予約型広告とは┃運用型との違いや種類、活用シーンを解説
予約型広告とは、広告主が特定の期間や特定の場所に広告を掲載するために事前に広告枠を購入する方式の広告を指します。この広告方式では、希望する広告掲載期間や表示頻度、ターゲットを選択し、確実に広告を表示することができます。
- 予約型広告とは
- 予約型広告の特徴
- 予約型広告と運用型広告の違い
- 予約型広告のメリット
- 予約型広告のデメリット
- 予約型広告を利用できる主な媒体
- 予約型広告の活用例
- 予約型広告の注意点
- まとめ
広告の種類はさまざまですが、予約型広告はその中でも重要な広告手法の一つです。
事前に広告枠を予約して確実に広告を配信する形式で、これにより広告主は希望する期間や場所に応じて確実にターゲットにアプローチすることができます。
予約型広告は、大規模なキャンペーンやブランド認知度向上を目的とした広告に利用されることが多い広告です。使い方次第では非常に大きな成果を上げることができます。
この記事では、予約型広告の基本的な解説から、メリットとデメリット、使用可能な媒体、実際に活用する上での注意点などを解説しています。
予約型広告とは
予約型広告とは、広告主が特定の期間や特定の場所に広告を掲載するために事前に広告枠を購入する方式の広告を指します。
この広告方式では、希望する広告掲載期間や表示頻度、ターゲットを選択し、確実に広告を表示することができます。
そのため、予約型広告は特定のイベントやキャンペーン期間に合わせて広告を計画的に展開したい場合に適しています。
予約型広告の特徴
予約型広告の元も大きな特徴は確実性です。
広告枠を事前に予約して購入するため、指定した期間や場所では確実に広告が表示されます。また、そのため広告費用は事前に確定しており、予算管理がしやすいというメリットもあります。Web広告には様々な課金方法がありますが、予約型広告はCPM(Cost Per Mille)やCPC(Cost Per Click)などではなく、固定料金での契約が一般的です。
また予約型広告の効果としては、ブランド認知度向上に非常に有効であるという点が特徴として挙げられます。指定した場所では期間中常に自社の広告が表示されるため、指定した期間に広告の表示場所を訪れたユーザーは確実に広告を目にすることになります。そのため、ブランドの認知度を効果的に高めることができます。
さらに、特定のターゲットに向けて広告を配信することが可能であるということも特徴の一つです。特徴の似ている純広告ではターゲットの指定がやや緩いものになりますが、予約型広告では広告の表示場所や時間を細かく設定することができます。
予約型広告と運用型広告の違い
予約型広告と相対する配信方法の広告が運用型広告です。
以下で主要な違いやそれぞれの特徴について解説します。
広告掲載の確実性
予約型広告:広告枠を事前に購入するため、指定した期間と場所においては確実に広告が表示されます。
運用型広告:リアルタイムの入札システムを利用するため、広告の表示は入札結果に依存します。入札の結果によっては広告が表示されない場合もあります。
料金体系
予約型広告:固定料金での契約が一般的です。広告費用は事前に確定しているためイレギュラーが起こらず、予算管理がしやすくなっています。
運用型広告:CPM(Cost Per Mille)やCPC(Cost Per Click)などの課金方式が一般的です。広告のパフォーマンスに応じて費用が発生するため、予算の消費が変動します。予想外に費用が高くつく場合も考えられます。
柔軟性
予約型広告:事前の広告枠の確保など、必要なことは広告配信前にすべて設定します。そのため、キャンペーン期間中に広告内容や表示場所を変更することは難しい場合があります。
運用型広告:リアルタイムで入札やターゲティング設定を変更できるため柔軟性が高く、迅速に戦略を調整することが可能です。設定をいつでも変更することができるので、掲載期間や掲載場所の変更も可能です。
予約型広告のメリット
次に、予約型広告を選択することによるメリットを解説していきます。
確実な広告配信
予約型広告の特徴についての項目でも挙げましたが、確実性はメリットでもあります。
事前に広告枠を確保するため、広告主が希望する期間や場所で確実に広告が配信されます。
例えば、イベントや新製品の発売時期に合わせて広告を計画的に展開したい場合、予約型広告は非常に有効です。
これにより、ターゲットユーザーに対して確実にメッセージを届けることができ、重要なキャンペーンでの失敗リスクを減らすことができます。特に、重要なキャンペーンやイベントでは、入念な計画とその通りに進行させることが重要となるため、この確実性は大きなメリットです。
ブランド認知度の向上
予約型広告は、特定の場所や期間において広告が繰り返し表示されるため、ブランド認知度の向上にも非常に効果的です。
運用型広告ではフリークエンシーキャップを設定することが多いですが、予約型広告はフリークエンシーに関わらず常に表示されます。広告が目立つ場所に長期間表示されることで、ユーザーの目に触れる機会が増え、ブランドの印象を強く残すことができます。
