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リスティング広告
リスティング広告とは
リスティング広告は、他の広告フォーマットと比べて効果の出やすい広告のフォーマットです。
しかし、運用するには多くの注意点があります。
この記事では、リスティング広告の基本的な説明から仕組み、効果的に運用するためのポイントなどを解説していきます。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果に連動して表示される広告のことです。
ある特定のキーワードを設定し、そのキーワードが検索された際に表示されます。
リスティング広告が表示されるユーザーはそのキーワードに対して関心が高い状態であるため、クリック率やコンバージョン率がほかの広告フォーマットと比べて高いのが大きな特徴です。
リスティング広告の構成
リスティング広告は広告の見出し、表示URL、説明文で構成されます。基本的に画像は使用できません。
また、掲載する媒体によって、文字数や使用可能な記号などに制限があるので注意が必要です。
リスティング広告が配信される仕組み
リスティング広告が配信されるには、オークションを勝ち抜く必要があります。
オークションはユーザーが対象キーワードを検索するたびに行われ、広告を配信する側が設定する入札金額や広告の品質、キーワードとの関連性など様々なデータに基づいて、広告の掲載媒体が順位を決定します。
このとき、順位が高ければ高いほど画面上部に表示されます。広告の掲載枠の数には制限があり、順位が低いと広告自体が掲載されない可能性もあります。
リスティング広告とほかの配信方法との違い
リスティング広告の最大の特徴は費用対効果が高い、つまりコンバージョン率が高いという点です。
リスティング広告は、設定したキーワードを検索したユーザーにのみ配信されます。つまり、もともとその商品やサービスに興味を持っていたり、購買意欲が高いユーザーに対してアプローチができます。
その結果、ほかの配信方法よりもコンバージョン率が高くなります。
掲載できる主な媒体
リスティング広告を掲載することができる主な広告媒体について、以下にまとめました。
日本・世界ともに圧倒的なシェアを誇る検索エンジンがGoogleです。
ユーザーの検索結果に連動して表示され、表示オプションも豊富に用意されているのが特徴です。
また、Googleの検索エンジンを使用しているユーザーの母数が圧倒的に多いので、多くのユーザーにアプローチすることができることや、多数のユーザー情報の蓄積による詳細なターゲット設定が可能な点がメリットです。
Yahoo!
Yahoo!の検索エンジンは、日本においてスマホやタブレットでGoogleに次ぐ2位のシェアを誇っています。また、日本におけるアクティブユーザー数は約8500万人Yahoo! JAPAN 媒体資料 日本語版と、Googleを抑え1位となっています。
パソコン (2021年9月時点) | スマートフォン (2022年3月時点) | |
---|---|---|
75.7 | 75.2 | |
Yahoo! | 14.2 | 24.2 |
Bing | 9.6 | 0.3 |
その他 | 0.5 | 0.3 |
日本における検索媒体のシェア率(%) 引用元:総務省 「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」データ集第3章第6節
また、Yahoo! のユーザーの6割が就業者、ボリュームゾーンは40~60代で、Googleの検索エンジンと比べて働く世代が愛用する検索エンジンだという特徴があります。
Yahoo!のリスティング広告は、Googleリスティング広告の配信設定と比べて設定する項目が少なく、また無料のサポート制度も充実しているため、広告運用初心者の方でも比較的わかりやすく運用することができます。
Microsoft
新しく注目すべきリスティング広告のサービスがMicrosoft広告です。Microsoft広告では、マイクロソフト社の検索エンジンであるBingにリスティング広告を出稿することができます。
引用元: 総務省 「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」データ集第3章第6節
Bingは近年シェアを伸ばしており、最もシェア拡大率の高い検索エンジンです。
Windowsなど、マイクロソフト社の製品がビジネスシーンで多く利用されることもあり、BtoBの商材に関して大きな強みがあります。
リスティング広告のメリット
リスティング広告には、ほかの広告配信方法と比べて効果が出やすいことをはじめ、様々なメリットがあります。大きく4つに分けて解説していきます。
見込み顧客にアプローチできる
まずは、見込み顧客にアプローチできるということです。これは費用対効果が高いということにつながります。
