【初心者向け】プロが教えるWebマーケティングの全体像や基本知識

これからマーケティングに関わる人や企業に対して、Webマーケティングの基礎知識を説明しています。マーケティング部への急な配置変えなどにより、「Webマーケティンの全体像を短時間で学びたい」「Webマーケティングを始めたいが、その特徴や施策が分からない」、こうした悩みを持つ人は多いかもしれません。そこでこの記事では、Webマーケティングの基本を分かりやすく解説。専門用語をなるべく使わず簡潔に説明していきます。

Webマーケティングとは

Webマーケティングとは、WebサイトやWebサービスを用いて行われるマーケティングです。方法はさまざまですが、一般的にコーポレートサイトやEメール、SNSなどの媒体を活用し、商品やサービスの購入または申し込みを消費者に促す活動を指します。また、認知から購買、そしてリピートに至るまでの流れや仕組みを、Web上に作る活動とも言われています。

マーケティングという言葉には多様な定義や解釈がありますが、基本的にはモノが売れる仕組みを作ることです。経営学者のピーター・F・ドラッカーは、マーケティングの理想について、「売り込みをしなくても商品やサービスが売れる状態」と表現しています。つまり、Webマーケティングは、”売り込みをせずに売れる状態をWeb上に作る活動”と言い換えることができるのです。

Webマーケティングの重要性

インターネットやスマートフォンの発展などによって、Webマーケティングの重要性はますます高まっています。総務省の調査研究(2015年)によると、消費者がある商品やサービスの内容、その評判について調べる際、「Google やYahoo!といったインターネット検索サイトで調べる」と答えた人の割合が、約80%にも達しました。

また、経済産業省が実施したECサイトの市場調査(2018年)によれば、2010年の市場規模(B to C)は7兆7,880億円で、物販系分野のEC化率(全ての商取引のうち、ECが占める割合)は2.84%。一方、2018年では市場規模(同)が17兆9,845億円で、EC化率は6.22%でした。

このようにWebサイトの重要性やECサイトの市場規模が拡大していることから、Webマーケティングの重要性は今後もますます高まることでしょう。

Webマーケティングの全体像

マーケティングを行う主流の媒体がWebに取って代わったとしても、マーケティングの基本フレームワークはあまり変わりません。従って、まずはマーケティングの基本的な考え方を把握し、その上でWebマーケティングの全体像を理解していきましょう。

マーケティングの基礎知識

マーケティングを語る上で欠かせないのが、「購買ファネル」や「カスタマージャーニー」の考え方です。マーケティング業界では、横文字の専門用語や定義が曖昧な造語がよく使われます。特に、上記2点についてはマーケティングの世界で頻出する用語であるため、しっかりと覚えておきましょう。

購買ファネルとは、消費行動の流れを「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入・申し込み」などのフェーズに分解し、図式化したものです。各フェーズを経るごとに見込み顧客(リード)の数が減っていくことから、日本語で漏斗を意味する「ファネル」が使われています。

一方、カスタマージャーニーは、消費行動のプロセスを「旅」に例えて図式化したものです。カスタマージャーニーを作る際は、購買ファネルの各フェーズで考えられる消費者の思考や行動を分析。認知から購買までの消費者の動きを線で描きます。

事業者視点の購買ファネル、そして消費者視点のカスタマージャーニーは、業界や商材などによって異なるため、じっくりと時間をかけて分析を行いましょう。

購買ファネルとカスタマージャーニーの作成例

Webマーケティングの基本的な考え方

現代のマーケティングでは、作成した購買ファネルやカスタマージャーニーなどを俯瞰で捉え、モノが売れる仕組みを作ります。今でこそ多様な考えがありますが、基本的には、見込み顧客を集客し、「認知」から「興味・関心」、「興味・関心」から「比較・検討」、「比較・検討」から「購買・申し込み」といったように、見込み顧客を次のフェーズへ導く施策などを考えます。

そして、WebサイトやWebサービスを用いてこれらの施策を進める方法が、正にWebマーケティングです。一昔前は、自社のWebサイトを活用したマーケティングを一般的にWebマーケティングと呼んでいました。しかし現在は、SNSやgoogleを始めとする検索サービスの活用もひっくるめて、Webマーケティングと呼ばれています。 デジタル技術のWebを利用したマーケティングということから、Webマーケティングは「デジタルマーケティング」と混同されがちです。基本的にデジタルマーケティングは、オンラインやオフラインの媒体を駆使して施策を行ったり、そこから得られたデータを活用してマーケティング活動の全体最適化を図ったりする試みを意味します。従って、マーケティングにWebサイトを活用しようとするWebマーケティングの意味とは、少し異なります。

