リスティング広告とは ❘ 仕組みや運用のポイントを解説

リスティング広告は、ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に検索結果画面に配信される広告です。検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーはそのキーワードに対して関心が高い状態であるため、他の配信方法と比べて効果が出やすい配信方法です。

2024年06月17日 2025年12月12日
楓 真瀬莉

リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれ、他の配信方法と比べて効果が出やすい配信方法です。

しかし、効果を無駄なく発揮するにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。

この記事では、リスティング広告の基本的な説明から仕組み、効果的に運用するためのポイントなどを解説していきます。

リスティング広告とは


リスティング広告は、ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に検索結果画面に配信される広告です。検索結果ページの上部や下部にテキスト形式で表示されます。

リスティング広告が表示されるユーザーはそのキーワードに対して関心が高い状態であるため、クリック率やコンバージョン率がほかの広告フォーマットと比べて高いのが大きな特徴です。

リスティング広告と自然検索(SEO)の違い

リスティング広告と自然検索は、いずれも検索結果画面に表示される点では共通していますが、表示される仕組みが大きく異なります。

リスティング広告は、設定したキーワードに対して費用を払い、即時に広告を配信できるため、短期間で成果を出したい場合に適しています。

一方、自然検索(≒SEO)は、サイトの構造改善やコンテンツ制作によって検索順位を高める施策のため、表示自体に費用は一切かからず、効果が出るまでに時間がかかる傾向があります。

ディスプレイ広告との違い

ディスプレイ広告は、Webページやアプリの広告枠に画像や動画形式で表示される広告です。

リスティング広告は「検索意図のある顕在層」に向けて配信するのに対し、ディスプレイ広告は商品をまだ認知していない層にも広く接触できます。

理由としては、リスティング広告の表示はユーザーの検索を起点としているため、広告主が設定したキーワードをユーザーが検索しない限り広告が表示されることはありません。一方、ディスプレイ広告はインターネットを利用しているユーザー全般にアプローチできるため、商品の存在自体を知らないユーザーにも広告を表示させることができます。

そのため、CVに近いユーザー(顕在層)にはリスティング広告、これから検討に入る可能性のある潜在層にはディスプレイ広告というように出分けを行います。

リスティング広告の特徴とメリット

ここからは、リスティング広告の特徴やそれに付随するメリットを交えながら、配信される仕組みについて解説していきます。

顕在層にリーチできる


リスティング広告は、検索キーワードに連動して配信されるため、リーチしたユーザーは設定したキーワードについて既に認識しており、興味を持っているということになります。つまり、もともとその商品やサービスに興味を持っているなど、コンバージョンにつながりやすいユーザーに対してアプローチができます。

消費行動のプロセスを説明する理論に「AISAS理論」というものがあります。

これは、Attention、Interest 、Search、Action、Shareの頭文字を取ったもので、ユーザーが商品やサービスを購入する前後の行動を体系化し、順序だてて並べたものです。

AISAS理論では、「購入(コンバージョン)」の直前に「検索」があるとしています。

リスティング広告では、注意や興味のプロセスを通過し、「検索」を行っているユーザーに絞ってアプローチをするため、効率的にコンバージョンに繋げることができるのです。

掲載順位はオークションで決まる

リスティング広告が掲載されるか、また掲載される際の順位は、広告主が設定する入札金額と広告の品質スコアなどに基づくオークション形式で決定されます。

例えば、入札価格をA社が200円、B社が120円で設定した場合、直勘的には入札価格の高いA社のほうが掲載順位が上になりそうな印象を受けます。しかし、実際は広告の質などを加味して広告ランクを決定するため、掲載順位が逆転することもあり得ます。

図のようにA社の入札価格が200円、品質が4、B社の入札価格が120円、品質が8だった場合、広告ランクはB社のほうが高くなり、掲載順位はB社が1位となります。

会社 入札価格 品質 広告ランク 掲載順位
A社 200円 4 200円×4=800 2位
B社 120円 8 120円×8=960 1位
C社 80円 7 80円×7=560 4位
D社 150円 5 150円×5=750 3位

