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Z世代が使うSNS
電車での移動中や隙間時間などについ開いてしまうSNSアプリ。一日で一度もSNSを使わないという人は少ないのでは?
しかし、どのようなSNSを使っているかは、人や世代によって少しずつ差があるように感じます。
インターネットと共に成長してきたZ世代の間では、どのようなツールが使われているのでしょうか。今回は、筆者とその周りの意見を基に、Z世代の間でよく使われている特徴的なSNS・アプリを4つ紹介します。
Z世代が使ってるSNS・アプリ4選
SnapChat
SnapChatはスナチャと呼ばれ、留学経験者や海外好きの友達の間で広まっています。
最大の特徴は、相手に送ったテキストは24時間で自動的に削除され、画像や動画は相手が既読をつけた瞬間に削除されることです。メッセージが一定期間で削除されるという仕様や、拡散される機能がないことなどから、気軽に素の自分をさらけ出せるという安心感があります。

また、フィルターの種類が豊富で、顔がほとんど見えないものやユーモラスなものが多くあります。自分を可愛く演出するというよりも、とにかく撮って送るコミュニケーション重視の使い方で広まっています。
さらに、送り先をその都度選ぶことができるので、バイト先の友達と遊んでいるときは他のバイト先のメンバーだけに送ったり、撮った写真が盛れていたら先輩も送り先に含めたりなどと、その時々によってカスタムしています。
BeReal
BeRealとSnapchatは似ていますが、いくつかの違いがあります。
Snapchatでは、面白いフィルターを使って相互のコミュニケーションを取ることがメインですが、BeRealにはそもそもフィルターが存在しません。ありのままの自分の姿を写真で撮って送ります。また、BeRealは、一日に一回必ずアプリから通知が届き、通知が届いたら2分以内に内カメラと外カメラの両方で写真を撮って投稿しなければなりません。こうした制限によって「盛れなくてもしょうがない」「急いでたんだからこんなもんだよね」となるので、写真を送るハードルが下がっている気がします。

BeRealはコミュニケーションを取って仲を深めていくツールというよりも、お互いのリアルな生活を共有することで、共感し合い、リアルなつながりを感じるツールといった側面が強いように感じます。
可愛くていつも完璧な友達がBeRealで半目の写真を送ってきたり笑、意外とみんなおしゃれなカフェばかりに行ってるわけじゃないんだなと安心したり、そういった側面をBeRealを通じて知ることで、より仲良くなれるような気がします。
RED(小紅書)

REDは中国発のSNSで、おしゃれ好きな女の子の間で特に流行っています。中国語では小紅書(シャオホンシュウ/シャオホンシュー)という名前です。イメージとしては中国版のInstagramといった感じで、ライフスタイル系の情報はなんでも発信されているのですが、主にメイクやネイル、ファッションの情報収集をするために使っています。
Z世代の、特に女の子の間では「オルチャン(韓国美女)」に続く美女の概念として「ワンホン(中国美女)」という概念が流行っていて、その情報を得るためにREDを活用しています。
使い方は基本的にInstagramと同じで、情報収集をしたいときはタグ検索をします。この場合のタグは中国語(簡体字)で調べなければならないので、いいタグを見つけたら友達同士で教え合ったりしています。
実際に活用するときは、サロンへ行く前やショッピングの前が多いです。例えば、ネイルサロンや美容室に行く前は画像検索をして理想のイメージを固めてから行くのですが、お姉さんな感じを出したかったりワンホンイメージのデザインにしたいときはREDで検索をして参考にしています。

