リターゲティングリストとは┃種類や作成ポイントを解説

リターゲティングリストとは、リターゲティング広告を配信するためのユーザーのリストです。Webサイト訪問者リスト、カート放棄リスト、コンバージョンリスト、エンゲージメントリスト、優良ユーザーリストなどの種類があります。リターゲティングリストを作成することで、特定の行動を取ったユーザーに対して広告を配信し、再訪問やコンバージョンを促進することができます。

  • リターゲティングリストとは
  • リターゲティングリストの作成方法
  • リターゲティングリストの主な種類
  • リターゲティングリスト作成のポイント
  • まとめ
2024年09月27日 2024年09月27日
楓 真瀬莉

リターゲティングリストとは、リターゲティング広告を配信するためのユーザーのリストです。

URLやリーセンシー、AND条件、除外条件などを組み合わせることで、自社の目的に合わせた最適なリストを作成することができます。

この記事では、リターゲティングリストが広告キャンペーンで動作する仕組みや、リストの種類と特徴、活用する上でのポイントなどを解説しています。

リターゲティングリストとは

リターゲティングリストとは、リターゲティング広告を配信するためのターゲットユーザーが記載されたリストです。

具体的には、過去に自社のWebサイトやアプリを訪れたユーザーを特定、リスト化し、そのユーザーに再度広告を表示するという仕組みになっています。

リターゲティングリストを作成することで、特定の行動を取ったユーザーに対して、よりパーソナライズされた広告を配信し、再訪問やコンバージョンを促進することができます。

リターゲティングリストの作成方法

リターゲティングリストを作るための方法やその仕組みについて詳しく解説していきます。

トラッキングタグの設置

まず、Webサイトやアプリにトラッキングタグを設置します。

このタグは、Google 広告やFacebookなどの広告プラットフォームから取得でき、設置することでユーザーの行動を追跡できるようになります。

トラッキングタグを適切に設置することで、ユーザーがどのページを訪問したか、どのような行動を取ったかを把握できます。

リストの作成

次に、リターゲティングリストに含めるユーザーの条件を設定します。

特定のページを訪れたユーザーやカートに商品を追加したが購入しなかったユーザーなどがよく使用される条件ですが、その他にも自社のキャンペーン目標に合わせてさまざまな条件を設定することができます。

例えば、Google広告でECサイトのトップページを訪れたことがあるユーザーに対してリターゲティング広告を出す場合、Google広告の管理画面から設定を行うことができます。「ツールと設定」アイコンをクリックし「共有ライブラリ」内の「オーディエンスマネージャー」を選択します。その後「オーディエンスリスト」タブで「+」ボタンをクリックして「ウェブサイト訪問者」を選びます。リストの名前とトップページURLや対象とする期間などを入力すると、リターゲティングリストが作成されます。

リストを設定

最後に、作成したリストを配信する広告に設定します。

広告プラットフォーム上で、リターゲティングリストを使用して広告キャンペーンを開始することで、特定のユーザーに対してリターゲティング用の広告を配信することができるようになります。

Google広告の場合、設定画面から作成したリストをターゲットとして適用させる広告キャンペーンを選択します。広告キャンペーン内の「ターゲティング」のセクションまで進み、そこで「オーディエンスセグメント」を選択します。そして「オーディエンスセグメントを追加」をクリックし、「リマーケティングと類似オーディエンス」セクションから、先ほど作成したリターゲティングリストを選択します。これで、作成したリストと適用させたい広告キャンペーンが紐づきました。

リストを設定する際には、広告の表示頻度や期間を調整し、最適なタイミングでユーザーにリーチするように設定することが重要になります。

リターゲティングリストの主な種類

先ほど、特定のページを訪れたユーザーやカートに商品を追加したが購入しなかったユーザーなどがよく使用される条件とお伝えしましたが、その他にはどのような条件が使用されるのか具体的に解説していきます。

Webサイト訪問者リスト

Webサイト訪問者リストは先ほどもお伝えした条件で、もっともメジャーなリターゲティングリストの条件です。Webサイト訪問者リストは、特定のページを訪れたユーザーを対象にしたリストです。

