BeReal(ビーリアル)とは?現役大学生が考える魅力!「映えない」「盛れない」SNSの実態

BeRealは、現在Z世代の間で流行しているSNSアプリです。

写真の加工ができないことや通知が来てから2分以内の投稿、内カメラと外カメラで同時に撮影することなどから「映えない」「盛れない」アプリとして認識されています。しかし、そこが他のSNSと違って気軽に投稿できると人気に火が付きました。

この記事では、BeRealの基本情報の解説とZ世代からの熱い支持の理由を探っていきます。

BeReal(ビーリアル)とは

ドライブ中にBeRealを撮影した様子

BeRealとは、2020年に公開されたSNSアプリです。

2022年ごろから徐々に人気が出始め、2024年の1月には全世界合計でのアクティブユーザー数が2300万人を超えたとの報告があります。引用元

開始以来、広告無しで運営されてきたBeRealですが、2024年7月からはBeReal内に広告を配信することのできるアドネットワークが公開されました。

今後もますます変化・成長していくことが予想されます。

BeReal(ビーリアル)の基本情報

ここからは、BeRealの基本情報について紹介していきます。

機能

BeRealは、写真の撮影、投稿がメイン機能の非常にシンプルなアプリです。フィルターや加工機能はありません。

投稿には簡単なキャプションと位置情報、音楽を任意で追加することができ、投稿された写真にはRealMojiというリアクションやコメントを付けることができます。

最近ではBTS(Behind The Scene)という機能が追加され、写真撮影直前の数秒間を録画し投稿することができるようになりました。

沿革

BeRealは、2020年、正確には2019年の12月に元Go-Proのアレクシ・バレイヤ氏とケビン・ペロー氏によって開発、公開されました。

公開からしばらくはなかなかダウンロード数が伸びませんでしたが、2021年に50万人のアクティブユーザーを記録し、徐々に成長の兆しを見せ始めました。また、この時点では開発者自身が拠点を置くフランスがメインの市場でした。

2022年にメインの市場をイギリスとアメリカに移したことと大学生を狙ったキャンペーンが大きな成功を収めたことでダウンロード数が前年の10倍を記録しました。

2024年6月、BeRealはフランスのゲーム企業によって買収され、7月には創業以来手を出してこなかった広告事業を始めると発表しました。

ユーザー層

2024年の第2四半期の報告によると、日本では430万人の月間ユーザーがおり、2023年と比較して10倍以上のユーザー数の増加を記録しています。これは、全世界で最も高い増加率です。

また、そのうちの97%が14~27歳のZ世代に該当する世代になっています。詳しい内訳は、13~17歳が27%、18~27歳が70%、28歳以上が3%で、非常に若者に特化したSNSであることが分かります。

国別シェア

2023年3月時点での国別ダウンロード数ランキングでは、1位がアメリカの3330万、続いてイギリスの1030万、フランスは4位で590万人です。その他の順位は以下の表のとおりです。引用元

順位国名ダウンロード数
アメリカ3330万
2イギリス1030万
3ドイツ610万
4フランス590万
5イタリア580万
6スペイン460万
7ブラジル360万
8オーストラリア350万

BeReal(ビーリアル)の特徴

他の主要SNSと比較したBeRealのユニークな特徴としては以下のようなものが挙げられます。

時間制限のある投稿機能

BeRealの最も大きな特徴は、通知が来てから2分以内に投稿をしなければならないという点です。実際、40%のユーザーが通知が来てから2分以内にアプリを開いているという報告もあります。

他のSNSでは好きな時間に好きなだけ投稿、閲覧ができるのに対し、投稿に制限があり、自分のBeRealを投稿するまでは友人の投稿を閲覧することができないという点が特徴的です。

フィルターなし・編集なし

BeRealは写真がメインのコンテンツであるにもかかわらず、フィルターや編集、加工機能がないというのも大きな特徴です。

写真をシェアしてコミュニケーションを取るSNSとして有名なものにInstagramやSnapChatがありますが、どちらも豊富なフィルターや編集機能を備えています。

