未経験でもWebマーケティングへ転職したい! でも、どうすればできるのか?実際の転職体験談から成功方法や学ぶべきことを探ります。
今回インタビューをしたのは、異業種からWebマーケティング、特にSEOに強みのある事業会社へ転職をしたBさん。
別業界からどうやって今の仕事に進んだのか?また転職成功のポイントは?そして、実際働いてみてどうか?
転職経験者ならではのお話をうかがいました。
Bさんプロフィール
出版社で約7年にわたり雑誌や書籍の編集業務を経験したのち、現在はSEOコンサルティングをはじめとしたWebマーケティング事業会社にてコンテンツ編集、SEO戦略担当として従事。仕事と育児に忙しい3児のパパ。
目次
紙からWeb、そしてWebマーケティングへ
転職で編集者としての「武器」を得る
— 現在の仕事内容について教えてください。
企業のWebマーケティングを支援する会社で働いています。僕は企業のオウンドメディアなどに掲載するコンテンツ制作を主に担当していて、仕事は営業担当の他にSEO戦略コンサルタント、コンテンツ制作、分析担当でチームを組んで行います。制作担当ですが、戦略やキーワード選定もしますよ。
— 転職以前の仕事は、Web業界でもマーケティング業界でもないと聞きました。
そうなんです、1社めは出版社でスポーツ関連の書籍や育児書などを作っていました。その後、Webメディアを運営する会社を経験して今に至ります。
— 出版社と現職の間にも転職経験があるんですね!
Webメディアの会社も3社ほど経験しています。出版社の直後は知人が経営する企業に入社しました。少人数のベンチャーでしたが、Webメディアが稼げた時代だったのでかなり好きにやっていましたね(笑)。そのあとはハウツーメディアや求人系のキュレーションサイトを運営する企業で働いていました。
— どうしてWebマーケティング業界へのキャリアを選んだのですか?
今後はWebの理解が必要だと考えたからです。出版社にいた頃、紙から電子書籍に世の中の流れが変わると言われ始めていました。そのためWebメディアの会社へ転職しましたが、コンテンツを作るうえでマーケティングのスキルも必須だと考え、今の会社に入社しました。
転職活動は苦労の連続、それでも武器を得られる確信があった
— 転職によって経験やスキルを身に付けたんですね。転職活動は順調でしたか?
かなり苦労しましたよ。紙からWebの会社に転職した時は履歴書を何枚も企業へ送りました。うまく進まず悩みましたが、ちょうど子どもが生まれたこともあり年収も上げなくてはと頑張りましたね。
いま思うと、もともとのんびりした性格なので子どもがいなかったら転職せずに今でも出版社にいたかもしれませんね(笑)。
今の会社は知り合いもいたのでスムーズに転職できました。ただ転職活動に苦労しても、マーケティング知識は武器として必要だったので諦めなかったと思います。
— 武器、ですか。
編集者として将来のキャリアを考えた時に、Webやマーケティングという武器がないと、今後できることや選択肢が限られてしまうと思いました。ベンチャー企業への転職も、Webの経験を得られると思うと不安はなかったですね。
今の会社はクライアントワークができることも魅力でした。自社のメディアだけではなく、色々な業界や企業のWebマーケティングに関わりたいと考えていました。
転職成功のポイントは「武器」を伝えること
文脈に沿った武器は感度への評価となる
— 今回の転職までに何社か経験されていますが、Webマーケティングで働くには、Web業界での経験は必須でしょうか?
そんなことはないですよ。僕の担当するコンテンツ制作や編集も、Web業界の経験がない、紙業界出身の人が入社することも最近は多いです。今のWebコンテンツは質を求められており、かつてのコピペのような記事でもPVを取れた頃からシフトチェンジしています。
— 未経験でもWebマーケティングの仕事をするために必要なことは何でしょうか?
自分の持っている「武器」が何か、Webマーケティングにどう活かせるか、ということを会社の文脈に沿って伝えることでしょうか。あとは、数字への感度は求められます。マーケティングは数字の世界ですから。
— ここでも「武器」が出てきましたね。未経験の方が使いやすい武器はどのようなものがありますか?
職種によって異なると思いますがコンテンツ制作だとやはりコンテンツ編集力はマストです。簡単ですが選考ではテストもありました。若手より経験者の中途入社が多いかもしれません。
SEO戦略を考えるコンサルは、企業での実務が未経験でも自分でブログをやっていたりアフィリエイターをやっていたりした人は、それを実績として面接で評価されています。
Webマーケティングは求められる知識の領域が幅広いですが、アフィリエイターは個人でひと通りそれらを経験しており、感度があると思います。あとは違う業界の営業職から入社している人もいます。
「堅実さ」「コミュニケーション力」は武器になる
— 未経験でも文脈に沿った「武器」を伝えることがポイントなんですね。未経験の人が採用されやすいポジションはありますか?
戦略コンサルタントは未経験での入社も多いですね。新卒入社のメンバーもコンサルタントからスタートすることが多いです。
— 仕事に対して、適正や向き不向きなどの傾向はありますか?
「堅実さ」と「コミュニケーション力」でしょうか。クライアントとのやり取りがあるので、きめ細かい対応が求められます。納期が遅れることは許されないので、スケジュール進行の確実さも必要です。堅実さがないと難しいかもしれません。
コミュニケーションについては、クライアントのニーズを丁寧に把握することも大事ですし、チームで仕事をするのでメンバー同士の連携が必要です。
時代は「1企業1インハウスエディター」
「パートナー」として働くやりがい
— 転職を成功させた現在についてもお聞きしたいです。業界が変わって感じたギャップはありますか?
「マーケティング領域ってこんなにお金が動くんだ!」と驚きましたね。紙もですが、Webメディアの制作も常に「予算」が前提にあって記事単価が限られていました。なので、マーケティング予算、広告費用を使う世界は新鮮でした。
— それは嬉しい驚きですね! 反対に、苦労したことはなんですか?
業界やジャンルの幅が広いことでしょうか。マーケティング知識のインプットは常に必要ですし、クライアントの事業やサービスへの理解も求められます。
プロジェクトが同時進行で続くことが多く、常に何かに追われていますね(笑)
— 「追われている」と言いながらも笑顔から充実感を感じます。今の仕事のやりがいは何ですか?
クライアントのパートナーとして働けることです。クライアントが求めていることに戦略設計から入るので、成果が出る時は非常に嬉しいですね。紙媒体と比べ、Webは成果が数字としてすぐにわかるのでそれも刺激になります。
Webマーケティングは今後さらに求められる
— 最後に、これから未経験で転職したいと考えている人へメッセージをいただけますか?
Webマーケティングは需要に対してまだまだ供給は足りていません。周りからも同じように聞きますね。
僕はSEOに特化した事業に関わっていますが、Web広告も今後さらに求められると思います。ユーザーが求めている時にそっと出してくれるような、Web広告の最適化は進んでいくのではないでしょうか。
今は「1企業1インハウスエディター」とも言われており、多くの企業や業界で求められる仕事だと思います。ぜひ多くの人に興味を持ってもらいたいですね。
— 未経験からのWebマーケター転職、多くの方にチャレンジしていただきたいですね。本日はありがとうございました!