運用型広告とは?種類や純広告との違いを解説

運用型広告とは、広告枠の購入や配信のタイミング、内容などを自由に決定し、データに基づいた最適化を行う広告手法全般のことです。従来の広告と比べて効果が出るスピードが早く、パフォーマンスの評価がしやすいというのが大きな特徴です。

  • 運用型広告とは
  • 純広告との違い
  • 運用型広告の種類
  • 運用型広告のメリット
  • 運用型広告のデメリット
  • 運用型広告の効果的な運用方法
  • まとめ
2024年06月24日 2024年06月28日
楓 真瀬莉

運用型広告とは? 種類や純広告との違いを解説

運用型広告とは、広告を配信しながら調整することができる広告のことです。従来の広告と比べて効果が出るスピードが早く、パフォーマンスの評価がしやすいというのが大きな特徴です。

この記事では、運用型広告の基本的な意味や、メリットと、デメリット、活用のポイントなどを解説しています。

運用型広告とは

運用型広告とは、広告枠の購入や配信のタイミング、内容などを自由に決定し、データに基づいた最適化を行う広告手法全般を指します。具体的には、リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などが当てはまり、リアルタイムで広告枠をオークション形式で購入したり、広告を届けたいユーザーの年齢や性別などの属性を調整、見出しや広告文の適宜変更など、自由な広告配信を行うことができます。

純広告との違い


運用型広告と並んで耳にするのが純広告です。

これらの違いとしては、純広告は街中で見かけるオフライン広告、運用型広告はオンライン広告をイメージすると分かりやすいかもしれません。

純広告は、特定の媒体(メディア)の掲載枠を買い取って広告を配信する手法で、媒体ごとに広告掲載の単価が決まっているため運用の手間がかからず、認知度の向上やブランディングに役立ちます。一方、運用型広告はオークション形式で広告枠を競り合い、リアルタイムでの調整が可能です。

運用型広告の種類


運用型広告には様々な種類がありますが、この記事では配信面という切り口で大きく3つに分けて説明していきます。

リスティング広告

まずは、リスティング広告について説明します。

リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれ、検索されたキーワードに対応して検索結果画面に配信される広告です。

運用型広告の一種ですので、オークションの際の入札費用や配信時期、広告の内容など、効果を見ながらリアルタイムで変更することができます。

ディスプレイ広告

続いて、ディスプレイ広告です。

ディスプレイ広告は、WEBサイトのページ内やアプリなど、ディスプレイの広告枠に配信される広告です。

リスティング広告と違って、画像や動画などを使ったビジュアル重視の訴求ができるということが特徴です。

こちらも、配信するユーザーの属性や、どういった媒体に表示させるかなどを設定することができます。

SNS広告

3つ目はSNS広告です。

Facebook、Instagram、X(旧Twitter)などのSNSプラットフォーム上で表示される広告です。

SNSはユーザーが頻繁にアクセスし、コンテンツを消費・共有するプラットフォームであるため、広告も同様にエンゲージメントを獲得しやすいというのが特徴の一つです。また、ユーザーの興味関心に基づいたターゲティングの精度が高い点も挙げられます。

運用型広告のメリット

インターネットが広まるにつれて、ますます重要さを増している運用型広告ですが、メリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。

代表的なものを3つ取り上げて解説します。

ターゲティングの精度

運用型広告の大きなメリットの一つは、ターゲティングの精度の高さです。

従来のオフライン広告では、配信する地域や時間など、ざっくりとしたターゲティングしかできませんでしたが、運用型広告では、ユーザーの属性や行動データ、興味関心に基づいて非常に細かいターゲティングが可能です。

例えば、年齢、性別、地域、興味関心、閲覧履歴、購入履歴など、さまざまなデータを活用して広告を表示するユーザーを特定することができます。

これにより、広告主は特定のターゲットセグメントに対して、最も関連性の高い広告を配信することができ、無駄な広告費用を削減しながら効果を最大化することができます。

リアルタイムの最適化

運用型広告のもう一つの大きなメリットは、リアルタイムで広告パフォーマンスを最適化できる点です。

運用型広告は、広告キャンペーンの広告キャンペーンのパフォーマンスをリアルタイムでモニタリングできます。配信を開始した後も、クリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、インプレッション数などのパフォーマンス指標をリアルタイムで監視し、必要に応じて広告のクリエイティブ、ターゲティング、入札戦略を調整することが可能です。

例えば、特定のクリエイティブが高いクリック率を示している場合、そのクリエイティブに予算を集中させることで、全体のパフォーマンスを向上させることができます。逆に、パフォーマンスが低いクリエイティブやターゲティング設定は即座に変更することで、無駄な広告支出を避けることができます。

このリアルタイムの最適化によって、広告費の無駄を削減し、効果を最大化できます。

データ分析の活用

運用型広告では、どのユーザーが広告にリーチしたか把握することができるため、ターゲットに関する詳細なデータ分析が可能です。また、配信している広告についても、どの広告が最もクリックされているのか、どういった情報を開示すればコンバージョン率が高くなるのかといった情報を分析できます。

これを活用することで広告戦略を高度に最適化することができます。

具体的には、広告キャンペーンの各ステージで収集されたデータを分析し、どの要素が成功に寄与しているかを明確にすることができます。例えば、特定のデモグラフィックグループが高いコンバージョン率を示している場合、そのグループに焦点を当てた戦略を強化することができます。