例えば、ECサイトを訪れたことがあるユーザーや商品ページを訪れたものの商品の購入はしなかったユーザー(購入しなかったユーザーは除外リストで設定が可能です)などが含まれます。

カート放棄リスト

カート放棄リストも先ほどお伝えした条件で、Webサイト訪問者リストと同様よく使われるメジャーなリスト条件です。

具体的には、ショッピングカートに商品を追加したものの、最終的に購入しなかったユーザーを対象にしています。対象のWebサイトにGoogle広告のグローバルサイトタグやイベントタグを設置します。そうすることで、商品がカートへ追加されたか、購入は完了したかといったユーザーの行動をトラッキングすることができます。こうして、購入手続きページに進まないまま他のページへ移動したり、ウェブサイトを離脱した場合、そのユーザーが「カート放棄リスト」に追加されます。

このリストのユーザーに対しては、購入が確認していない旨を伝えるリマインドの広告などを配信するのが一般的です。

コンバージョンリスト

コンバージョンリストは、自社で設定した、問い合わせや情報の登録、購入など特定のアクションを完了したユーザーを対象にしたリストの総称です。

こちらは、情報の登録や購入が完了したことを伝えるページにタグを設置します。そうすることで、コンバージョンを最後まで完了したユーザーのみリスト化することができます。

このリストのユーザーに対しては、関連商品の広告やリピートを促す広告などを配信します。

エンゲージメントリスト

エンゲージメントリストは、特定のコンテンツに関与したユーザーを対象にするリストです。

例えば、動画を視聴したユーザーや特定の記事を読んだユーザーなどが含まれます。該当アクションを行ったか確認するために、ページビュートラッキングやイベントトラッキングなどの対応するタグを設置します。こうして、該当アクションを行ったユーザーはエンゲージメントリストに追加されます。

このリストのユーザーに対しては関連する製品やサービスの広告を表示します。こうすることで、コンバージョンに至る前の検討層のユーザーに対して購入を後押しする広告を届けることができます。

優良ユーザーリスト

優良ユーザーリストは、高頻度でサイトを訪問したり、複数回購入したりしているユーザーを対象にするリストです。

このリストは、後ほどお伝えするAND条件などによって作成することが可能です。

このリストに入っているユーザーに対しては、特別なプロモーションや新商品情報を提供することでブランドロイヤルティを強化することができます。

リターゲティングリスト作成のポイント

続いて、実際にリターゲティングリストを作成するうえで気を付けたいポイントについて解説していきます。

ルール指定:階層とリーセンシーで絞り込む

ルール指定では、リターゲティングリストのルール(条件)を作成することができます。具体的には、階層(URL)やリーセンシー(訪問日数)が含まれます。これらの条件を指定することで、リターゲティングリストを作成することができます。

階層(URL)では、どのページに訪問したユーザーを対象とするかを設定します。例えば、サイトのトップページや特定のカテゴリページ、購入完了ページなどが当てはまります。

リーセンシー(訪問日数)では、訪問日時を条件に最近訪問したユーザーのみや過去の一定期間内に訪問したユーザーのみなどの指定を行うことができます。

自社のターゲットに合わせて、どのページのURLを採用するか、リーセンシーはどの程度にするか考えてから設定するようにしましょう。

これらの条件を適切に組み合わせることで、より精度の高いリターゲティングリストを作成することができます。

組み合わせリスト:条件を組み合わせる

リターゲティングリストの作成では、組み合わせリストのAND条件、OR条件、除外条件について理解しておく必要があります。

組み合わせリストを使用する際は、AND条件やOR条件、除外条件を使い分けることでより複雑な条件を設定することができます。

AND条件とは、設定した条件のうちすべての条件を満たすユーザーを対象とする設定です。例えば、商品Aのページに訪問したユーザーと商品Bのページに訪問したユーザーをAND条件で指定した場合、どちらの商品も購入を検討している、もしくは比較しているユーザーを対象に広告を配信することができます。

