カルーセル広告とは?メリットや活用事例を解説
カルーセル広告とは、一つの広告に複数の画像や情報、URLを掲載することのできる広告フォーマットです。一つの画像や動画をそれぞれの見出しや説明、リンク、コールトゥアクションとともに表示することができるため、様々なラインナップのあるECサイトや旅行代理店などの広告に非常に適しています。
- カルーセル広告とは
- カルーセル広告の特徴
- カルーセル広告のメリット
- カルーセル広告のデメリット
- カルーセル広告を利用できる主な媒体
- カルーセル広告の活用例
- まとめ
カルーセル広告とは、一つの広告に複数の画像や情報、URLを掲載することのできる広告フォーマットです。
ユーザーに伝えられる情報量が多く、商品購入に繋がりやすいのが特徴です。
この記事では、カルーセル広告の基本的な知識からメリットやデメリット、活用方法などを実際の表示画像を使いながら分かりやすく解説しています。
カルーセル広告とは
カルーセル広告は、複数の画像や動画をそれぞれの見出しや説明、リンク、コールトゥアクションとともに表示する形式です。ユーザーはスワイプやクリックで各スライドを閲覧でき、商品やサービスの多様な情報を一度に提供できます。
一つの広告に入れられる情報量が大きいので、様々な業種やニーズに対応しています。
例えば、複数の商品と商品ごとの遷移先を設定したり、旅行代理店が複数の旅行先を設定し、それぞれのパッケージに誘導するといった使い方ができます。
Facebook、Instagram、LinkedIn、Googleディスプレイネットワーク(GDN)など、さまざまなプラットフォームで利用されています。
カルーセル広告の特徴
カルーセル広告は、複数の商品やサービスの特徴を一度に紹介することができる点が大きな特徴です。
複数の画像や動画を一つの広告ユニット内で表示し、豊富な情報を提供できます。カードごとに表示する情報を分けることができるので、ユーザーの関心に応じて詳細情報を提供しやすくなっています。それぞれのカードには異なるURLやコールトゥアクション(CTA)を設定することができます。
例えば、カードごとに異なる商品を設定し、遷移先URLとしてそれぞれの商品ページを設定したり、旅行代理店が複数の旅行先を設定し、カードごとに異なるCTAでそれぞれのパッケージに誘導するといった使い方ができます。
また、これらの情報を閲覧するためにはユーザー自身がスワイプやクリックで画面を切り替えるため、広告に対するエンゲージメントが高くなるのも特徴の一つです。
カルーセル広告のメリット
以下でカルーセル広告のメリットについて解説していきます。
複数の製品のアピールができる
各スライドに異なる商品を表示することで、複数の商品を効果的にアピールすることができます。
カルーセル広告の最大のメリットは、複数の商品やサービスを一度に紹介できる点です。
通常の広告では基本的に1つの広告につき1つの商品やサービスを取り上げますが、カルーセル広告では各カードに異なる製品や特徴の設定が可能です。そのため、ユーザーにさまざまな選択肢を提示することができます。
例えば、アパレルECサイトがカルーセル広告を活用した場合、サイト内の異なるデザインや色のアイテムを一度に見せることができ、より多くの商品をユーザーにアピールできます。
1つの商品を詳しく説明できる
さらに、1つの商品やサービスを異なる角度から紹介したり、1画面では伝えられないような詳細な情報を提供するといった活用方法もあります。
各カードに異なる角度からの商品画像を設定したり、機能や特徴をステップごとに説明することができます。
例えば、最初のスライドで製品全体を見せ、続くスライドで細かなディテールや使用例の紹介、最後にユーザーのレビューを表示するといった使い方です。特に、説明が必要な商品や複雑なサービスの場合、段階的に情報を提供することでユーザーの興味を引き続け、ユーザーからの理解を深めることができます。
インタラクティブ性が高い
カルーセル広告はほかの広告フォーマットと比べてインタラクティブ性が高い点もメリットの一つです。
ユーザーがスワイプしたりクリックしたりすることで、広告に対するエンゲージメントが促進されます。このインタラクティブな形式は、ユーザーの関心を引き続け、より多くの情報を提供するのに効果的です。
