広告KPIの種類と具体例、設定ポイントを解説

広告KPIとは、Key Performance Indicatorの頭文字を取ったもので、出稿した広告キャンペーンの効果を評価するために使用される指標のことです。 目標達成のために重要な要素をKPIとして設定することで、効率的に成果を上げることができます。

  • 広告のKPIとは
  • 広告KPIの重要性
  • 主要な広告KPIの種類
  • 適切な広告KPIを設定するためのポイント
  • 広告KPIの効果的な運用方法
  • まとめ
2024年06月14日 2024年06月28日

広告KPIの種類と具体例、設定ポイントを解説

KPIとはKey Performance Indicatorの頭文字を取ったもので、日本語では重要業績評価指標と訳されます。

この記事では、これから広告の運用を始めたい、広告運用を任せれたけど何から始めていいか分からないといった方のために分かりやすく解説しています。

広告KPIを理解して、効率的かつ効果的に広告を運用していきましょう。

広告のKPIとは

広告におけるKPIとは、出稿した広告キャンペーンの効果、つまり業績を評価するために使用される指標のことです。KPIを設定することで、目標達成まであとどのくらいなのか、進捗はどの程度なのかといったことが分かりやすくなり、施策の調整や改善、費用対効果の評価などができるようになります。

KPIは広告の目的ごとに設定され、その種類は多岐にわたります。

例えば、「認知度向上」を最終目的とした場合、インプレッション数やリーチ数をKPIとして設定し、具体的な目標値も決めておきます。そうすることで、進捗が可視化され明確に把握できるようになり、何をすべきか、どこを改善すべきかが分かりやすくなります。

広告KPIの重要性

広告KPIは、マーケティング施策の効果を可視化し、戦略を改善していくために重要です。このプロセスを踏むことで、最短で目標を達成することができます。

広告KPIを設定することで、様々なメリットがあります。

まず、広告KPIを設定することで、広告キャンペーンの効果を定量的に評価することができます。具体的な数値目標を設けることでキャンペーンの進捗状況や効果が把握でき、これにより、広告の効果を正確に測定、判断することができます。

次に、広告KPIは戦略の修正や改善を行うための重要な指針となります。特にオンラインで配信する広告キャンペーンは、リアルタイムでの調整が求められます。KPIを監視することで、どの部分が効果的に作用しているのか、どの部分が改善の余地があるのかを迅速に判断することができます。CV数が目標に達していない場合、そもそもリーチ数が低いのか、CTRはどの程度か、入力フォームでの脱落数が多いのかなどによって対応する施策は変わります。この時、KPIを設定しておくことで迅速に問題点を発見して改善のために動くことができます。

また、広告KPIはROI(投資利益率)の最大化にもつながります。かけた費用に対する利益を最大化することは、持続的な事業展開のために重要です。KPIを設定し、これを基に広告の効果を継続的に評価・改善することで、限られた予算を最適に配分し、高いROIを実現することができまます。

以上のように、広告KPIには様々なメリットがあります。KPIを適切に設定することでマーケティング施策の成功につながるため、KPIは重要であるといえます。

主要な広告KPIの種類

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広告KPIにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる視点で施策の効果を測定します。以下で主要なKPIを紹介します。

クリック率(CTR:Click Through Rate)

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クリック率とは、広告が表示された回数(インプレッション数)に対して、ユーザーが実際にその広告をクリックした割合を示します。

具体的な計算式は、以下の通りです。

  • クリック率 = (クリック数 ÷ インプレッション数) × 100%

たとえば、広告が1,000回表示され、そのうち50回クリックされた場合、クリック率は5%となります。

  • (50 ÷ 1,000) × 100% = 5%

クリック率が高いほど、適切なユーザーに広告が届いており、訴求力の高い広告であると言えます。特に、リスティング広告やSNS広告など、ユーザーのクリックを促すタイプの広告では、クリック率を高める努力が重要です。

そのためには、適切なターゲット設定と分かりやすく魅力的な広告の作成、継続的な広告の改善に取り組みましょう。

インプレッション数(Imp, Impressions)

インプレッション数とは、Web上で広告が何回表示されたかを表す数字です。

何回表示されたかを表すため、同一アカウントに複数回表示された場合も複数回カウントされます。広告表示の延べ数だと考えるとわかりやすいでしょう。

インプレッション数は、主に認知度向上の施策のKPIとして使われます。インプレッション数が多いほど認知度向上に貢献していると解釈できます。

クリック単価(CPC:Cost Per Click)

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クリック単価とは、クリック1回あたりに発生する費用のことです。

具体的な計算式は、以下の通りです。

  • クリック単価 = 広告費用 ÷ クリック数

広告費用については、オークションごとに変化したり、費用加算のされ方が広告キャンペーンごとに違ったりするのでその都度合計費用を計算する必要があります。

例えば、広告を1日配信して、費用が合計100,000円かかったとします。その日のクリック数が100回だった場合、クリック単価は1,000円になります。

  • 100,000 ÷ 100 = 1,000

クリック単価が低いほど、低予算でたくさんクリックされていると解釈できるため、費用対効果が高いといえます。

コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)

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コンバージョン率とは、クリックしたユーザーのうち、どれだけのユーザーがコンバージョンに至ったかを表す割合です。

