フリークエンシーキャップとは┃最適な回数や注意点を解説
フリークエンシーキャップとは、特定の広告がユーザーに表示される回数をコントロールする技術です。フリークエンシーキャップを設定することで、ユーザーの広告疲れを防ぎブランドイメージの悪化を未然に防ぐことができます。さらに、広告予算やパフォーマンスの最適化などのメリットも期待できます。
- フリークエンシーキャップとは
- フリークエンシーキャップの種類
- フリークエンシーキャップのメリット
- フリークエンシーキャップの最適な回数は?
- フリークエンシーキャップのデメリットと注意点
- まとめ
フリークエンシーキャップを設定することで、ブランドイメージの悪化を防ぐことができ、さらにパフォーマンスの向上、広告予算の無駄を無くすなど、様々なメリットがあります。
一方でリスクも存在するため、それらを防ぐために最適なフリークエンシーの回数設定が必須となります。
この記事では、フリークエンシーキャップの基本から回数設定の際の考え方、気を付けるべき注意点などを解説しています。
フリークエンシーキャップとは
フリークエンシーキャップとは、特定の広告がユーザーに表示される回数をコントロールする技術です。
広告主は、特定の期間内で広告が同じユーザーに表示される最大回数を設定することができます。
この設定により、広告の過剰な露出を防ぎ、ユーザーの広告疲れを防止します。さらに、広告予算をより効率的に使用し、ターゲットユーザーに効果的にリーチすることが可能です。
フリークエンシーキャップの仕組み
フリークエンシーキャップは、特定の広告がユーザーに表示される回数を追跡し、設定された表示回数に達したユーザーには広告を表示しないようにすることで、フリークエンシーをコントロールしています。
これにより、同じ広告が繰り返し表示されるのを防ぎます。
具体的な設定は、各広告プラットフォームの管理画面から行うことができます。
リーチとの違い
フリークエンシーキャップとリーチは似ていますが、異なる概念です。
フリークエンシーは、特定のユーザーに対して広告がどれくらいの頻度で表示されるかという指標です。これをコントロールするのがフリークエンシーキャップです。同じ広告を特定のユーザーが何回見たかを表しています。
一方リーチは、広告がどれくらいのユーザーに配信されたかという指標です。広告を見たユーザーの人数と考えれば分かりやすいと思います。
リーチを最大化することと、適切な頻度で広告を表示することのバランスを取ることが重要です。
フリークエンシーキャップの種類
フリークエンシーキャップは、フリークエンシーの計測方法によっていくつか種類があります。
インプレッションベース
インプレッションベースのフリークエンシーキャップは、広告が表示される回数を制限します。先ほどお伝えしたものと同じなので、想像がつきやすいかと思います。
具体的には、設定した期間内で、特定のユーザーに広告が何回表示されるかを設定します。
例えば、1週間に3回というように設定した場合、一度広告を見たユーザーはその日から一週間以内において広告の表示が3回に制限されます。
デイパーティング
デイパーティングは、広告が表示される特定の時間帯を設定する方法です。
この場合、表示回数の上限は設定しません。曜日指定と開始時間、終了時間の指定のみが可能です。
例えば、平日の朝の時間帯にビジネスユーザー向けの広告を表示することで、通勤時間帯にスマホを触っているユーザーに広告を届けることができます。もしくは、すべての曜日の夕方の時間帯を指定してフードデリバリーサービスの広告を配信することで、夕食の代替案を提示することができます。
狙った時間帯に広告を集中して表示することで、ターゲットユーザーに最適なタイミングで広告を届けることができます。
フリークエンシーキャップのメリット
フリークエンシーキャップを設定することで得られるメリットとしては
- ユーザーの広告疲れが防げる
- 広告予算の効率的な利用
- パフォーマンスの最適化
などがあります。
順番に解説していきます。
ユーザーの広告疲れが防げる
広告が過剰に表示されると、ユーザーは広告に飽きたり、嫌悪感を抱くことがあります。これは広告疲れ、広告疲労などと呼ばれます。広告疲れの結果、ユーザーは広告を読み飛ばしたり無視する、設定から「この広告に興味がない」を選択してしまうといったことが考えられます。
フリークエンシーキャップを設定することで、特定のユーザーに対して広告が過度に表示されることを防ぎます。
結果として、ユーザーが広告に対して嫌悪感を抱くことなく、ブランドイメージの悪化を防ぐことができます。
広告予算の効率的な利用
フリークエンシーキャップを設定することで、同じユーザーへ無駄に広告を表示することを避け、広告費の無駄使いを防ぎます。
インプレッション課金の場合、同じユーザーに複数回リーチする場合と異なるユーザーに一回ずつリーチする場合でインプレッション数が同じであれば、かかる費用も同じになります。しかし、異なるユーザーにリーチしたほうがコンバージョン数が多くなる可能性が高いです。
フリークエンシーキャップを設定することで、無駄なインプレッションを減らすことができ、余った予算は新たなユーザーにリーチするために使うことができます。
パフォーマンスの最適化
フリークエンシーキャップを適切に設定することで、広告キャンペーンのパフォーマンスを最適化できます。
フリークエンシーを設定しないと、同一ユーザーに何度も広告が表示されてしまう可能性があり、広告に対する反応が悪くなります。その結果、メディアも効果の低い広告だと判断し、広告の評価が下がってしまいます。
適度な回数で広告を表示することで、ユーザーのエンゲージメントを維持し、コンバージョン率を向上させることができます。
フリークエンシーキャップの最適な回数は?
