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ユーザーエクスペリエンス(UX)
ユーザーエクスペリエンス(UX)とは
ユーザーエクスペリエンスの意味
一般的にユーザーエクスペリエンスとは、ユーザーが商品やサービスの使用を通して得る経験を指します。「ユーザー体験」や「ユーザー経験」という言葉に言い換えて使われたり、User Experience=「UX」と略されることもあります。商品やサービスを使用した後に、日常生活の中で思い出したりすることもユーザーエクスペリエンスと言われることがあります。
ユーザーインターフェース(UI)やカスタマーエクスペリエンス(CX)との違い
ユーザーインターフェースとは、ユーザーとサービスをつなげるインターフェース(接点)のことを指します。具体的には、Webサイトにおけるデザインや文字、アイコンなど、パソコンでいえばマウスやディスプレイなど、ユーザーと接点のあるすべてのものを指します。ユーザーエクスペリエンスは、体験や経験といった特定の個人ごとに異なる出来事であるのに対し、ユーザーインターフェースは実際に触れられるものを指すという点で大きく異なります。
カスタマーエクスペリエンスはマーケティングや経営の文脈で主に使われ、「顧客体験」とも言われます。ユーザーが商品やサービスを購入するに至るまでの過程や購入後のアフターフォローまでを含み、企業側が提供する体験を指します。ユーザーエクスペリエンスは、商品やサービスとユーザーとの間で発生する体験なのに対し、カスタマーエクスペリエンスは企業とユーザー間のやり取りを通じて得られる体験であるというのが最も大きな違いです。
ユーザーエクスペリエンスの具体例
- カフェでコーヒーを購入したとします。この場合、コーヒーを飲むという行動はもちろんですが、それ以外にもカフェに入った瞬間のコーヒー豆を挽くにおい、顔見知りの店員との会話、落ち着いた音楽に座り心地の良いソファーでリラックスできる環境など、コーヒーを購入するという行動に付随して発生した体験すべてがユーザーエクスペリエンスにあたります。
- インターネットで商品を購入する場合にもユーザーエクスペリエンスは重視されています。この場合は、商品の購入を検討する際に検索のしやすさや条件の絞り込みやすさ、口コミが見られる安心感などがユーザーエクスペリエンスにあたります。さらに、商品到着後に口コミを投稿すること、サイトが使いやすかったから次回も同じサイトを使おうと思うことなどもユーザーエクスペリエンスに含まれます。
なぜユーザーエクスペリエンスが重要なのか
同じような商品やサービスがあふれる現代では、単に商品やサービスそのものに工夫を凝らしても限界があります。市場や技術の進歩により、機能や価格だけではなかなか他者との差別化が図れません。
こうして考えだされたのがユーザーエクスペリエンスという概念です。ユーザーが特定のブランドや企業を選ぶ理由は、その商品やサービスに関連する体験や価値によっても大きく左右されます。そのため、ユーザーにとってに魅力的な体験を提供することで、市場においてユーザーにとっての価値を上げ、差別化を図る必要があります。
さらに、インターネットの普及が進んだことにより、ユーザーは商品やサービスの比較を容易に行えるようになりました。こうした状況でコンバージョンにつなげるには、数値などで単純に比較することのできない「体験」で差別化を図るのも重要です。
良いユーザーエクスペリエンスを届けるために
ユーザーエクスペリエンスを向上させるためには、ユーザーが何を求めているかを正確に知ることが重要です。そして、得られた情報に従って自社の課題を設定、改善していくことが理想です。以下に主なステップを挙げます。
- ユーザー調査とフィードバックの収集 ユーザーのニーズや要求を理解するために、ユーザー調査を行い、フィードバックを収集します。また、ユーザーがどのように商品やサービスを利用しているかについて理解することも重要です。ここで得られた情報を基に、ユーザーの行動や嗜好、期待などに焦点を当て、製品やサービスの改善点を特定します。
- ユーザーインターフェース(UI)の設計 ユーザーが直感的に操作できるよう、使いやすいユーザーインターフェースを設計します。シンプルで一貫性のあるデザインを意識しつつ、わかりやすい操作方法を目指して文字の大きさや色、アイコンの配置などの工夫が必要です。
- パフォーマンスの最適化 パフォーマンスの最適化を行います。カフェにおいては注文の分かりやすさや提供の速さなど、Webサイトにおいては高速な読み込み速度やスムーズな動作の実現が該当します。快適な体験を目標に、ユーザーがストレスなく製品やサービスを利用できるようなアプローチが重要です。
こうした作業を繰り返し行うことでユーザーエクスペリエンスを持続的に向上させることができます。
まとめ
ユーザーエクスペリエンス(UX)とは、商品やサービスを使用した際に付随する体験のことを指します。ユーザーエクスペリエンスを向上させることで競合との差別化を図り、選ばれる商品やサービスを提供することができます。
よくある質問
Q.ユーザーエクスペリエンスを向上させる目的は何ですか
A.ユーザーエクスペリエンスを向上させることで、ユーザーの満足度が上がります。さらに、ユーザーがよい体験を共有することでブランドや製品に対する信頼が高まり、ユーザーのリテンションや新規ユーザーの獲得につながります。こうした持続的なサイクルは、商品やサービスの競争力強化にもつながります。
Q.ユーザーエクスペリエンスの向上によって成功した事例を教えてください
A.ある大手カフェチェーンでは、「体験を提供する」「家と職場に次ぐサードプレイス」というコンセプトのもと、ユーザーエクスペリエンスを重視した空間づくりを徹底しました。ビバレッジの豊富なカスタムやwi-fi環境、電源設備の整備など、ユーザーにとって居心地の良い環境を整えたことで売り上げが伸び、さらに新作が出るたびに通う熱心なファンや一日に複数回利用するヘビーユーザーも獲得しました。これらの取り組みは、単なる飲食店としての機能を超えて、顧客にとって特別な体験を提供することを目指したものであり、顧客のロイヤルティの向上や、ブランドの価値の向上につながりました。その結果、競争の激しいカフェ市場において、差別化されたポジショニングを確立し、成功を収めることができました。
Q.ユーザーエクスペリエンスデザインの悪い例は?
A.デザインの変更によって悪い結果を収めた例に、企業の利益だけを求めた変更があります。具体的には、ユーザーに寄り添わない、デザイン性だけを求めたWebサイトの仕様変更、効率を求めた結果ユーザーへの対応がないがしろになるなどです。これらの変更を防ぐために、ユーザー調査とフィードバックの収集が重要になります。