また、データ分析を通じて、広告キャンペーンのパフォーマンスを評価し、次のキャンペーンの計画に役立てることができます。

さらに、A/Bテストなどの手法を用いれば、さまざまな広告クリエイティブやメッセージングの効果を比較・検証し、最適な広告表現を見つけ出すことができます。

運用型広告のデメリット

運用型広告にはデメリットも存在します。

各デメリットや課題を把握し、それらに対処することで、運用型広告を最大限活用することができます。

運用に専門知識が必要

まず気を付けるべきなのは、運用するためには知識が必要だという点です。

運用型広告を最大限活用するには、リアルタイムの反応を分析し、効果が出るよう調整しなければなりません。リアルタイムの反応やデータをどう受け取り、何を調整すべきか判断するには、専門的な知識やスキルが要求されます。

不正出稿の恐れ

不正出稿とは、商標登録を行ったキーワードに対して第三者が広告出稿をするなどの不正な行為を指します。

運用型広告は自由度が高く、変更などもスピーディーに行うことができるので、競合他社やアフィリエイターが不正出稿を行う可能性があります。

また、ロボットや不具合によって、不正なクリック、インプレッションが発生するリスクもあります。

これらによって、広告費が無駄になってしまう可能性も考えられます。

ユーザーの広告疲れ

IT化の進んだ現代では、インターネットに接続している時間が非常に長くなっています。インターネット上には広告が配信できる面がたくさん用意されているため、ユーザーは常に広告を目にしているような状態です。

こういった状態では、同じ広告を頻繁に目にする可能性も増え、ユーザーが広告に対して飽きや嫌悪感を抱くことがあります。

運用型広告の効果的な運用方法

上記のメリット・デメリットを踏まえて、運用型広告を効果的に活用するための具体的なポイントと手順を紹介します。

これらのポイントを抑えることで、広告効果を最大化し、マーケティング戦略を成功させることができます。

目標を明確にする

まずは、運用を始める前に広告キャンペーンの目標を明確に設定することが重要です。

具体的には「ブランド認知の向上」「ウェブサイトへのトラフィック増加」「商品の購入促進」など、詳細な目標を設定します。これにより、最適な配信方法や運用の方向性が決まり、広告の成果も測定しやすくなります。

手順としては、

  1. 経営全体やマーケティング全体戦略から逆算して、運用の具体的な目標を設定する(例:マーケティング全体の戦略の目標が認知度向上なので、広告運用での目的には1ヶ月でウェブサイトの訪問者を20%増加を据える)。
  2. 目標に基づいてKPI(重要業績評価指標)を設定する(例:広告のクリック数、インプレッション数など)。

という風に進めるのが一般的です。

ペルソナの作成

ペルソナとは、ターゲットユーザーの典型的な人物像を具体的に表現したものです。

具体的には、年齢や性別、職業、習慣、趣味嗜好、人物像を裏付けるエピソードなどを作成します。

こうすることで、ターゲットに対して詳細なイメージができ、チーム間での共通認識も作ることができます。

手順としては、

  1. ペルソナのデモグラフィックデータ、サイコグラフィックデータ、心理情報などを詳細に記述する。
  2. ターゲット層の幅に合わせてペルソナを複数作成し、それぞれに適した広告内容や配信方法を検討する。

という風に進めるのが一般的です。

適切な配信媒体を選ぶ

運用型広告を活用するには、適切な配信媒体選定もポイントの一つです。

ターゲット層に最も適した媒体を選定し、広告配信を行います。運用型広告では、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など、さまざまな媒体を利用できます。また、リスティング広告の中でもGoogle広告なのかYahoo!広告なのか、SNS広告ではどの媒体を使うのかなども検討の余地があります。

ターゲット層がよく利用する媒体を調査し、各媒体の特性や運用目的に応じた広告フォーマットを選択しましょう。

下記に各配信方法の特徴をまとめておきます。

  • リスティング広告:顕在ニースが明らかになっているユーザー向け
  • ディスプレイ広告:認知度向上のための施策や、視覚的な訴求を生かした広告に向いている
  • SNS広告:ユーザーの興味や関心に基づいた広告の配信やトレンドを意識した施策が向いている

定期的にPDCAを回す

PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の頭文字を取ったものです。

広告キャンペーンの結果を定期的に評価し、改善点を見つけて次回のキャンペーンに活かすことで、継続的な改善が可能です。

具体的な手順としては、

  1. Plan(計画):広告キャンペーンの目標と戦略を設定。
  2. Do(実行):計画に基づいて広告を配信。
  3. Check(評価):広告の成果をデータで分析し、目標達成度を評価。
  4. Act(改善):評価結果に基づき、広告内容やターゲティング方法を改善。

といった方法があります。

まとめ

運用型広告とは、広告のパフォーマンスをリアルタイムで評価し、うまく機能するよう即時改善していくことが可能な広告を指しました。

具体的にはリスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告などがあります。

メリットとしては、ターゲティングの精度やリアルタイムでの最適化、データの分析、活用がありましたが、それらに代表される自由度の高さや即時性が逆にデメリットに繋がってしまうこともあり得ます。

メリットとデメリットをよく理解することで、運用型広告を最大限活用しましょう。

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