ばれていたマッチタイプの名称が、「インテントマッチ」に変わりました。

リスティング広告において、「インテントマッチ(旧 部分一致)」とは、選択したキーワードと関連性のある幅広い検索クエリに対して広告を表示するマッチタイプのことです。
指定したキーワードだけでなく、その変形や類義語、関連性の高い検索語句にも対応するため、より多くのユーザーにリーチすることができます。

インテントマッチの特徴

インテントマッチの最大の特徴は、その柔軟性と広範な適用範囲です。
具体的には、「格安 航空券」をインテントマッチとして登録した場合、以下のような検索クエリにも広告が表示されます。

  • キーワードの変形(例:「格安 こうくうけん」)
  • 類義語(例:「格安 フライド」と「飛行機 安い)
  • 関連語句(例:「羽田 沖縄 航空券 安い」と「飛行機予約」)

このように、インテントマッチは多様な検索意図に対応するため、広告が表示される機会が増加します。これにより、特定のニッチな検索クエリだけでなく、関連性のある広範なクエリに対しても広告を表示することができ、より多くの潜在顧客にアプローチすることができます。

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他のマッチタイプとの比較

リスティング広告には、インテントマッチの他にもいくつかのマッチタイプがあります。それぞれの特徴を理解することで、適切なマッチタイプを選択し、広告の効果を最大化することができます。

  • 完全一致:指定したキーワードと完全に一致する検索クエリにのみ広告が表示されます。高い精度でターゲティングできますが、リーチは限定的です。
  • フレーズ一致:指定したキーワードを含むフレーズに広告が表示されます。キーワードの前後に他の語句が追加されても広告が表示されるため、部分一致よりも狭いが、完全一致よりも広いリーチを持ちます。

先程の「格安 航空券」を例にすると、それぞのマッチタイプで反応する検索クエリは以下の通りになります。

  • 完全一致:「格安 航空券」など
  • フレーズ一致:「格安 航空券」、「格安 航空券 おすすめ」など
  • インテントマッチ:「格安 航空券」、「格安 航空券 おすすめ」、「飛行機 予約 格安」、「飛行機 予約」など

部分一致が有効な理由

部分一致が有効な理由は、広範にリーチできる点にあります。広告主は事前に予測しきれない多様な検索クエリにも対応することで、より多くの潜在顧客にリーチできる可能性があります。

一方で、部分一致には不必要なクリックが増えるリスクも伴います。そのため、定期的に反応している検索クエリを確認して精査する作業が必要に成ります。

部分一致から名称変更した背景

部分一致は3つのマッチタイプの中でも一番拡張レベルが高く幅広い検索クエリに反応するマッチタイプになります。検索した意図は同じでも検索クエリは日々変化し多様になってくるので、人間が想像しきれないがサービスと相性の良い検索クエリにも反応するために部分一致は重宝されてきました。


一方で、拡張度合いが高いが故に関連度の低い検索クエリに反応してしまうのも事実です。
そこでGoogleはこれまで部分一致の精度向上に注力しており、より検索意図に合ったクエリに反応するようになってきました。

そのため実態が「部分」だけ一致するという名称と合わなくなってきたので、このタイミングで「インテントマッチ」に名称が変更されました。

インテントマッチの活用方法

インテントマッチは幅広い検索クエリに反応するので活用方法によってはリスティング広告の配信を拡大させることができます。

主要なキーワードを登録する

業界によって検索ボリュームの大きいキーワードがいくつか存在します。そのようなキーワードは完全一致はもちろんですが、インテントマッチでも登録することで、潜在的なニーズのクエリやテール系のクエリにも幅広く反応することができます。

例えば、旅行業界であれば「航空券」や「ホテル」、美容業界であれば「整形 外科」などです。

検索ボリューの大きいキーワードの完全一致はオークションに参加している企業が多いのでCPCが高い傾向にあるので、インテントマッチでも登録しておくことで関連性が高い且つCPCの安い検索クエリに入札することが可能です。

インテントマッチのみ登録する

各キーワード毎の学習データを蓄積するために広告グループの重複するキーワードを「インテントマッチ」に絞るという方法もあります。これはサービスによって効果改善することもあれば、効果が悪くなることもあるので、検証して判断する必要があります。

理論上は1つのキーワードにデータが溜まるので効果が改善しやすいと考えられるのですが、関係の無いクエリにも反応したり、特定の検索クエリに対して継続的に品質スコアを改善することができないというデメリットもあるので、一度試してみて判断するのが良いです。

新しい検索キーワードの発掘

インテントマッチは新しいキーワードの発掘にも繋がります。幅広い検索クエリに反応するので、これまで気付いていなかった見込みのあるキーワード群を発見することができます。

CVに繋がっている検索クエリ、CTRの高い検索クエリ、表示回数の多い検索クエリなどから相性の良さそうな検索クエリは完全一致で登録していきましょう。

検索数が多い且つコミュニケーション(広告文と遷移先)を既存の広告グループと変えた方が良いキーワード群は、新しく広告グループを作成して配信するのも効果的です。

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