Webマーケティングを進めたい人や企業を対象に、SNSを使ったマーケティングの基本知識を解説しています。この記事では、昨今若年層の間で人気が高い「Instagram(インスタグラム)」にフォーカス。広告サービスを中心に、その仕組みや活用メリットなどを分かりやすく説明します。
目次
マーケティングの観点から見たInstagram
現在、InstagramをWebマーケティングに活用する動きが多くの企業の間で広がっています。Instagramのプラットフォームは写真や動画がベースとなるため、テキストよりもヴィジュアルが重要視される飲食・ファッション・旅行業界などBtoC企業との親和性が高いとされています。また視覚に訴えるクリエイティブへの没入感が高いため、企業や商材の世界観を表わすブランディングに最適です。
また、10~30代の国内女性を対象に実施された「Instagramの投稿に対する購買意欲」の調査では、Instagramの投稿をきっかけに商品を購入したり、検索したりする人の割合が約70%に達したとのこと。今回の記事を参考に、是非ともSNSマーケティングに取り組んでみてはいかがでしょうか。
Instagramのユーザー数や年齢層
Meta社の発表によると、Instagramの国内マンスリーアクティブアカウント(MAA:1カ月の間に1回以上利用があるアカウント)の数は、2019年3月に約3,300万を突破。マーケティングプラットフォームとしての魅力は今後も増々高まるとみられています。
Instagramのユーザーは女性がほとんどを占めている印象がありますが、日本では男性ユーザーが43%、女性ユーザーが57%と、男性にも人気のSNSになっているようです。さらに、デイリーアクティブアカウント(DAA:1日の間に1回以上利用があるアカウント)の7割が「Stories(ストーリーズ)」を利用しており(2018年10月時点)、ユーザーがハッシュタグを検索する回数はグローバル平均の3倍に上るといいます(同年5月時点)。
アクティブユーザーの年齢別構成比については、15~24歳が約40%、25~34歳が約30%とする試算もあり、やはり若年層の利用者が多いことが伺えます。35歳以上の割合が3割程度であることを鑑みると、マーケティングのポテンシャルは若年層以外にもあるとみられます。
※ユーザー統計などについては以下のページも参考に
>>Instagramがお届けする最新情報
Instagram広告の種類
ここでは、Instagramで配信できる広告の種類や、そのメリットについてそれぞれ解説していきます。フィード広告やカルーセル広告、コレクション広告など、さまざまな広告の分類方法がありますが、この記事ではフィード・ストーリーズ・発見タブの配信面3軸に分けて説明します。
Instagram広告は、自社のアカウントをフォローしていないユーザーに対してもリーチができるためマーケティングに大きな効果が期待できます。また運用型広告であることから、広告主は自身で最適化を図ることが可能です。
※運用型広告については以下のページも参考に
>>運用型広告とは?~デジタルマーケティング初級編 ~
種類 | 画像広告 | 動画広告 |
---|---|---|
配信面 | フィード | フィード |
ストリーズ | ストリーズ | |
発見タブ | なし |
フィード広告
フィード広告とは、アップロードされたコンテンツが縦に並ぶフィード(アプリを開くと最初に表示される画面)上で、配信ができる広告です。画像または動画・説明文・遷移先ページの3つで構成されており、シンプルなデザインとなっています。
広告主は、複数の画像を掲載したり、動画を設定したり、ユーザーを設定ページに遷移させるCTA(Call To Action)ボタンのテキストを変更したりするなどして、ユーザーに興味関心を与えることが可能です。
ストーリーズ広告
ストーリーズ広告とは、その名の通りストーリーズに配信される広告のことを指します。フォローしているアカウントが投稿したストーリーズの間に広告が配信され、フルスクリーンで表示されるのが特徴です。また、画面下部にはCTAボタンが配置されており、広告主はユーザーを特定のページに誘導することが可能です。
ストーリーズ広告の強みは、何といっても全画面配信による没入感の大きさです。フィード広告とは異なり、広告主が設定した広告の画像や動画をフルスクリーンで十数秒配信できるため、ユーザーに強いインパクトを与えることができる仕様になっています。
発見タブ広告
「発見タブ」とは、自身がフォローしているアカウントや「いいね!」をした投稿などに基づいて、システムが画像や動画を表示するInstagramの機能です。左下部にある虫眼鏡のボタンをタップすると、パーソナライズされた一覧画面が表示。さらにコンテンツをタップすれば、その投稿と関連のある投稿画像や動画が現れる仕組みとなっています。
発見タブ広告は、発見タブに表示された関連画像や動画の間に配信される広告で、実装されて間もないInstagramの広告サービスです。発見タブの画像広告はフィード広告と似たフォーマットで表示され、動画広告は縦に並んだ関連動画コンテンツの間に配信される仕様となっています。
Instagramの広告料が決まる仕組み