例えば、特定のWebサイトのトップページに毎日広告が掲載されていれば、サイトを訪れるユーザーは自然とそのブランドを覚えるようになります。
予算管理が容易
予算管理が容易だということも予約型広告のメリットの一つです。
予約型広告では広告費用が事前に確定しているため、計画を立てやすくなりますし、広告キャンペーンは予算計画通りに進むことがほとんどです。
この点により、予約型広告は予算に厳しい企業や、広告予算が決まっているプロジェクトに向いていると言えます。また、運用型広告では予算内に抑える自信がないといった場合にも有効です。
予約型広告を選択することで、広告主は予算内で最大限の効果を得るための計画を立てることができます。
予約型広告のデメリット
予約型広告にはデメリットも存在します。
メリットとデメリットを比較して最適な選択ができるようにしましょう。
柔軟性の欠如
予約型広告の大きなデメリットの一つは、柔軟性が低いことです。これは、メリットで挙げた確実性の裏返しになります。
事前に広告枠を確保するため、キャンペーン期間中に広告内容や掲載場所を変更したり、表示の頻度を調整したりすることが難しい場合があります。例えば、広告を出した後に市場の動向が変わったとしても、すでに予約しているため、すぐに広告内容を変更することは容易ではありません。
このため、状況に応じてリアルタイムに広告戦略を変更したい場合には、予約型広告は不向きです。
コストが高い
予約型広告は、広告が確実に表示される分、コストが高くなる傾向にあります。
特に、人気のあるメディアやウェブサイト、目立つ場所に広告を掲載する場合は費用がかさむ傾向にあります。
このため、予算が限られている中小企業や、コスト効率を重視するキャンペーンの場合は、向いていないと感じる可能性があります。
予約型広告は、確実に広告を表示するための料金設定になっていることが多く、ほかの広告形式に比べてコストが高くなる場合があります。特に、人気のある広告枠や時間帯では、予算と期待されるパフォーマンスを比較して選択する必要があります。
効果測定が難しい
予約型広告では、インプレッションやクリック数に基づく課金方式ではないため、広告の効果測定が難しいというデメリットもあります。
広告が確実に表示される一方で、広告の効果を正確に把握するためには別途ツールや分析方法が必要になります。
特に、成果が分かりやすい他の広告形式と比較すると予約型広告は具体的な効果を把握しにくく、広告キャンペーンの評価や調整で手間がかかります。
予約型広告を利用できる主な媒体
予約型広告を利用できる主な媒体としては、
- テレビ
- ラジオ
- 新聞や雑誌
- インターネット
- 屋外広告
などがあります。以下でそれぞれの活用方法や特徴などについて解説していきます。
テレビ広告
テレビ広告は、特定の番組や時間帯に広告枠を予約することで、広範な視聴者にリーチすることができる代表的な予約型広告の一つです。
特に高視聴率を誇る番組の広告枠は人気が高く、費用が高くつくことが多いですが、その分多くの人にメッセージを届けることが可能です。
例えば、ゴールデンタイムのドラマやスポーツイベントの放送中に広告を出すことで、多様な年齢層や広い地域にわたる視聴者に訴求できます。また、スポーツ番組や音楽番組など、テレビの放送内容と広告をマッチさせることでエンゲージメントが高くなります。
特にブランド認知度向上を目的としたキャンペーンには、テレビ広告が効果的です。
ラジオ広告
ラジオ広告も、テレビ広告同様に代表的な予約型広告の一つです。特定の番組や時間帯に広告を配信します。
ラジオは、地域に密着した番組が多いため、特定のエリアやコミュニティに効果的にリーチできます。例えば、ローカルの企業やイベント告知には最適です。また、ドライバーや通勤中のリスナーなど、手軽に音声メディアを楽しむ層に対して、音声のみで印象に残る広告を配信することができます。
このように、ラジオ広告では音声のみで情報を伝えることになるため他の配信方法とは勝手が異なりますが、聴覚情報のみに絞っているため情報の取りこぼしが少なく、効率的にメッセージを届けることができます。
新聞・雑誌広告
新聞や雑誌の広告も予約型広告の一種です。テレビやラジオの広告と異なる点は、広告の閲覧がユーザーにゆだねられてしまうという点です。
どういうことかというと、テレビやラジオはそのチャンネルを視聴している限り半ば強制的に広告を視聴することになりますが、新聞や雑誌の広告の場合、読むか読まないかはユーザーの判断に委ねられるのです。その分、広告に対する嫌悪感が少ないというメリットもあります。
また、特定のテーマやジャンルに特化した雑誌に広告を出すことで、よりターゲットを絞った広告展開が可能というメリットもあります。例えば、ビジネス誌や女性向けのファッション誌に広告を掲載すれば、その分野に興味を持つ読者に対して訴求力の高いメッセージを届けることができます。これにより、商品やサービスの認知度を効率的に高めることができます。
新聞や雑誌の広告枠を予約することで、特定の読者層に効果的にアプローチできます。
インターネット広告
インターネットでも予約型広告を活用することができます。ニュースサイトやポータルサイト、SNSプラットフォームなどがその代表例です。