リスティング広告が配信されるユーザーは、リスティング広告を出稿する際に設定したキーワードを検索しているユーザーです。そのため、広告の商材に少なからず興味を持っている、つまり見込み顧客ということになります。
設定したキーワードを検索していないユーザーにはリーチせず、キーワードを検索した見込み顧客にのみリーチできるので、ほかの広告配信方法と比べてコンバージョン率が高くなります。
低予算で始められる
リスティング広告のメリット二つ目は、低予算で始められるという点です。
リスティング広告の費用は「広告がクリックされた回数×クリック単価」で決まることがほとんどです。そのため、クリックされなかった場合は費用が発生しません。
また、オークションの際は手動で入札単価を決める場合と自動で入札単価が決定される場合がありますが、自動の場合もあらかじめ上限金額を決めておくことができるので、予想外に費用が高くつくといったことはありません。
これらの理由から、リスティング広告は低予算で広告が出稿できる配信方法だといえます。
自由度が高い
自由度が高いというのもリスティング広告のメリットの一つです。
広告を出稿した後でも配信期間や内容などの変更が可能です。
具体的には、広告を配信開始した後でも効果計測の結果思ったように効果が出ていないと感じた場合、配信を停止することができます。その後、広告文などを変更して再度配信することも可能です。
また、ターゲティングの設定や表示オプションも自由度が高いです。ターゲティングについては、曜日や時間帯、地域、ユーザーの属性などでも配信ターゲットを絞ることができます。広告の表示オプションは表示するためにいくつか条件はありますが、既定の表示文に加えて電話番号や住所、購入ページのリンクなど様々なオプションを表示させることができます。表示オプションについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
改善しやすい
リスティング広告のメリットには、改善が容易であるというのも挙げられます。
上記で挙げたように、リスティング広告は配信期間やターゲティングなどの自由度が高く、また効果計測のための機能も充実している媒体が多いです。
そのため、クリック率やその時点でかかった費用などをリアルタイムで確認しながら広告を最適化させることができます。
リスティング広告のデメリット
メリットの多いリスティング広告ですが、デメリットも存在します。
以下で代表的なデメリットをまとめました。
潜在層へのアプローチは苦手
潜在層というのは、商品のジャンルやテーマについて漠然とした認識はあるものの、具体的なニーズは自覚していない層のことを指します。見込み顧客になる前の層と考えるとイメージがしやすいかもしれません。
この層は、商品名や具体的なキーワードを使った検索を行わないため、検索と連動して配信されるリスティング広告は届きません。
そのため、リスティング広告を使用した潜在層へのアプローチは難しいといえるでしょう。
ビジュアルで訴える訴求ができない
リスティング広告は、基本的に見出し文と広告文などのテキストで構成されています。また、テキストの色や大きさを変えることはできません。
そのため、ディスプレイ広告やバナー広告のようなビジュアルでの訴求はできません。
商材やサービスがリスティング広告に適しているか
リスティング広告は費用対効果が高いとお伝えしましたが、すべての商材に当てはまるわけではありません。
以下で向いているものと向いていないものの特徴・具体例を紹介していきます。
向いているもの
リスティング広告は、検索に連動して配信される広告なので、ある程度の認知度があることが求められます。
また、広告の配信費用に関して、費用対効果が高いため競争率が高く、入札単価が上がる傾向にあります。そのため、配信費用を回収できるように粗利が高いもの、単価は低くてもリピートが見込めるものなどがリスティング広告に向いています。
以上を加味して、
- 不動産
- ブライダル業界
- 航空券
- 宿泊業界
などがリスティング広告に向いているといえます。
向かないもの
先ほどお伝えしたように、リスティング広告が配信されるには、広告を出稿する際に設定したキーワードをユーザーが検索する必要があります。そのため、認知度の低い商品や検索数の少ない業界の商品などはリスティング広告には向きません。
また、競合が強く他社に比べて優位性のない商品やサービスは、比較の容易なインターネット広告には向いていないと言えるでしょう。
具体的には、
- 新ジャンルの商品
- 単価の低い小売り
- 本やCDなど他店で同一商品の購入が可能なもの
- 飲食店
などが当てはまります。
費用相場
リスティング広告の費用相場は20~30万円だといわれています。
しかし、事業の規模や商材の単価などによってかかる費用は大きく変わるため一概には言えません。
リスティング広告の出稿に最低金額の規定はないので、自社で広告を運用する場合は自由に予算を決めることができます。代理店などに頼む場合は月20万円~が目安となります。