一方、BeRealでは撮影した写真そのものに手を加えることはできず、撮り直しした場合も何回撮り直ししたか表示されるようになっています。このような点が他のSNSと大きく異なります。

クローズドなコミュニティ

BeRealでの交流は、基本的にクローズドなコミュニティ内で行われるという点も特徴的です。

BeRealでは、他のアカウントをおすすめする機能がなく、友人のフォロワーを確認することもできません(共通の友達がいるユーザーが表示されることはあります)。そのため、友達を増やすには友人に直接ユーザー名を聞いて検索することになります。

こういった理由から、BeRealで繋がっている友人は限られた本当に親しい友人の身になりますし、積極的に増やすようなものでもないという考えが主流なようです。

実際、私のSNSのフォロワーの合計は1,000人程度ですが、BeRealでつながっている友人は7人のみです。

アルゴリズムによるおすすめがない

BeRealには、おすすめ機能といったものがありません。

一般的なSNSでは、自分がフォローしているユーザーの投稿とは別にフォローしていないユーザーの投稿もおすすめとして表示されますが、BeRealではそういったことが一切ありません。友達の友達の投稿を見ることができますが、まったく関係のない人は表示されませんし、設定でいつでもオフにできます。

おすすめのユーザーに関しても、共通の友達がいるユーザーが表示されることはありますが、アルゴリズムを使用した好みや位置情報に基づくおすすめユーザーが表示されることはありません。

Z世代からの支持を集める理由

ここからは、Z世代である筆者自身の感想も交えながら、BeRealがZ世代からの支持を集める理由について考察していきます。

ありのままをシェアできる

まず一番の魅力としては、ありのままをシェアできるということが挙げられます。

現在主流になっているSNSでは、日常の美しい瞬間を切り取ったり、おしゃれな瞬間を切り取ったりなど、いわゆる「映える」投稿があふれています。

BeRealのコンセプトはその真逆です。映えないSNSと呼ばれる通り、寝起きの写真やすっぴんの写真、写すものがないからと家の壁の写真や天井の写真も多く投稿されています。

このように、特別な一瞬を切り取るのではなく、普段通りの日常をシェアするというコンセプトがInstagramとともに育ったZ世代からすると新鮮で受けているのかなと思います。

完璧じゃなくていい プレッシャーからの解放

上記に書いた通り、BeRealはありのままの日常をシェアするアプリです。

すっぴんの姿や一人ぼっちの姿など完璧じゃない部分もありのままシェアしますし、毎日2分以内に投稿するとなると、いくら完璧に見える人でもそれ以外の部分が見えてきます。

他の人もありのままを投稿しているという事実や、2分以内に投稿しなければいけない、加工やフィルターは使えないという仕様が完璧ではない投稿の理由にもなり、他のSNSでたびたび感じる「完璧で魅力的な投稿をしなければならない」というプレッシャーから解放されます。

「SNS疲れ」になりにくい

マイナビニュースによると、全体の半分以上、特にZ世代の女性では61%がSNS疲れを感じているとのことでした。引用元

その理由としては、他人の投稿内容やフォロワー数、いいね数などを自分と比較してしまう、コミュニケーションの頻度が増えすぎてしまうなどといったものが挙げられています。

一方、BeRealでは他人のフォロワーやいいねなどの数字は表示されません。加えて、前述した通り、BeRealでの投稿は他のSNSと比べて気軽にされるので内容を比較するといったことが基本的にありません。

アプリの使用時間やコミュニケーション頻度についても、BeRealでの投稿は基本的に1日1回のみで自分がその日の分を投稿するまでは友人の投稿を確認することができず、さらに24時間が経過した場合友人の投稿はタイムラインから自動的に削除されます。また、友達のおすすめ機能はなく双方の承認がないと投稿を見ることはできないなど、アプリの機能は制限されています。

