リスティング広告のキーワード基礎知識

リスティング広告は、ユーザーが検索するキーワードに基づいて表示されます。そのため、キーワードを適切に設定することは、リスティング広告キャンペーンのパフォーマンスに大きな影響を与えます。特に、キーワードに何を設定するか、マッチタイプは何を選択するかといった設定が重要となります。

  • リスティング広告の特徴
  • リスティング広告のキーワードで押さえておくべきポイント
  • キーワードの選定方法
  • キーワードのマッチタイプ
  • 効果的なキーワード運用方法
  • まとめ
2024年11月05日 2024年11月05日
楓 真瀬莉

リスティング広告におけるキーワードとは、ユーザーの検索意図を反映し、広告とユーザーのマッチングを最適化する役割を果たします。

キーワードを適切に設定することは、リスティング広告キャンペーンの成否に大きく影響を与える要素の一つです。

この記事では、リスティング広告のキーワードについて、押さえておくべき考え方やマッチタイプ、運用方法など、基礎の部分を詳しく解説しています。

リスティング広告の特徴


リスティング広告の大きな特徴は、ユーザーの検索キーワードに基づいて広告が配信される点です。そのため「検索連動型広告」とも呼ばれます。

これにより、顕在ニーズを持つユーザーに直接アプローチできるため、ほかの配信方法と比べてコンバージョン率が高くなる傾向があります。

また、クリック課金型(CPC)であるため、クリックされるまで費用は発生せず、無駄を省いた効果的な広告運用が可能です。

リスティング広告のキーワードで押さえておくべきポイント

リスティング広告は、ユーザーが検索するキーワードに基づいて表示されます。そのため、どのキーワードで広告を表示するかといった設定がとても重要です。

ここでは、キーワードを設定するうえで押さえておきたいポイントや考え方を解説していきます。

「誰に」配信するか決める


リスティング広告において、広告配信のためのキーワード設定は、ターゲットを絞るための指標の一つであると考えられます。キーワードはユーザーの検索意図を反映し、広告とユーザーのマッチングを最適化する役割を果たします。つまり、キーワードを設定することは、誰に広告を届けるか設定することと同義なのです。

基本的には、ターゲットとなる顧客がどのような検索キーワードを使うかを考え、ターゲットに合ったキーワードを選定します。

キーワードの種類


キーワードの種類について理解しておくことも大切です。

まず、キーワードは一般名詞を指す「一般キーワード」と、サービス名や商品名、人名などの固有名詞を指す「指名キーワード」に分けられます。中でも、一般キーワードはその粒度に基づいて大きく「ビッグキーワード」「ミドルキーワード」「スモールキーワード」の3つに分けられます。

それぞれの特徴は以下の通りです。

  • ビッグキーワード:キーワードが示す範囲が広いため、検索ボリュームも大きい。その分競争も激しく、CPCやCPAが高くなる傾向にある。
  • ミドルキーワード:具体的な意図を持つキーワードで、検索ボリュームは中程度。CPCやCPAはビッグキーワードと比べると抑えられる傾向にある。
  • スモールキーワード:具体的なニーズに対応するキーワードで、検索ボリュームも小さい。CPCやCPAが抑えられ、コンバージョン率は高くなる傾向にある。
  • 指名キーワード:固有名詞を指すキーワードで、検索ボリュームは小さいが競合が少なく、コンバージョン率が高くなりやすい。CPCやCPAは低い傾向にある。

キーワードの選定方法

次に、キーワードを設定するための方法について解説します。

ツールの活用

まず一つ目は、キーワード選定のためのツールを活用する方法です。

具体的なものとしては、Googleキーワードプランナーやラッコキーワードがあります。

Googleキーワードプランナーは、Googleが提供する無料のツールで、広告主が効果的なキーワードを見つけるのに役立ちます。検索ボリュームや各キーワードに出稿されている広告の競合状況、各キーワードにおけるCPCの予測などを見ることができます。

ラッコキーワードは、日本国内のユーザー向けに提供されるキーワードリサーチツールで、SEO対策やコンテンツマーケティングを効果的に行うための活用に適しています。関連するキーワードを自動的に収集してリストアップしたり、検索エンジンやサイトのサジェスト機能からキーワードを収集し、ユーザーの検索意図に合わせたキーワードを見つけるなどの機能を使うことができます。

顧客インサイトの分析

顧客インサイトを分析することでも、適切なキーワード選定を行うことができます。

顧客インサイトとは、顧客の行動、感情、ニーズ、動機、購買パターン、またそれらを分析することで得られる隠れた本音や動機を指します。

顧客インサイトを分析することで、顧客がどのような問題を解決しようとしているのか、どのような情報を求めているのかを把握することができます。その結果、顧客の検索意図に合ったキーワードを選定することができ、関連性の低いキーワードを排除できます。