※実際はもっと複雑ですが、図では簡易的に「品質」という項目を使い10段階評価で表しています。

図では簡易的に入札価格と品質で品質スコアを計算しましたが、実際の広告の品質スコアは広告の関連性、クリック率、ランディングページの品質などに影響されます。

アカウント構造

リスティング広告を出稿するには、各広告媒体で広告用のアカウントを作成する必要があります。広告アカウントを作成することで、広告グループや広告キャンペーンを管理できるようになります。

リスティング広告のアカウントは、以下の図のようにキャンペーン、広告グループ、広告、およびキーワードの階層構造で管理されます。

もっとも細かな階層はキーワードと広告です。

キーワードでは、ユーザーが検索エンジンで入力する単語やフレーズを設定します。設定したキーワードを検索したユーザーに広告を届けることができます。広告では、ユーザーに表示される広告の見出し、広告文、リンク先を設定します。

これらをまとめ、整理するのが広告グループです。

例えばファッション通販の広告を入稿する際、メンズ服の広告グループ、レディース服の広告グループ、子供服の広告グループなどと分けることができます。

それらをさらにまとめるのがキャンペーン階層で、ここでは広告の予算やターゲット設定などを行うことができます。

アカウントの階層で設定することは広告の表示に直接関係はしませんが、これらの広告を管理するためのアカウント情報や広告費用の支払い情報などを登録します。

Googleは、Hagakure(葉隠れ)というアカウント構造を推奨しています。

これは、多数の広告グループを作成するのではなく、少数の広告グループに多くのキーワードを設定する方法です。Hagakureの利点は、各広告グループにデータが集約されることで、GoogleやYahoo!、各SNSプラットフォームの機械学習が効果的に働く点にあります。また、多数のキーワードを設定することでターゲット層が広がり表示する広告も増えるので、コンバージョン数の向上も見込めます。

あるGoogleの研究では、これまでと比べて10倍のキーワードを同一グループ内に設定することで、広告の数は30%増えたという報告もされています。これによって、同じCPAでもコンバージョンは40%近く上がったとされています。

キーワードによるターゲティング


前項でも少しお伝えしましたが、リスティング広告は設定したキーワードに基づいて広告が表示されます。そのため、特定の検索意図を持つユーザーに対してピンポイントでアプローチすることができます。

これにより、高いターゲティング精度が実現します。

低コストで開始できる

広告の費用加算にはいくつか種類があり、広告が一回表示されるごとに費用が掛かったり、一定の表示回数ごとに費用が加算されるなどの方法があります。

リスティング広告は、クリック課金型という方法で、一回のクリックごとに費用が加算されます。そのため、何度表示されても実際に広告がクリックされるまで費用が発生しません。

これにより、低コストで広告キャンペーンを開始でき、予算管理も容易です。

即効性が高い

同じ検索結果表示ページを使ったマーケティング施策にSEOというものがあります。これは、ページの質を高めることで検索結果の上位に表示させるという施策ですが、効果が出るまでに1年以上かかる長期的な施策です。

一方でリスティング広告は、広告の品質と入札単価さえ最適化できていれば、即日上位表示することも可能です。運用期間中は広告費が発生するデメリットもありますが、短期間で売り上げにつながる成果を出す場合には有効な施策です。

リスティング広告の運用が向いている企業

リスティング広告は顕在層にリーチできるという性質上、売り上げ増加やリード獲得などコンバージョンを目的とする場合に向いています。

特に、BtoBや金融商材などの単価が高い商材を取り扱う場合、1回の成約で広告費用を回収できるため、リスティング広告との相性がよいです。また、即効性の高さも考慮すると、顧客基盤が確立していないスタートアップやユーザー数の少ない新製品にも向いています。