そのため、使用時間は他のSNSと比べてかなり短くなり、コミュニケーション頻度も本当に親しい人のみとのコミュニケーションに限られます。

こういった特徴が、SNSに疲れた若者たちからの支持を集める理由になっているとも考えられます。

BeReal(ビーリアル)の使い方

ここからは、アプリの使い方について解説します。使い方については「BeReal(ビーリアル)の使い方」の記事でより詳しく解説していますので併せてご覧ください。

アプリは下記のリンクからダウンロードすることができます。

iOS:https://apps.apple.com/us/app/bereal-your-friends-for-real/id1459645446

Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.bereal.ft&pcampaignid=web_share&pli=1

登録

アプリがインストールできたら、アカウントを作成し、基本情報を登録していきます。

最初に登録するのは、電話番号とそこに届く認証コード、アカウントの名前、生年月日、ユーザー名(IDのようなもの)です。

アカウントの作成後は自身のプロフィール画像や自己紹介を追加したり、友達の追加が行えるようになります。

写真を撮る

バーベキュー中にBeRealを撮影した様子

BeRealで投稿するためには、写真を撮る必要があります。

BeRealの写真で特徴的なのは、内カメラと外カメラで同時に写真を撮ることと、写真を撮る際にフィルターは使えず、撮った後も加工ができないという点です。

また、写真は1日に最大2回まで投稿することができます。1日の内ランダムな時間に通知が来るので、通知が来たら2分以内に写真を撮って投稿してください。2分以内に投稿することができると、その日はもう1度写真を投稿することができます。

投稿

写真を撮った後、キャプションなどを任意で追加したら公開範囲と音楽の有無を選択して投稿することができます。

この時、投稿時間に遅れた場合や撮り直しをした場合は「○時間の遅れ、○回の再受験」と表示されます。

使う上で気を付けるべきこと

BeRealは非常にシンプルなアプリですが、気を付けなければならないこともあります。

それが公開範囲の設定と位置情報の表示です。

公開範囲の設定

BeRealで投稿される写真の公開範囲は2段階で設定することができます。「私の友達」か「友達の友達」です。

公開範囲を「私の友達」に設定すると、自分が友達追加を承認したユーザーにのみ投稿が公開されます。「友達の友達」の場合は、友達追加を承認したユーザーに加えて、そのユーザーの友達にも投稿が公開されます。他のSNSでは基本的に全世界に公開されますが、BeRealではそういった設定がありません。

写真を投稿するたびに公開範囲の設定ができるので、範囲設定が自分の希望のものになっているか毎回確認するようにしましょう。

位置情報の表示

写真を投稿する際には、位置情報を共有することも可能です。

投稿ごとに、BeRealを撮影した場所が「○○県,○○市」と表示されます(東京都の場合は区まで)。

デフォルトでは位置情報がオフになっていますが、一度オンにすると手動でオフに切り替えるまでその後のBeRealの投稿に撮影場所の位置情報が表示され続けます。

写真撮影後の「送信」ボタン上にある位置情報アイコンから設定できるので、こちらも必ず確認するようにしましょう。

まとめ

BeRealとは、近年特に注目を浴びている写真共有型SNSアプリです。

アメリカやイギリスなどを中心にZ世代の間で大きな人気を博しており、日本でも430万人の月間ユーザーがいるとされています。

特徴としては、1日1回決まった時間に写真を撮って投稿することやフィルターや編集のないありのままの写真を載せること、内カメラと外カメラ同時に映った写真を投稿することなどがあります。

BeRealという名前の通り、現実の時間をそのまま切り取って現実の友達のみに共有します。

会社は、2024年にフランスのゲーム会社に買収され、7月には広告事業がスタートしました。

今後も機能やシステムの変更が予想されており、さらなる成長が期待されます。