競合分析

競合がどのキーワードをターゲットにしているかを分析することも、キーワード選定に役立てることができます。

競合を分析することにより、効果的なキーワードを見つけたり、競合が見落としているニッチなキーワードを発見できます。

競合の分析方法には、競合他社が出している広告を分析する方法や、先ほどお伝えしたツールを使ってキーワード自体の競争率を調べる方法などがあります。

競合の広告を分析することで、効果的な広告文や訴求ポイントを把握したり、認識していなかった新しいキーワードを認識することができます。自社の強みと弱み、他社の強みと弱みをそれぞれ把握し、自社の強みが最大限生かせるキーワードを選定するために活用することができます。

また、キーワード自体の競争率を評価することで、競争が激しいキーワードや競争が少ないが効果的なキーワードなどを見つける手助けとなります。

キーワードのマッチタイプ


キーワードのマッチタイプとは、検索意図は近いものの表記に違いがある場合、どの範囲まで一致しているとみなすかコントロールするための設定です。

マッチタイプを適切に設定することで、広告の精度や範囲を調整し、広告予算を効果的に使うことができます。

完全一致

完全一致とは名前の通り、自社が設定したキーワードとユーザーが検索したキーワードが完全に一致する場合に広告が配信される設定です。

検索クエリに若干の変形(スペルミス、類似する変形、単数と複数の違いなど)が含まれていても表示されますが、意図はキーワードに非常に近いものでなければなりません。

  • 設定したキーワード:[青いランニングシューズ]
  • 表示される検索クエリ:青いランニングシューズ、青のランニングシューズ
  • 表示されない検索クエリ:赤いランニングシューズ、青い靴

詳しくはこちらをご覧ください。完全一致 |Google広告ヘルプ

フレーズ一致

フレーズ一致は、設定したキーワードが含まれる検索クエリの場合に広告が配信される設定です。

設定したキーワードと同じ語順を含む検索クエリや、その前後にほかの単語が追加されたクエリに対して広告が表示されますが、フレーズ自体が変更された場合は表示されません。

  • 設定したキーワード:”青いランニングシューズ”
  • 表示される検索クエリ:青いランニングシューズ 購入、安い青いランニングシューズ
  • 表示されない検索クエリ:青いダンスシューズ

詳しくはこちらをご覧ください。フレーズ一致 |Google広告ヘルプ

インテントマッチ(旧:部分一致)

インテントマッチは、設定したキーワードやその関連語、同義語、検索意図に基づく検索クエリに対して広告が配信されます。最も広範囲なマッチタイプで、最も多くの検索クエリに対応しますが、関連性が低いクエリにも広告が表示される可能性があることに気を付ける必要があります。

  • 設定したキーワード:青いランニングシューズ
  • 表示される検索クエリ:青い靴、ランニングシューズ、スポーツシューズ
  • 表示されない検索クエリ:黒いランニングシューズ

詳しくはこちらをご覧ください。インテントマッチ |Google広告ヘルプ

効果的なキーワード運用方法

最後に、キーワードの運用方法について解説します。

キーワード設定に関して、一度の設定で効果が最大化されることは少なく、設定したキーワードの効果を確認しながら調整する必要があります。

どのように調整すれば効果的に運用できるのか、以下で具体的に解説していきます。

定期的なキーワードの見直し

まずは、定期的なキーワードの見直しが不可欠です。

広告のパフォーマンスを定期的に分析し、効果の低いキーワードを除外し、新しいキーワードを追加します。また、トレンドや市場の状況によって効果の高いキーワードが移り変わる可能性もあります。

都度キーワードのパフォーマンスを確認して見直すようにしましょう。

これにより、常に最適なキーワードで広告を運用できます。

ネガティブキーワードの設定

ネガティブワードの設定も非常に重要です。ネガティブワードとは、広告が表示されないようにする特定の検索クエリやキーワードのことです。無駄なクリックを防ぐために、関連性の低い検索クエリに対して広告を表示しないように設定していきます。

例えば、自社が高級路線の商品やサービスを取り扱っている場合、「安い」といったワードをネガティブワードに設定することで、コンバージョンになりづらい広告配信を抑えることができます。同様に、競合のブランド名や商品名をネガティブワードとして設定することも効果的です。

キーワードの入札価格調整

キーワードだけでなく、キーワードの入札価格についても定期的に見直して調整することが重要です。

各キーワードのパフォーマンスを確認して、コンバージョン率が高いキーワードには高い入札価格を設定し、パフォーマンスの低いキーワードには低い入札価格を設定するなど、入札価格を適切に調整します。

こういった入札価格の調整は、手動で行うこともできますし、ツールなどを使って自動化することもできます。

まとめ

ここまで、リスティング広告のキーワード選定に必要な基礎知識について解説してきました。

キーワード設定は、「誰に」広告を配信するかを決定する重要な設定であり、リスティング広告キャンペーンの成否に大きく影響を与える要素の一つです。

キーワードの種類やそれぞれの特徴、キーワードのマッチタイプについて深く理解することで、広告の効果を最大化し、無駄な広告費の浪費を防ぎましょう。

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