マッチタイプ「完全一致」の基礎 |メリットから活用ポイントまで
完全一致のマッチタイプは、設定したキーワードとユーザーが検索したクエリが完全に一致する場合に広告が配信される設定です。検索クエリに若干の変形(スペルミス、類似する変形、単数と複数の違いなど)が含まれていても表示されますが、意図はキーワードに非常に近いものでなければなりません。
- 完全一致とは
- 完全一致のメリット
- 完全一致のデメリット
- 完全一致が有効なシーン
- 完全一致の活用ポイント
- まとめ
マッチタイプの完全一致は、3つのマッチタイプのうち最も広告のターゲットを絞ることができ
コンバージョン率も高いといった特徴があります。
しかし、この特徴を活かすためには、完全一致の特徴を理解し、どういった場面で活用するのが有効なのかを把握する必要があります。
この記事では、完全一致の特徴と、有効なシーン、活用のポイントなどを具体例付きで詳しく解説しています。
完全一致とは
完全一致のマッチタイプは、設定したキーワードとユーザーが検索したクエリが完全に一致する場合に広告が配信される設定です。
検索クエリに若干の変形(スペルミス、類似する変形、単数と複数の違いなど)が含まれていても表示されますが、意図はキーワードに非常に近いものでなければなりません。
例えば、「[航空券 予約]」というキーワードを完全一致で設定した場合、「航空券 予約」や「予約 航空券」といった検索クエリに広告が表示されます。
完全一致を使用することで、ターゲットとなるクエリを厳密にコントロールし、無駄なクリックを減らすことができます。
完全一致の検索クエリ例
「ユニバーサルスタジオジャパン チケット」というキーワードを完全一致で登録した場合に、広告が表示される検索クエリと表示されない検索クエリの例を以下にまとめました。
広告が表示されるクエリ | 広告が表示されないクエリ |
---|---|
ユニバーサルスタジオジャパン チケット | ユニバーサルスタジオジャパン チケット 購入 |
チケット ユニバーサルスタジオジャパン | ハロウィン ユニバーサルスタジオジャパン チケット |
ユニバ チケット | ディズニー チケット |
USJ チケット | USJ サイト |
ユニヴァーサルスタジオジャパン チケット | ユニバ コラボ |
完全一致のメリット
キーワードマッチタイプを完全一致で設定する際のメリットとしては、
- 高い精度が実現できる
- 無駄な費用を削減できる
- ブランドイメージを維持できる
といったものが挙げられます。
以下でそれぞれ解説します。
高い精度が実現できる
キーワードマッチタイプを完全一致で設定すると、設定したキーワードと完全に一致する検索クエリにのみ広告が表示されます。そのため、3つのキーワードマッチタイプの内、最も高い精度でターゲットユーザーにリーチできます。
ターゲットへのリーチの精度が高くなることで、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)が向上します。
無駄な費用を削減できる
ターゲットユーザーへのリーチ精度が高いため、コンバージョンに繋がりにくい広告配信、つまりコンバージョン目的の施策においては無駄であると解釈される広告配信を減らすことができます。
コンバージョンに繋がりにくいユーザーにはそもそも配信されないため無駄なクリックが減り、広告費用を効率的に運用できます。その結果、広告費用対効果(ROAS)が向上します。
特に予算が限られている場合には有効です。
ブランドイメージを維持できる
完全一致でのキーワード設定だと、設定したキーワード以外が含まれる検索クエリでは広告が表示されません。そのため、ブランドに関連性の低いキーワードでの表示を防ぐことができます。
意図しないキーワードでの表示を防ぐことができるため、ブランドイメージを保護することができます。
ブランディングを進めたい際にも完全一致の設定は有効です。
完全一致のデメリット
次に、完全一致の設定を使用する際のデメリットについて解説します。
完全一致は設定したキーワードと一致する検索クエリのみに広告が表示されるため、デメリットもあります。
しかし、デメリットをきちんと理解して使い分けたり、他のマッチタイプと組み合わせて使うことでリスクを減らし、効果を最大化させることができます。