ここからは、実際にフリークエンシーキャップを設定する際にどの程度の回数で設定したらよいか解説していきます。
具体的な回数については、商品やサービス、広告の目的によって変わってきますので、どのように考えたらよいか、場合に分けてお伝えしていきます。
カスタマージャーニーに合わせる
まずは、カスタマージャーニーを参考にした考え方です。
フリークエンシーキャップは、カスタマージャーニーのステージに応じて調整することが重要です。
例えば、認知段階のユーザーは商品やサービスの存在を初めて知るので、比較的広告表示回数を多くすることでユーザーの認知度を高めることができます。一方、購買段階の顧客は購入を決断しようとしているので、表示回数を多くする必要はないでしょう。
このように、ターゲットとしているユーザーがカスタマージャーニーのどの地点にいるのか、広告の施策はどの地点のユーザーに向けて行っているのかを考えたうえでフリークエンシーキャップを設定することで、効果的に活用することができます。
目的で合わせる
広告キャンペーンの目的に合わせて回数を設定するのも有効な考え方です。
カスタマージャーニーを参考に回数を設定する考え方と似ているのですが、この場合も新商品や季節限定のサービスなどで認知度の向上を目的とする場合は、フリークエンシーキャップを高く設定する必要があります。逆にコンバージョンを目的とした施策の場合、数回の広告表示でもユーザーの広告疲れに繋がってしまう可能性があるので、低い頻度で効果的な広告を表示する必要があります。
このように、広告キャンペーンの目的に合わせてフリークエンシーキャップを設定するすることで、ユーザーに合わせて最適化された広告体験を届けることができます。
A/Bテストを行う
カスタマージャーニーや施策の目的を参考にしても最適な回数が分からないという場合はA/Bテストを行うという方法もあります。
る程度の期間を定めてA/Bテストを実施することで、異なるフリークエンシーキャップの設定を比較し、最適な頻度を見つけることができます。
これにより、顧客のエンゲージメントやコンバージョン率に最も効果的な設定を特定することができます。
実際にフリークエンシーキャップを設定した場合の数字を参考にすることができるので、最も確実な方法です。
フリークエンシーキャップのデメリットと注意点
フリークエンシーキャップを設定する際にはデメリットも存在します。
代表的なデメリットを把握し、リスクを避けるための対応策を講じることで、効果を最大化することができます。
以下では、フリークエンシーキャップを設定する際のデメリットと注意点について解説していきます。
潜在顧客へのリーチ不足
フリークエンシーキャップを厳しく設定しすぎると、潜在顧客へのリーチが不足する可能性があります。潜在顧客にブランドや商品、サービスを認識してもらうためには、ある程度の接触回数が必要だからです。
特に、購買サイクルが長い商品やサービスの場合、適切な頻度で広告を表示し続けることで、一度覚えてもらったユーザーの記憶に残り続けることができます。
効果測定の複雑化
フリークエンシーキャップを設定すると、広告の効果測定が複雑になる場合があります。
複数のフリークエンシーキャップを組み合わせる場合や、ほかのターゲティングオプションと併用する場合、フリークエンシーキャップを設定したことによる効果なのか、その他の設定による効果なのかが判断できず、パフォーマンスデータの分析が難しくなることがあります。
A/Bテストを行う際などは、特に効果測定の実現可能性に気を付けながらその他の設定を行う必要があります。
まとめ
フリークエンシーキャップとは、特定の広告がユーザー個人に表示される回数をコントロールする機能です。
フリークエンシーキャップを選択することで、ユーザーの広告疲れを防ぐことができ、広告予算やパフォーマンスの最適化などのメリットが期待できます。
一方で、潜在顧客へのリーチが不足してしまったり、効果測定が思うように行かなかったりといったリスクがあるので、カスタマージャーニーやA/Bテストを使ったフリークエンシーキャップの最適な回数の特定は必ず行う必要があります。
フリークエンシーキャップを活用して広告の効果を最大化させていきましょう。