具体的な計算式は、以下の通りです。

  • コンバージョン率 =(コンバージョン ÷ クリック数)× 100%

例えば、広告が1,000回クリックされ、そのうち80人がコンバージョンに至った場合、コンバージョン率は8%です。

  • (80 ÷ 1,000)× 100% = 8%

コンバージョン率が高いほど、ユーザーのニーズに合った適切な訴求ができているといえます。

コンバージョン単価(CPA:Cost Per Acquisition)

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コンバージョン単価とは、コンバージョン1件あたりにかかった費用のことを指します。

具体的な計算式は、以下の通りです。

  • コンバージョン単価 = 広告費用 ÷ コンバージョン数

例えば、コンバージョンを10件獲得するまでに広告費用が30,000円かかったとしたら、コンバージョン単価は3,000円になります。

  • 30,000 ÷ 10= 3,000

コンバージョン単価が低いほど、少ない予算でコンバージョンに結びつけられているので費用対効果が高いと解釈されます。

広告費用対効果(ROAS:Return on Advertising Spend)

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広告費用対効果とは、かけた広告費用に対して得られた売り上げの割合を表します。この場合の売り上げは、対象の広告における売り上げのみを指しており、原価などを加味した利益は計算に入れないので、実際に計算する際には注意が必要です。

具体的な計算式は、以下の通りです。

  • 広告費用対効果=(広告経由の売り上げ ÷ 広告費用)× 100%

広告費用が10,000円かかったのに対し、その広告経由での売り上げが30,000円だった場合、費用対効果は300%になります。

  • (30,000 ÷ 10,000)× 100% = 300%

費用対効果が分かることで、費用対効果の高い広告には予算を回したり、費用対効果の低い広告は配信をストップしたりなどの判断を行うことができます。

適切な広告KPIを設定するためのポイント

最終目標の設定

広告キャンペーンを成功させるためには、まず最終目標(KGI:Key Goal Indicator)を明確にすることが重要です。KGIを細かく分解し見ていくことで、適切なKPIが設定できるようになります。

最終目標はビジネスの全体戦略と一致している必要があります。例えば、売上の増加、リードの獲得、ブランド認知度の向上などが考えられます。

KPIツリーを使うことで、全体の目標とそれを支える具体的なアクションや指標を明確に整理することができるのでおすすめです。

KPIツリーとは、KGIという最終目標にたどり着くまでのプロセスを細分化し、重要な要素をKPIとして樹形図の形に落とし込んだものです。目標を達成するために必要な要素の洗い出しや、各要素に取り掛かる順番などを可視化することができます。

例えば、「ECサイトの売り上げを増加させる」というKGIを設定した場合のKPIツリーは以下のようになります。

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ファネルを理解する

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マーケティングファネルとは、ユーザーが購入に至るまでのプロセスを示したモデルです。ユーザーの購買プロセスを可視化することで、適切な段階で最適な施策を行うことができるようになります。

ファネルは「認知」「興味」「利用」の3段階に分けられます。それぞれの段階において、適切なKPIを設定することが重要です。

例えば、認知段階ではインプレッション数が重要なKPIとなります。興味段階ではクリック率(CTR)やエンゲージメント率、利用段階では、最終的な購入数やコンバージョン率が重要です。

ファネルの各段階に応じてターゲティングやメッセージを調整することで、効率的な訴求を行い、最終的なコンバージョン率を向上させることができます。

広告KPIの効果的な運用方法

ここからは、実際に広告KPIを運用するにあたって、運用のポイントを3つに絞って解説していきます。

データの定期的な確認

設定したKPIと、それに対応するデータを定期的に確認し、広告キャンペーンの効果の変動について把握します。

データを分析する際は必ず比較するようにしてください。週次や月次のレポートを作成し、業界の平均値や自社の過去パフォーマンスと比較しましょう。こうすることで、客観的な判断ができるようになります。

A/Bテストの実施

A/Bテストとは、細部の異なる複数のパターンを用意し、より効果のあるほうを選択していく手法です。

A/Bテストを実施し、異なる広告クリエイティブやターゲティング設定の効果を比較することで、ユーザーのニーズに合った、最適な戦略を見つけることができます。

実際に施行したデータを基に意思決定を行うことで、主観に惑わされない効率的な判断を行うことができます。A/Bテストを繰り返すことで、コンバージョン率やクリック率を向上させ、さらに顧客の嗜好や行動のパターンや傾向を理解することで、マーケティング戦略全体を最適化させることができます。

戦略の調整と最適化

広告KPIに基づく評価や結果を用いて広告戦略を調整し、最適化を図ります。

KPIとして設定した重要な要素から確認することで、目標を効率的に達成することができます。

広告KPIによって調整・改善する施策は様々ですが、具体的にはターゲティングの見直しやクリエイティブの改善などを行います。

まとめ

広告KPIとは、出稿した広告キャンペーンの効果を評価するために使用される指標のことです。

目標達成のために重要な要素をKPIとして設定することで、見直しや改善の判断を素早く行うことができ、結果的に目標まで最短の工数でたどり着くことができます。

広告費用や時間を無駄にしないために、KPIを設定して施策を最適化させていきましょう。

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