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セグメント
セグメントとは
セグメントは、ターゲットを効率よく分析するうえで必須の概念です。
この記事では、セグメントの基本的な意味と実際に使う上でのポイントを解説していきます。
セグメントの意味
セグメントとは、英語で区切りや区分を指す言葉です。
マーケティングの分野では、市場や顧客、ターゲットをある一定の条件で細分化し、その結果できたまとまりのことをセグメントと呼んでいます。
例えば、旅行会社市場のニーズを細分化した場合、家族旅行、卒業旅行、新婚旅行、シニア旅行、女子旅、一人旅などのセグメントができます。
セグメンテーションとの違い
セグメンテーションとは、一定のまとまりを区切ることを言います。
先ほどの例では旅行市場を各ニーズごとに細分化していたため、旅行市場をセグメンテーションしたと言うことができます。
ターゲットとの違い
ターゲットは、マーケティングの際に選定する想定顧客の集団を指します。
多数あるセグメントのうち、自社の想定顧客だと判断されアプローチを行うセグメントがターゲットです。
先ほどの例で、旅行会社Aが旅行市場の中からターゲットを決める(ターゲティングする)とします。旅行会社Aは世代を超えて楽しめるツアーやシニアの方や子供でも安心して楽しめる旅行プランに定評があるため、家族旅行のセグメントを中心に広告を配信することにしました。
この場合、ターゲットは家族旅行のニーズを持つユーザーのセグメントであるということができます。
良いセグメントのための4R
特定の条件で分けられたまとまりがセグメントであると説明しましたが、そのセグメントをマーケティングで効果的に活用するために重要な4つの要素があります。
それぞれの頭文字を取って4Rと呼ばれています。
Rank(優先順位)
一つ目はRank、優先順位です。
分類した各セグメントについて、自社の商品やサービスに合致するかなどの観点から優先順位を付けます。
つけられた優先順位を基に、各セグメントにコストをどのくらいかけるか、リソースの配分などを決定します。
Realistic(有効規模)
次はRealisticで、日本語では有効規模と訳される場合が多いです。
それぞれのセグメントに十分な利益を見込めるだけの規模があるかどうかを判断します。具体的には、市場調査から得られるデータや競合他社の状況、成長性など、複合的な視点から、潜在顧客数や市場規模を判断します。
十分な利益が見込めないと判断されたセグメントについては、ターゲットから外す必要があります。
Reach(到達可能性)
Reachは到達可能性のことです。
各セグメントの消費者に対して、自社の商品やサービスを届けられるかどうかを判断します。
例えば、日本語でしか展開を行っていない商品やサービスをいきなり海外で展開しても、消費者へ適切に到達する可能性は低いと言えます。
自社が行うアプローチとセグメントの特性を考慮して可能性を判断します。
Response(測定可能性)
最後にResponce、測定可能性です。
マーケティング施策は、行って終わりではなく、定期的に効果を測定して改善していく必要があります。その際に、効果を適切に測れるかというのは非常に重要な視点です。
セグメントの測定可能性が高ければ高いほど改善の効率が上がり、コンバージョン率も高くなると考えられます。
セグメントの分類方法
セグメンテーションの方法にはいくつも方法があります。
この項目では、初めてセグメンテーションを行う人でも分かりやすいような代表的なセグメンテーションの方法を4つ紹介します。
人口動態変数
人口動態変数はデモグラフィック変数とも呼ばれ、人口統計学の視点によって分類する方法です。
具体的には、年齢や性別、世帯構成などで分類されます。
情報を集めやすく、セグメンテーションが容易なため、一般的にもっとも使われる手法です。
行動変数
行動変数は、自社の商品やサービスに対する行動によってセグメンテーションする方法です。
ヘビーユーザーやライトユーザー、口コミなどのレスポンスが返ってきやすいかなど、自社のマーケティング戦略に合わせた切り口でセグメンテーションを行うことができます。
購買行動に合わせたセグメンテーションをすることで、それぞれに最適なアプローチを行うことができるので、ユーザー体験の向上やコンバージョン率にの向上が見込めます。
心理的変数
心理的変数は、サイコグラフィック変数とも言われます。ユーザーの興味や関心、趣味などの情報を基にセグメンテーションする方法です。
心理的変数は、個人の内面に関わることなのでデータを集めづらく、測定が難しいですが、活用すれば多様化するニーズやトレンドに合わせた適切な訴求を行うことができます。
地理的変数
地理的変数はジオグラフィック変数とも言われ、国や地域、人口密度や気候など、地理的要因に基づいてセグメンテーションする方法です。
地理的要因に基づいてセグメンテーションするため、他の方法に比べて変化しづらいというのが大きな特色です。また、文化や特色に合わせたアプローチを行うことができるのも大きなポイントです。
国によって映画のタイトルやポスターイメージが変わるのも地理的変数に基づいたセグメンテーションが活用されている例の一つです。
セグメントを活用したマーケティング分析
セグメントごとに市場や顧客を分類した後、実際にマーケティング戦略に生かすにはどうしたら良いのでしょうか。
この記事では、セグメントの活用例としてSTP分析を紹介します。
STP分析
STPとは、Segmentation Target Positioningの頭文字を取ったもので、STPの順番で市場を分析し、アプローチしていきます。
最初のS、セグメンテーションでは、市場を自社に適した視点に基づいて分類します。
その次のTでは分類したセグメントの中から自社にとって最適だと考えられるものをターゲットに選びます。
最後のP、ポジショニングで自社の立ち位置を明確にします。
こうして最適な訴求内容を明確にしていきます。
セグメンテーションは、マーケティング戦略を考えるうえでの土台になるので非常に重要な作業だと言えます。
まとめ
セグメントとは、市場や顧客を分類したまとまりを指します。
マーケティング戦略を考えるうえで、自社の商品やサービスがどの層に求められているのか、どこにアプローチすると効果を最大化できるのか分析する土台となるため、重要な概念だと言えます。
セグメントの方法はたくさんあるので、場合に応じて適切なセグメンテーションを行う必要があります。
よくある質問
Q1. 顧客をセグメントで分けるメリットは何ですか。
A1. 顧客を特性ごとに分け、その特性に適した訴求を行うことで効率が最大化されます。
Q2. セグメンテーションを行うためのデータはどのように収集しますか。
A2. アンケートやアナリティクス分析が代表的ですが、分類方法によって適切な情報収集の方法が異なります。例えば、心理的変数によってセグメンテーションを行う場合、アンケートだと情報が集まりづらいなどの特徴があります。
Q3. セグメンテーションを行ううえでの注意点を教えてください。
A3. セグメントごとの特性はあくまでデータであり、そのデータをどのように使うかによってコンバージョン率に差が出るということに注意が必要です。セグメントをどのように生かすかが重要となります。