PinterestもREDと同じように、画像で情報を得るために使っています。
Pinterestの方は男女関係なくインストールしているのが特徴です。世界的に使われているアプリなので、検索結果も幅広いのが特徴です。
私は、部屋の模様替えをしたいときやランチのアイデアを確認したいときに使っています。ぱっと見で知りたいアイデアについての画像が一覧で表示されるので、直感的かつ効率的だと感じます。
また、ユーザー同士でピンを共有したりコメントし合ったりできるので、イメージを友人同士で共有できるのが便利だと感じています。
若者が選ぶSNS・アプリの特徴
上記で見たSNS・アプリの共通点として、画像や動画などの要素が必ず入っていることと、親しい友達だけの特別感のあるコミュニケーションがあることに気づきました。
下記でそれぞれ解説していきます。
ビジュアルイメージ(画像)特化
写真や動画を送りあったり、情報収集を画像で行ったりと、ビジュアルイメージが機能の中心に据えられているとZ世代の間で使われやすいように感じました。
理由としては単純に、画像で見る方が簡単で分かりやすいからかなと思います。
画像を送るだけなら、文章を考えてテキストに打ち込んだり、文脈を考えて話を続けたりする手間がないし、さらに文脈に沿っていない話題でも違和感なく受け入れられる気がします。例えば、LINEで急に「雨だからテンション下がるね」と送ると違和感がありますが、傘をさしている自撮りに「あめだるい」とテキストを入れて送るとすんなり受け入れられます。
このように、テキストだけより写真と一緒の方が雑談をしやすい、コミュニケーションのハードルが下がるというのはあるかなと思います。
また、何かを探す時も、画像の方が直感的にわかりやすいですし、一目見て入ってくる情報量が多いです。何かを比較したい際に、検索結果が文章だと、一つずつページを開いてタブを移動しなければならないのに対し、画像だと一覧で出てくるので比較しやすいというのもあります。
コミュニケーション重視
SNSを使ったコミュニケーションの取り方が、映える写真を撮ってアピールする形から、限られた友人だけに素の姿を見せる、という形にシフトしているのではないかなと感じました。
SnapChatもBeRealも一定時間の後に画像は削除されますし、ありのままを見せやすい、映えていない写真でも共有するハードルが低いと感じます。
さらに、共有する相手を選べるのも大きいです。
素の姿を見せるのは勇気がいりますし、そもそも自撮りを送るのもハードルが高いです。そんな中で、自撮りや近況をシェアし合える相手とはより仲良くなっていけるような気がします。
InstagramやX(Twitter)は?
Z世代はInstagramやXはもう使われていないのでしょうか。少なくとも筆者の周りではそんなことはありません。しかし、周りに話を聞くうちに、使い方が変化してきたなと感じました。
以下大きく3つにまとめてみました。
閲覧専用
InstagramやXを閲覧専用にしている子は筆者の周りでも多いです。
大勢に向けて発信するのであれば、映える写真を意識したり、ネットリテラシーに気を付けたりなどとハードルが高いため、閲覧専用にしてコンテンツを楽しむだけにとどめている人は多いようです。
完全に閲覧専用にしないまでも、投稿頻度を下げたり、特別な日にだけ投稿するという声も多く聞きました。
鍵アカ設定で親しい友達だけに発信
親しい友達とだけつながっているアカウントを非公開設定にして日常を発信する子が多いです。
例えば、ダイエットや自炊などの記録は不特定多数には見られたくないけど、誰かには見てもらわないとモチベーションが続かない、といったときに鍵アカウントなら親しい友人にしか見られないため気軽に投稿できます。
また、何でもない日常を投稿する際には具体的な地名やお店の名前が出たりするので、そういった個人情報を不特定多数に知られないためにも、少人数のフォロワーでアカウントを非公開設定にする人が多いです。
気心の知れた友人に雑談するようなイメージに近いです。
複数アカウントの使い分け
また、用途ごとにアカウントを分けている子も多いです。筆者の友人、特に女性は基本的に2~3個のアカウントを持っています。
サークルやバイト先の知り合いなど幅広い交友関係に使う本アカウントと、特に親しい友人とだけつながるサブアカウントを周りの友人は基本的に持っています。
それに加えて、推し活用のアカウントやペットの写真共有アカウントなどを持っている子もいます。
繋がり方によって見てほしい姿や知られたくない側面が違うので、それによってアカウントを使い分けている感じです。
まとめ
今回は、Z世代が使うアプリについて筆者と周りの友人たちの意見を元に紹介してきました。
上記のSNSやアプリを総合的に見て、Z世代の若者たちは限られた友人たちとの深いつながりを求めている傾向があるように感じました。インターネットの発達によって全世界に向けた発信が容易になったからこそ、限られた友人とのつながり、またその友人たちにしか見せられない姿を大切にしているのではないかと感じます。
今後は、世界に向けた発信よりも、自分の手が届く範囲に向けた発信がますます重要度を増していくのではないでしょうか。