OR条件とは、設定した条件のうちいずれかの条件を満たすユーザーを対象とする設定です。例えば、商品Aのページに訪問したユーザーと商品Bのページに訪問したユーザーをOR条件で指定した場合、商品Aか商品Bいずれかのページに訪問したことのあるユーザーに対して広告を配信することができます。

除外条件とは、設定した条件を満たすユーザーを除外する設定です。例えば、商品Aのページに訪問したユーザーをリストの対象にし、商品Aを購入したユーザーを除外条件に設定した場合、商品Aに関心があるものの買ったことのないユーザーに対して広告を配信することができます。

TOPページ訪問ユーザーリストの作成に注意

リターゲティングリストの設定でTOPページのURLを指定した場合、抑えておくべきポイントが2つあります。

そもそも、TOPページのみを訪問したユーザーは、まだ具体的な商品やサービスに興味を持っているとは限らず、コンバージョン率が低い可能性があります。しかし、TOPページの訪問を経て商品ページなどにも訪問している場合は別です。そのため、TOPページの訪問履歴があるユーザーでもTOPページのみの訪問なのか、経由して別のページにも訪問しているかによって広告の目的が変わってきます。

ここを分けるためには、まずTOPページの訪問ユーザーリストから他ページに訪問したユーザーを除外する必要があります。先ほどお伝えした通り、すでに他のページに訪問しているユーザーはTOPページのみを訪問したユーザーよりもコンバージョン率が高いため、除外することでよりピンポイントで効率的な広告配信を行うことができます。

また、ターゲティングを細かく設定するためにはリーセンシーを短くするのも有効です。訪問から時間が経っているユーザーよりも、最近訪問したばかりのユーザーのほうがコンバージョン率が高い傾向にあります。そのため、リーセンシーを短く設定することで、コンバージョン確率の高いユーザーに向けてより効果的な広告配信を行うことができます。

階層が深く、リーセンシーが短いユーザーを優先する

リターゲティングリストを作成する際に基本となる考え方として階層が深くリーセンシーが短いユーザーを優先するというものがあります。

リストを作成する際の対象となるユーザーをマーケティングのファネルに当てはめて考えると、上記の図のような形になります。ファネルの入り口の最も広い(ユーザー数が多い)階層はTOPページ来訪ユーザーを示しており、コンバージョンに最も近いフォーム到達ユーザーはユーザー数が少なくなってきます。

フォーム到達ユーザーは数こそ少ないもののコンバージョンに最も近いユーザー層であると考えられるため、優先して広告を届けることが重要です。

また、リーセンシーに関しては、短いユーザーのほうがコンバージョンの確率が高いと考えられます。

30日以内に1度サイトを訪問したユーザーよりも1日以内にサイトを訪問したユーザーのほうが記憶が鮮明で、また代替商品を購入した可能性も低いと考えられるからです。そのため、リーセンシーの短いユーザーに優先して広告を届けるべきだと考えられます。

以上のことを総合すると、コンバージョン率の高いユーザーは多くのページを訪問しており、訪問から時間が経っていないことが多いです。

そのため、リターゲティングリストを作成する際には、階層が深くリーセンシーが短いユーザーを優先的にターゲットとする考え方が一般的になっています。

そうすることで、より効果的な広告配信を行うことができます。

まとめ

リターゲティングリストとは、リターゲティング広告を配信するためのユーザーリストを指します。

サイトにタグを設定し、タグを設定したページのURLやリーセンシーなどの条件を指定してリストを作成、そのリストを適用したい広告キャンペーンに結び付けることでリターゲティングリストを活用した広告を配信することができるようになります。

リターゲティングリストには、Webサイト訪問者リスト、カート放棄リスト、コンバージョンリスト、エンゲージメントリスト、優良ユーザーリストなどの種類があります。

また、実際に活用する上でのポイントとしては、階層とリーセンシーで絞り込むことや組み合わせリストを活用することなどが挙げられます。

以上の知識をしっかり頭に入れて、リターゲティングリストを有効活用していきましょう。

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