以上を考慮して、

  • 不動産業界
  • ブライダル業界
  • 宿泊、旅行業界

などがリスティング広告に向いているといえます。

一方、単価の低い商材を扱っていたり、そもそもの検索ボリュームが少なかったりする場合はリスティング広告は向いていません。また、競合が強く他社に比べて優位性のない商品やサービスは、比較の容易なインターネット広告には向いていないといえるでしょう。

具体的には、

  • 新ジャンルの商品
  • 単価の低い小売り
  • 本やCDなど他店で同一商品の購入が可能なもの
  • 飲食店

などが当てはまります。

リスティング広告を始める手順

実際に、リスティング広告を始める際にどうしたらよいのか、やるべきことを順に説明していきます。

リスティング広告を始める手順については、下記の記事で実際の画像付きの解説をしておりますので、ご興味ある方は是非ご覧ください。

>>リスティング広告のやり方が「全部」わかる┃基礎から運用ポイントまで

1. アカウント開設

まず、Google AdsやYahoo!広告など、主要な広告掲載媒体にアカウントを作成します。

それぞれの検索エンジンで「媒体名 広告アカウント」などと検索するとアカウントを作成できるページが表示されます。

アカウント作成後、必要な情報(企業情報や支払い情報など)を入力して、アカウントの開設が完了します。

2. アカウント設計

次に、出稿したい広告に合わせて広告アカウントの設計を行っていきます。

具体的には、キャンペーン、広告グループ、キーワードおよび広告を設定します。具体的な設定内容は、アカウント構造の説明の際にお伝えした通りです。

Hagakure構造を取り入れ、少数の広告グループに多くのキーワードを集約することで、データの集約と最適化がしやすくなります。

3. 入稿と審査

広告文を作成したら、広告掲載媒体に入稿します。入稿後、広告がプラットフォームの審査を通過するまで待ちます。

審査には通常、数時間から数日かかります。

4. 運用開始

審査が通過したら、広告キャンペーンを開始します。

広告の効果が期待通りに出ているか定期的にモニタリングし、必要に応じて調整を行います。

リスティング広告の出稿でかかる費用について

Web広告の課金方法は複数ありますが、リスティング広告は、クリックされるたびに料金が発生する「クリック課金型(CPC)」が基本となります。

実際の出稿費用は、設定するキーワードの競合状況や入札単価、広告の品質などによって変動します。

費用の決まり方

リスティング広告の費用は、主にクリック数入札単価によって決まります。

先ほどお伝えした通り、リスティング広告では通常クリック課金型の課金方法が採用されているため、広告が表示されただけでは費用が発生せず、ユーザーにクリックされて初めて費用が発生します。

そして、入札単価はオークションをともに競う競合他社の影響や自ら設定した1日の予算、広告ランクなどを基に決定されます。

1回あたりの入札価格と、それが実際にクリックされた数でトータルの費用が決定されます。

GoogleやYahoo!のリスティング広告では、入札単価は機械が自動で設定しますが、予算の設定や目標CPAの設定である程度コントロールすることが可能です。

費用相場

リスティング広告の費用相場は、業界やキーワードの競争率によって大きく異なります。

一般的なキーワードだと、だいたいCPCが100円~300円に収まるかなという感じですが、不動産・金融・人材などの競争が激しい業界でリスティング広告を出稿すると、1クリック1,000円前後になることもざらです。

また、季節商品は時期によって競争率が大きく変動するため、同じ業界や商品であっても夏と冬でCPCが全然違うなんてこともあり得ます。

月額予算の目安としては、10〜30万円からスタートする企業が多く、一定の検証を行う場合は配信量がを増やすため(クリック数も必然的に多くなる)50〜100万円以上必要になることもあります。