また、インタラクティブ性の高さは、ユーザーのブランド体験にも良い影響を与えます。広告をただ一方的に見るだけではなく、能動的に操作することで、ブランドや商品、サービスの情報が入ってきやすく、より深く理解してもらえる可能性が高まります。
カルーセル広告のデメリット
続いて、カルーセル広告のデメリットについても解説していきます。
制作コストが高い
カルーセル広告は複数の画像や動画を使うため、通常の広告よりも制作にコストと時間がかかります。
広告内で使用するスライドごとに異なるクリエイティブを作成する必要があり、それぞれに沿った見出しや広告文、CTAが要求されます。これは特に予算の制約がある場合に課題となります。
特に、高品質なビジュアルや動画を求められる場合、リソースが限られている企業や個人にとっては負担が大きくなる可能性があります。カルーセル広告のパフォーマンスを最大化するためには、十分な時間と予算を確保し、各カードのクオリティを高い水準で揃えることが重要となります。
すべての画像が見られない可能性もある
そのため、最も重要なメッセージを最初のスライドに配置することが推奨されます。
カルーセル広告では複数のスライドを表示できますが、すべてのユーザーがすべてのカードをスワイプして閲覧するとは限りません。最初の1~2枚だけがユーザーの目に触れ、それ以降のカードは見られないまま終わってしまう可能性は十分に考えられます。
そのため、最も重要なメッセージや商品、もしくは全体が掴めるような広告を最初のカードに配置することや、興味を引くビジュアルやコピーを使ってユーザーが続けてスワイプしたくなるような構成にすることが求められます。
クリエイティブごとの数値を測定できない
カルーセル広告には複数のカードがあるため、各カードごとのパフォーマンスを詳細に測定することが難しい場合があります。
通常の設定で広告全体のクリック数やインプレッションは把握できますが、どのカードが最も効果的であったかを分析するには、ツールを使用してさらに詳細なデータを追跡したり、配信の際に設定を工夫する必要があります。
どのメッセージが効果を発揮しているか、どのクリエイティブがコンバージョンに結びついているかなどを理解するためには、広告運用時に十分なデータ分析と工夫が必要です。
カルーセル広告を利用できる主な媒体
主要な広告配信プラットフォームでは、ほぼすべてのプラットフォームでカルーセル広告が利用できます。
以下では、主要な広告配信プラットフォームの中でカルーセル広告を利用できるものとそれぞれの特徴、違いなどを解説していきます。
Google 広告
Google広告では、Googleディスプレイネットワーク(GDN)でカルーセル広告を配信することができます。
他のGoogle広告と同様に世界中の広範なユーザーにリーチでき、詳細なターゲティング設定を行うことができます。
Google広告のカルーセル広告では、他のプラットフォームと同様に2~10枚のカードをアップロードでき、YouTubeもしくはGmailに配信される場合は各カードに特定のURLを設定することができます。各カードの説明文はサポートされておらず、どのカードが表示されているかに関わらず表示される説明文のみ利用できます。デマンド ジェネレーション キャンペーンのアセットの仕様とベスト プラクティス
Yahoo!ディスプレイ広告
Yahoo! JAPANのディスプレイ広告でカルーセル広告を配信することができます。
国内ユーザーに効果的にアプローチできます。
Yahoo! ディスプレイ広告でのカルーセル広告のクリエイティブは、1 : 1のアスペクト比のみがサポートされています。また、他のカルーセル広告と比べて、説明文に設定できる最大文字数が少なくなっています。Yahoo!広告ヘルプ カルーセル-運用型
Meta(Facebook)広告
Facebookでもカルーセル広告を配信することができます。
他のプラットフォームとは違い、SNSのオーガニックコンテンツと同じフォーマットで広告が配信されるのが特徴です。この特徴により、ユーザーの広告に対する拒否感を軽減することができます。また、見出しと説明文のほかにメインテキストと呼ばれるオーガニックコンテンツの投稿文と同じ位置に表示される文章を設定できるのも特徴です。
Instagram広告
Facebookと同じMeta社が運営するInstagramでもカルーセル広告を配信することができます。
若年層のユーザーにアピールしたい場合に効果的です。