これらのサイトでは、バナー広告やネイティブ広告など、さまざまなフォーマットで広告を展開できます。
例えば、Yahoo!広告ではディスプレイ広告を中心にトップページカスタマイズ企画やタイアップなど様々なフォーマットが使用可能で、ターゲティング機能やレポート機能も精度の高いものがサポートされています。LINEヤフーfor Business ディスプレイ広告(予約型)の特長
インターネット広告の利点はターゲティングの精度が高く、より特定のユーザー層にアプローチできる点です。
屋外広告
ビルボードやデジタルサイネージなどの屋外広告も、予約型広告の一つとしてよく利用されます。
街中や交通機関の駅、商業施設など、人が多く集まる場所に設置された広告は、通行人やドライバーに対して高い訴求力を持ちます。特定の場所を囲むように広告を配置したり、別々のサイネージがつながるように制御したりなど、様々な工夫が可能です。
特定の場所や時間帯に高頻度で広告を表示することで、ターゲット層へのアプローチが強化されます。
予約型広告の活用例
予約型広告は、さまざまな目的に応じた活用が可能です。以下では、よくある活用例をいくつか紹介します。
プロモーションキャンペーン
プロモーションキャンペーンは予約型広告の活用に向いているモデルです。
新商品の発売や特別なプロモーションキャンペーンに合わせて、予約型広告を利用することで、広告の効果を最大化することができます。
特定の期間に集中して広告を配信することでキャンペーンのメッセージが多くのターゲットに届き、プロモーションの効果を高めることができます。例えば、年末商戦や新製品発表に向けたキャンペーンで、テレビ広告やインターネット広告を予約し、期間中に集中的に配信することで、商品の認知度を高め、売上を向上させることが可能です。
これにより、プロモーションの効果を最大化することができます。
イベント告知
コンサートやスポーツイベント、展示会などの告知にも予約型広告が有効です。予約型広告の確実性がイベントの概要や日程など必要な情報を端的に伝えるのに適しています。
特定の地域や時間帯に集中して広告を配信することで、
例えば、ラジオ広告や屋外広告を活用することで特定の地域や時間帯に集中して広告を配信します。そうすることで、ピンポイントでイベントの認知度を高め、多くの参加者を呼び込むことができます。
地域に密着したメディアを活用することで、イベントのターゲット層にリーチしやすくなります。
ブランドキャンペーン
予約型広告は、長期的なブランド認知度の向上を目的としたキャンペーンにも向いています。
例えば、長期間継続的に広告を表示することでブランドの存在感を強化し、広告想起率やブランド想起率の向上を期待することができます。
新聞や雑誌、インターネット広告などを活用し、特定の媒体で繰り返し広告を掲載することで、ターゲット層に強い印象を与え、ブランドの認知度が高まります。
予約型広告の注意点
最後に、予約型広告の注意点を解説していきます。
予約型広告は活用方法を間違えると、思った効果が全く出ない、変更もできないという事態になりかねません。事前に注意点を理解してリスクを避けられるようにしましょう。
キャンペーンの計画を十分に練る
予約型広告を活用する際にもっとも気を付けるべき点は、広告キャンペーンの計画を十分に練るということです。
予約型広告は事前に広告枠を確保して入稿時点で必要な設定を行います。出稿後の変更は難しくなってしまうため、事前にキャンペーンの計画を十分に練ることが重要です。
ターゲットや広告内容、表示期間などを綿密に計画し、最大限の効果を得るための戦略を立てましょう。
効果測定の方法を考える
予約型広告は効果測定が難しい場合があるため、事前に効果測定の方法を考えておくことが重要です。
Web広告であれば、使用する広告配信プラットフォームによってはレポート機能がサポートされている場合や専用のランディングページを作成し広告からの流入を追跡するといった方法があります。
広告配信に費用が掛かっている以上効果測定は必須となりますので、事前にパフォーマンスが確認できるよう準備してから配信するようにしましょう。
ほかの広告と併用する
予約型広告は認知度向上に特化した広告配信方法と言われることもあり、柔軟性に欠けるため、そういった部分を補う工夫が必要です。
簡単な方法としては、必要に応じてリアルタイムで調整できるほかの広告形式と併用する方法があります。
これにより、突発的な変更や新たな機会にも対応できるようになります。
まとめ
予約型広告は、広告主が事前に特定のメディアやウェブサイトの広告枠を確保し、希望する期間や場所で確実に広告を配信する形式の広告です。
例えば、あるニュースサイトのトップページに1週間広告を掲載したい場合、その枠を予約して購入し、決まった期間に広告を表示します。これにより、広告主は確実に自分の広告を特定の場所で表示させることができます。
予約型広告を配信する媒体にはテレビ、ラジオ、新聞や雑誌、インターネット、屋外広告などがあり、ユーザー層は媒体ごとに変わりますが、どれも認知度向上に適しているという共通点があります。
これらの媒体を使い分けたり、キャンペーンのタイミング、ターゲット層に合わせて、予約型広告を活用することで大きな成果を得ることができます。