ここでは
- キーワード選定の手間
- リーチが狭い
- 機会の損失
の3点について解説していきます。
キーワード選定の手間
完全一致の設定で関連性の高い範囲を網羅しようとすると、関連するキーワード一つ一つを登録しなければいけません。
そのため、広範なキーワード選定と追加が必要となり、手間と時間がかかってしまいます。
リーチが狭い
マッチタイプを完全一致に設定すると、設定したキーワードと一致する検索クエリのみに広告が表示されます。
そのため、自身のニーズを言語化できていない潜在ニーズを持った顧客など、潜在的な顧客にリーチする機会が少なくなります。
機会の損失
広告がリーチできる範囲が狭くなり、潜在顧客にリーチすることができないため、その分のコンバージョンの機会を損失してしまう恐れがあります。
例えば、Ahrefsの調査によると月間10回未満の検索数しかないキーワードが米国のキーワードデータベース全体の約95%を占めています。そのため、完全一致だけで出稿した場合、多くのロングテールキーワードを見逃すリスクが生じます。
完全一致が有効なシーン
ここまで見てきたメリットとデメリットを基に、完全一致の設定が効果的な場合をいくつか例を挙げて解説します。
高額商品の販売プロモーション
まずは、高額商品のコンバージョンを目的とした場合です。こういった場合に、完全一致のマッチタイプで広告を出稿すると効果が出やすいと考えられます。
これは、高額商品の購入を検討しているユーザーは綿密に情報収集する傾向にあるからです。その際、検索クエリは具体的なものになります。
例えば、海外旅行プランを販売している場合、「ハワイ 格安 ツアー」という完全一致キーワードを設定することで、ハワイ旅行に関心が高く、実際に購入意欲の高いユーザーに広告を表示することができます。
完全一致を活用することで、購入意欲の高いユーザーのみにリーチできます。
これにより、無駄なクリックを減らし、広告費用を最適化できます。
ブランド保護
次に、ブランドのイメージを保護したい場合です。
ブランド名を含むキーワードで完全一致を使用することで、競合他社の広告が表示されるのを防ぎ、ブランド保護が可能です。
また、完全一致の設定にすることで、意図しない関連語句とともに検索された際に広告が表示されるのを防ぐことができます。
これにより、ブランドの信頼性を維持し、顧客の混乱を避けることができます。
優良キーワードを見つけたとき
完全一致で広告を出稿する前に、部分一致やフレーズ一致で関連キーワードに関するデータを広く集めておくと、表示回数が少なくコンバージョン率やクリック率の高いキーワードを発見できる場合があります。このキーワードは、広告出稿にかかる費用が抑えられ、利益も出るので、費用対効果(ROI)の高い優良キーワードであると言えます。
そのようなキーワードを見つけたら、完全一致の設定を行い、検索された際に広告配信の機会を逃さないようにしましょう。
予算が少ない場合
予算が少ない場合も完全一致が有効です。
月の広告費が少ない場合は、フレーズ一致もしくは完全一致で運用するのに向いています。
部分一致は多くのキーワードで配信され、予算の消化スピードが速いため、丁寧にキーワード選定をし、完全一致で配信をすることで、少ない予算でも成果を出せる広告運用ができます。
完全一致の活用ポイント
完全一致を活用するうえで重要なのは、キーワード選定です。
前の項で述べたように、優良キーワードを見つけ、そのキーワードの入札単価を高めることで、効率よくコンバージョンを獲得することができます。
効率的な優良キーワードを見つけるためには、定期的なデータ確認や既存顧客を対象にしたインタビューが有効です。
複数の顧客を対象に、どのような検索語句を用いたのか、どのような悩みや課題を抱えていたのかを確認することで、優良キーワード発見につながる手がかりを得られます。
まとめ
キーワードマッチタイプの完全一致とは、設定したキーワードとユーザーが検索したクエリが完全に一致する場合に広告が配信される設定です。
3つのマッチタイプの内、最も範囲が狭いマッチタイプですが、その分ピンポイントでターゲットを絞ることができ、コンバージョン率が高くなるといった特徴があります。
完全一致に関する知識を深め、使うべきところをきちんと把握することで効果的な広告運用に繋げていきましょう。