特徴やメリットはFacebookのカルーセル広告とほぼ同じですが、サポートされる仕様が所々異なります。
例えば、広告クリエイティブで動画を掲載する場合、Facebook広告の最大再生時間が240分なのに対し、Instagramでは2分までという点が異なります。また、Instagramでは1 : 1のアスペクト比のみがサポートされており、それ以外のサイズの場合は自動的に切り取られる場合があります。
LINE広告
LINE広告でもカルーセル広告を配信することができます。LINE広告に入稿すると、LINEアプリのホーム画面、LINE VOOM、LINE NEWSの一部、LINEポイントクラブに配信されます。
日本で最も使われているメッセージアプリであるため、ユーザーは非常に幅広く、上記で紹介したアプリやサービスはあまり使わないがLINEは日常的に使用するというユーザーが存在し、そういったユーザーをターゲットにしたオンライン広告を届けることができるというのが大きなメリットです。
クリエイティブは1 : 1の1,080px×1,080pxのみがサポートされています。
カルーセル広告の活用例
実際にカルーセル広告を配信する場合、どのような施策で活用すると効果的なのか、具体例を挙げながら解説していきます。
アパレル
アパレル会社の広告はカルーセル広告に非常に向いています。
具体的な活用例としては、1枚目の画像で商品全体を、2枚目の画像でモデル着用画像、続いて詳細画像(素材や柄など)や後ろから見た場合、横から見た場合などの画像を表示するなどです。こうすることで、商品を着たらどうなるのか、後ろや横から見るとどうなっているのか知りたいといったユーザーのニーズを満たすことができます。
もしくは、ターゲットやシーズン商品などの括りで複数の商品を見せるという場合です。アパレル会社には基本的に多数のアイテムがあるため、カルーセル広告を活用することでそれらを一度に紹介することができます。例えば、各カードに様々なデザイン・色の水着を設定し、水着を探しているユーザーに向けて配信することで、ユーザーは気に入ったデザインを選んで商品ページに遷移することができます。
コスメ・美容
コスメや美容に関連する商品もカルーセル広告に向いています。これは、コスメや美容関連商品が複数の訴求ポイントを持つことが多いからです。
例えばスキンケア製品なら、1枚目の画像で商品全体を、2枚目の画像でテクスチャーを、3枚目の画像で肌への効果を訴求するビジュアルや有効成分を表示することで、複数の商品の魅力を効率的に訴求することができます。
審美的な角度からの訴求や実際の効果、安全性などを各カードに分けて掲載することで、膨大な情報量を分かりやすく端的に伝えることができます。
旅行・レジャー
旅行会社の場合は、一つの広告内で様々なプランを比較させるという使い方ができるという点が向いています。
例えば、1枚目でセール情報やプランのコンセプトを提示し、2枚目以降で各プランの紹介をします。そうすることで、ユーザーは自由に各プランのカードを行き来し比較することができます。また、各カードにプラン詳細を分散させることで、価格や日程、出発地や到着地など様々な情報を掲載することができるというのも、この訴求にカルーセル広告が最も向いている理由の一つです。
教育・学習
教育や学習に関する広告でもカルーセル広告を活用することができます。
例えばオンライン講座なら、1枚目の画像で講座の内容を、2枚目の画像で講師の紹介、3枚目の画像で受講者の声を表示するといった方法があります。教育や学習に関する商品やサービスを購入する場合、信頼性が決断理由の上位に入ります。
カルーセル広告では、商品やサービスの紹介のほかに、講師の紹介や口コミを掲載するカードを追加することで信頼性の担保ができます。
まとめ
カルーセル広告とは、複数の画像や動画をそれぞれの見出しや説明、リンク、コールトゥアクションとともに表示する形式です。
一つの広告で伝えられる情報量が多く、ユーザー自身のペースでインタラクティブに情報を閲覧することができるのがメリットです。
一方で、情報量が多いためクリエイティブの用意にコストがかかる、どの情報が有効だったのかといった詳細なパフォーマンスの分析が難しいといったデメリットもあります。
しかし、使いこなせば非常に効果の出やすい有用な広告フォーマットです。
カルーセル広告に関する知識を抑え、効果的な広告運用を目指しましょう。