Webマーケティングの特徴や強み

Webマーケティングの特徴には、「効果測定性」「ハイスピード」「ローコスト」「精緻なターゲティング」の4つが挙げられます。

・効果測定性

自社サイトの閲覧数(PV)や商品の購入(CV)に関する数値が把握できるため、現状を把握したり、施策の効果を分析したりすることが可能です。

・ハイスピード

インターネットを活用するため、コンテンツの配信や施策の効果測定が素早く行えます。また、施策の意思決定から実行までの時間がほとんどかかりません。

・ローコスト

サーバーやドメインにかかる初期投資や月額予算が安いため、予算規模の小さい企業や個人でも始めることができます。

・精緻なターゲティング

特定のユーザーにターゲットを絞り、マーケティングを展開することができます。年齢や性別、興味関心、サイトの閲覧履歴といったデータを活用することで、ピンポイントなアプローチが可能です。

Webマーケティングの手法

ここからはWebマーケティングの具体的な手法について分かりやすく解説していきます。

Webマーケティングでは、サイトへの訪問者を増やす「集客フェーズ」、訪問者に対して次の行動を促す「接客フェーズ」、サイトへの再訪問を促す「再来訪フェーズ」を軸にして、採るべき施策を考えます。 主に、購買ファネルの「認知」に関する領域が集客フェーズ、「興味・関心」から「購入・申し込み」までが接客フェーズに当たります。さらに、購入や申し込みに至った顧客や、自社のサイトなどから離脱した見込み顧客をリピートさせる段階を、再来訪フェーズと呼んでいます。

Webマーケティングの主な手法

フェーズ(目的)媒体主な施策
集客フェーズ
(サイト流入の増加)
webSEO
記事コンテンツなどの配信
検索連動型広告(リスティング広告)の配信
バナー広告(ディスプレイ広告)の配信
SNS動画コンテンツなどの配信
バナー広告(同)の配信
接客フェーズ
(アクションの促進)
webUI・UXの改善
サイトマップの改善
LPO・EFO
再来訪フェーズ
(リピートの向上)
webバナー広告(同)の配信
SNSバナー広告(同)の配信
Eメールダイレクトメールの配信

集客フェーズ

集客フェーズで行う施策の目的は見込み顧客の集客です。商材やマーケットにもよりますが、サービスなどに関する認知度が高くなればなるほど、コンバージョン(CV:購買や申し込みなどの行動)の数が増えるのは言うまでもありません。

集客フェーズでは、いかに商品やサービス、企業情報などを周知し自社のWebサイトに流入させるかが重要な鍵となります。以下、SEOやコンテンツの配信、Web広告の配信など、集客フェーズで行うべき施策や、その目的についてそれぞれ紹介していきます。

・SEO(検索エンジン最適化)

SEOとは、GoogleやYahoo!による検索エンジンの検索結果において、特定のHPやオウンドメディアが上位に表示されるようWebサイトの構成や内容などを調整することです。膨大に検索されているキーワードでの検索結果に自社のWebページを上位表示できれば、サイトへの流入数をより増やせるというロジックです。

例えば、「東京観光 おすすめ」のキーワードは、Google検索で月間約1万8,000回も検索されるビッグワード。このキーワードによる検索順位結果で、自社のページが1位の場合、サイトへの流入数は多くなることは明らかです。反対に50位以下の場合、流入数はほとんど見込めないことになります。

・コンテンツ配信

WebサイトやSNS上でコンテンツを配信し、ユーザーにサイトへの流入を促すマーケティングの手法です。

画像や動画メインのコンテンツを配信し、ユーザーに商品やサービスの世界観を伝える方法が、いわゆるブランディングというものです。一方、ユーザーが求める情報をテキストベースで配信し、これらを通して商品やサービスに対するファン化を促す方法をコンテンツマーケティングと呼んでいます。

昨今は媒体(チャネル)が多様化していることから、それぞれの特性を生かし、どう組合せてコンテンツを配信するかも重要です。例えば、SNS(Instagramなど)に商品の画像を、Webサイトに商品の詳細を、YouTubeに商品の使い方を掲載するなど、細かな戦略が必要とされています。

・Web広告

Web広告の代表例には、検索連動型広告(リスティング広告)やバナー広告(ディスプレイ広告)などが挙げられます。検索連動型広告は、Google検索などでユーザーが検索した際、その検索キーワードに関連した特定の広告を表示させる仕組みです。

また、これらのWeb広告は運用型広告とも呼ばれ、運用主はターゲットや広告費(入札限度額)、デバイス、テキストなどをリアルタイムで調整し広告の最適化を図ります。最近のWeb広告はとても複雑であるため、詳細については割愛することにします。