大手で広告を運用する場合、月の予算が100万円を超えることもあります。
運用方法
リスティング広告の運用方法は1つではありません。
この記事では、
- 広告代理店に依頼する
- 自動運用ツールを使う
- 自社で運用する
といった3つの方法について詳しく解説します。
広告代理店に依頼する
まずは、広告代理店に依頼する方法です。
リスティング広告は掲載できる媒体が複数あり、自由度も高いので、運用経験の無い方は複雑に感じるかもしれません。そういった場合は広告代理店に任せることができます。
広告運用を行っている会社では、適切な入札価格の決定や詳細なオプションの設定、効果を確認しながらの改善の仕方なども把握しているので、効率的に成果を出すことができます。
自動運用ツールを使う
自社での運用に自信がないという方は、広告代理店に依頼する方法のほかに自動運用ツールを使うという方法もあります。
ツールを使用することで、予算管理や入札の最適化を自動化することができます。
代理店に依頼するよりも予算を抑えることができるのもメリットの一つです。
自社で運用する
最後は自社で運用するという方法です。
広告運用は難しいと考える方も多いかもしれませんが、リスティング広告は経験の浅い方でも手の出しやすい広告の一つです。
GoogleやYahoo!など、広告掲載媒体の公式ページにリスティング広告の設定方法が記載してあります。
また、デジプロのYouTubeチャンネルでは広告運用の勉強方法を解説した動画もありますのでこちらも併せてご覧ください。
効果的な運用のために
リスティング広告は、出稿するだけなら比較的簡単にできるのですが、効果的に運用するにはいくつかのポイントがあります。
広告の品質を上げる
一つは、広告の品質を上げるということです。
リスティング広告は、設定を正しく行っても、オークションで上位を獲得しなければ配信されません。オークションで安定的に勝ち続けるために必要なのが広告の質です。
毎回のオークションでどのような評価がされたのか知る方法はありませんが、参考にできるのが「品質スコア」という値です。Google広告では、管理画面から確認することができます。
この値は、実際にオークションで使用される値ではないのですが、一定の条件下での推定の値として公式に出されているものです。品質の低い広告を判断するための情報として利用することが公式で推奨されています。
独自性の高いキーワードを設定する
独自性の高いキーワードを設定するというのもポイントの一つです。
独自性の高いキーワードにすることで、競争率が下がり、オークションで上位に上がる確率が高くなります。
複数の単語を組み合わせたロングテールキーワードは、検索ボリュームこそ低いものの、競合が減り、ニーズへのマッチ度は上がっているため、コンバージョン率は高くなる傾向にあります。
PDCAを回して柔軟に対応する
最後は、PDCAを回すということです。
リスティング広告は、設定を行っただけでは効果の最大化は見込めません。広告のパフォーマンスを確認し、対策、改善を続けることで広告を最適化することができます。
広告の効果については、キーワード別などのレポートが管理画面から確認できます。
このデータを活用し、効果の高い設定は入札予算を上げたり、効果の出ていないものは除外するなどして、広告費用の無駄を減らしていきましょう。
まとめ
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果画面に表示される広告のことで、日本語では検索連動型広告とも呼ばれます。
設定は比較的簡単ですが、配信されるにはオークションを勝ち抜く必要があります。
また、効果を出すには適切なキーワード設定や広告の品質を上げるなどいくつかのポイントがあります。
これらをしっかり押さえて、リスティング広告の効果を最大化していきましょう。
よくある質問
Q1. リスティング広告を始めるには、まず何をしたらいいですか。
A1. どの掲載媒体から出稿するにしても、まずは広告アカウントを作成する必要があります。広告アカウントを作成し、企業情報や広告費用の支払い情報を登録することで、広告設定を行うことができます。
Q2. キーワードを設定する際のポイントを教えてください。
A2. キーワードの設定についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
Q3. オークションの評価に関わる要素を教えてください
A3. オークションは、入札単価、広告の品質、広告表示オプションの見込み効果、一定以上の基準に達しているか、ユーザーの所在地やデバイスなどテキスト以外の情報などが関わっています。Google広告の掲載順位決定については公式のGoogleヘルプページを、Yahoo!広告の掲載順位決定についてはYahoo!広告ヘルプページを参考にしてください。