小額予算でも効果が出るケースはありますが、データ量が少ないと最適化が進みにくいため、一定のクリック数(データ量)を確保できる予算設計が重要です。

リスティング広告の運用ポイント

リスティング広告は入稿して終わりではなく、広告の効果を確認しながら最適化することで効果を最大化することができます。

以下で、リスティング広告の効果を最大化するためのポイントを大きく4つにまとめました。

ペルソナ作成でターゲティング精度を高める


1つ目のポイントは、ペルソナを設定するということです。

自社事業のターゲットとするユーザーのペルソナを作成することで、ターゲティング精度の向上、適切なキーワード設定、訴求力の高い広告文の作成などが可能になります。

ペルソナとは、特定の事業における理想的な顧客像のことです。

対象の事業におけるユーザーを想定して、年齢や性別、職業などの基本情報はもちろん、心理情報や行動情報、その人を特徴づけるエピソードなども設定しましょう。こうすることで、具体的な個人を前提に戦略を練ることができるので、ユーザーが特定の場面でどのような行動をするか、どう感じるかなどを想定しやすくなります。

ターゲットユーザーを、層として捉えるのではなく個人と捉えることで詳細な情報まで想定することができるので、訴求の精度が上がります。

コンバージョン率の高いキーワードを狙う

次に、コンバージョン率の高いキーワードを狙うということもポイントの一つです。

キーワードには、コンバージョン率の高いものと、そこまでコンバージョンにつながらないものがあります。

コンバージョン率の高さは広告のパフォーマンスデータを分析することで把握することができます。一般的に指名キーワードや緊急性の高いキーワード(水道修理など)がコンバージョン率の高いキーワードであると言われています。

また、複数の単語を組み合わせたロングテールキーワードは、検索ボリュームこそ低いですがニーズがより明確になっているため、コンバージョンが高くなる傾向にあります。

運用を開始したら、キーワード別のパフォーマンスを確認し、効果の高いキーワードを見極めましょう。

そうすることで、限られた予算で最大の効果を得ることができます。

リスティング広告のキーワードについては、こちらの記事で詳しく説明していますので、気になる方はぜひご覧ください。
>>リスティング広告のキーワード基礎知識

定期的に除外キーワード設定する

無駄なクリックを防ぐために、定期的に除外キーワードを設定することもポイントの一つです。これにより、広告費用の無駄を減らし、効果的な広告運用が可能になります。

除外キーワードの選定は、コンバージョン率の高いキーワードを設定する際と同じようにキーワード別のパフォーマンスを確認して決定します。

一定期間たってもコンバージョン数が0のキーワードは、検索意図とずれていないか確認したうえで除外キーワードに設定しましょう。

ランディングページの最適化

最後は、ランディングページの最適化です。

広告をクリックした際の遷移先であるランディングページを最適化し、ユーザーが求める情報を提供します。リスティング広告で多くのクリックを得られても、ランディングページが最適化できていなければ、最終目標であるコンバージョンには繋がらない可能性が高くなります。

広告費用を無駄にしないために、まずはランディングページの最適化をしてから、リスティング広告の運用を開始しましょう。

具体的には、商品やサービスごとに異なったランディングページを制作する、ランディングページと広告文の関連性を高める、ページ速度の最適化を行うといったことが挙げられます。

リスティング広告の効果を最大化させるための設定や改善方法については、こちらの記事でも詳しく説明しています。ランディングページの最適化についても記事内で取り上げていますので、気になる方はぜひご覧ください。

>>【5分でわかる】リスティング広告の広告ランクの仕組みと掲載順位を上げる方法!

まとめ

リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に検索結果画面に配信される広告のことを指します。

顕在層に絞って広告を配信することができるので、コンバージョン率が高いというのが特徴の一つでした。また、低予算から始めることができ、効果も早く出るので広告運用を始めたばかりの方におすすめの広告配信方法と言えます。

リスティング広告とその運用の仕方について知識を付けて、広告予算の無駄を無くしていきましょう。

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