※検索連動型広告(リスティング広告)に関しては、以下のリンクを参考に。

>>リスティング広告とは?ゼロから分かりやすく基礎知識を解説

接客フェーズ

接客フェーズで行う施策の目的は、自社のWebサイトに流入した見込み顧客に対して、次のアクションを促すことです。

例えば、セール情報の広告からユーザーがWebサイトに流入したとしても、欲しいものを探せなかったり、購入方法が分かりづらかったりしたら、ユーザーはすぐさまサイトから離脱するでしょう。見込み顧客を1人でも多く消費者にするには、Webサイトの改善が大切なのです。

・UI(ユーザーインターフェーズ)・UX(ユーザーエクスペリエンス)などの改善

UI・UXの改善は、一言でいうと”サービスやシステムの使い勝手をより良くすること”です。一般的に、UIは画面・見た目・使い勝手を、UXはユーザーがサービスの利用から得られる体験を指します。新しい言葉のため定義が曖昧ですが、ここでは”サービスやシステムの使い勝手”とひとまず捉えて下さい。

クオリティの高いUI・UXは、iPhoneやMacのシステムをイメージすると分かりやすいかもしれません。これらを操作する際、説明書を読みながら操作を覚えた人はほとんどいないのではないでしょうか。直感的に、そして気持ちよく操作できるこのシステムの感覚こそが、正に洗練されたUI・UXと言えることができます。

・サイトマップの改善

サイトマップとは、Webサイト全体のページ構成を樹形図のように一覧で掲載するページで、いわばWebサイトの目次に当たります。サイトマップの改善は、サイト内でのユーザー行動を促し、回遊性を高める効果が期待できます。

想像して下さい。PCのデスクトップでフォルダ分けがきちんとなされていると、必要なタイミングで必要なファイルへすぐにアクセスできるのではないでしょうか。このロジックをWebサイトの構造に当てはめて考えるのが、正にサイトマップの改善です。

・LPO(ランディングページ最適化)/EFO(エントリーフォーム最適化)

LPOとは、広告などからWebサイトのランディングページ(最初に到達するWebページ)へ見込み顧客が遷移する際、各ユーザーの目的に合った情報(テキストやクリエイティブなど)を配信することで、サイトからの離脱を防ぎコンバージョンへ誘導することです。

一方、EFOとは、Webサイトに設置されている入力フォームの仕様やデザインを改善し、ユーザーが利用しやすくすることです。ECサイトでの個人情報登録、サービスへの問い合わせに関する情報入力ページなどが、入力フォームの主な例となります。どれだけクオリティの高い商品やサービスを提供していたとしても、購入や問い合わせの方法が煩わしいと、ユーザーは次のアクションに移ってくれないでしょう。

再来訪フェーズ

再来訪フェーズの施策の目的は、自社のWebサイトへ過去に訪れた見込み顧客や、Webサイトで商品やサービスを注文した消費者らを、再びサイトに来訪させることです。簡潔に説明すると、リピーターを増やす手立てです。

施策の手法は2パターンに分けられ、1つ目はCookie(クッキー:Webページを訪問したユーザー情報を一時的に保存する仕組み)などを活用したリターゲティング。そして、2つ目は顧客がWebサイトなどで入力する個人情報(Eメールアドレスなど)の活用です。

・リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、広告主のWebサイトを訪問したユーザー行動を、Cookieを利用して追跡し、他のWebサイトの広告枠で同じ広告主の広告を表示させ、リピートを促すWeb広告です。

あるトピックについて何度もWeb検索を行っていると、そのトピックに関する広告が目につくようになったという経験は、誰しもがあるのではないでしょうか。この既視感があるWeb広告こそが、正にリターゲティング広告です。

・メールマーケティング(ダイレクトメールの配信)

メールマーケティングとは、見込み顧客や消費者から獲得したEメールアドレスを活用し、ダイレクトにメールを配信するマーケティングの手法。新しい商品やサービスの情報などに関するコンテンツを見込み顧客や消費者に配信し、ファン化やリピーターを促すことが目的です。

メールマーケティングは古典的な手法ですが、確実に情報を送ることができる部分においてWeb広告とは大きく異なります。B2Cの企業では少なくなりましたが、認知から購入に至るまでの期間が長いB2Bの企業では、基本的なマーケティング手法となっています。

Webマーケティングの学習については「動画コンテンツ」も参考に

Webマーケティングに関する理解は深まりましたでしょうか。テクノロジーの発展やWebサービスの多様化などによって、Webマーケティングの手法や施策は目まぐるしく変化しています。上記で説明したマーケティングの知識や方法は、数年経つと古臭いものになっているかもしれません。そのためにも、Webマーケティングに関わる担当者は最新のノウハウをキャッチアップしていく必要があります。

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