Instagram広告の課金方式は、「クリック課金方式(CPC型)」、「インプレッション課金方式(CPM型」、「インストール課金方式(CPI型)」、「視聴課金方式(CPV型)」の4つです。
1回の課金当たりの単価については、出稿するシーズンや広告当てたいと考えるターゲットの属性、広告料の入札額などからシステムが自動で算出。広告料の内訳は課金された後に初めて広告主が把握できる仕組みになっているため、事前に金額を知ることはできません。
課金方式 | 課金の仕組み |
---|---|
CPC型 | 広告がクリックされる度に料金が発生する。 |
CPM型 | 広告が表示された回数(1,000単位)によって料金が発生する。 |
CPI型 | 商材のアプリがインストールされる度に料金が発生する。 |
CPV型 | ユーザーの動画再生アクションに応じて料金が発生する。 |
Instagram広告の導入~配信まで
ここからは、Instagram広告の導入から配信までの流れを「アカウントの作成」「出稿の設定」「広告の作成」の3ステップに分けて簡潔に解説します。尚、今回の記事は初心者を対象にしているため、プロセスやノウハウの詳細は割愛しています。
アカウントの作成
広告を出すには、基本的にFacebookとInstagramのアカウントが必要となります。また、Facebook社の「Facebookビジネスマネージャー」があると広告の管理が容易になるため、事前のアカウント作成をおすすめします。
また、Instagram広告の運用では基本的にFacebookとInstagramのアカウントをリンクさせる必要があります。まずはFacebookの「設定」メニューからInstagramにログイン。そしてInstagramの側から下部の手順でリンクを進めます。
(※プロフィールページを開く→メニューバーを開く→[設定]をタップ→[アカウント]をタップ→[リンク済みのアカウント]をタップ→[Facebook]を選択→[リンク]をタップしてアカウントにログインする)。
この他、ビジネスマネージャー上で「広告アカウント」を作成したり([ビジネス設定]→[広告アカウント] →「追加」→「新しい広告アカウントを作成」→広告アカウント名を記入)、広告料の支払い方法を登録したりするなど、いくつかの手続きが必要です。
出稿の設定(Facebookビジネスマネージャーを利用)
Instagramに広告を出すには、「キャンペーン」と「広告セット」の設定を行わなければなりません。これらの設定は広告を運用する上で重要なステップとなるため、きちんと理解しておきましょう。
1.キャンペーン
キャンペーンは、出稿目的を設定するためのセクションです。(ビジネスマネージャーを開き、[設定]→[広告マネージャ]→[+作成する]の順番に進み)ブランド認知度アップやコンバージョン、リーチ、トラフィック、動画の再生数アップなどから、出稿目的を選択して下さい。
2.広告セット
広告セットでは、[オーディエンス(誰に向けて配信するのか)]、[配置(どのプラットフォームで配信するのか)]、[予算と掲載期間(課金方式)]などの設定を行います。
オーディエンスでは下図の7項目をそれぞれ設定。配置では4項目(Facebook、・Instagram・Audience Network・Messenger)から配信プラットフォーム選択します。また予算と掲載期間では、課金形態(CPC・CPM・CPI・CPV)、1日に費やす広告予算、配信する期間などを細かく設定することが可能です。
オーディエンスの項目 | オーディエンスの設定内容 |
---|---|
カスタムオーディエンス | 集めた顧客データなどから特定のターゲットを設定できる |
地域 | 国や都道府県、市区町村などの設定が可能 |
年齢 | 1歳単位(13~65歳)で設定が可能 |
性別 | 男女どちらに配信するのかを設定する |
言語 | 特定の言語使用者(日本語や英語など)に設定できる |
詳細ターゲット設定 | アカウント情報や興味関心に基づいて設定する |
つながり | ターゲットをフォロワーなどに絞ることができる |
広告(クリエイティブ)の作成
クリエイティブの作成では、[アイデンティティ]、[形式]、[メディア]、[テキスト]の4項目を順番に設定します。
形式で、画像1枚のシンプルな広告にするのか、複数の画像を設定する広告(カルーセル型など)にするのか、または動画広告にするのかを選択。メディアでは、広告に活用する画像や動画のアップロードを行います。尚、Instagram広告では、画像内に2割以上テキストをいれてはならない規則があります。なるべくテキストの少ない画像をアップロードするように心がけましょう。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
アイデンティティ | 広告名と、広告に表示されるアカウントを決める |
形式 | 広告の種類(画像広告または動画広告)を選択する |
メディア | 配信する画像や動画を選択する |
テキスト | 配信するテキストや遷移先URLなどを設定する |
(画像一枚のシンプルなフィード広告を作成する場合)テキストの項目では、1.メインテキスト、2.見出し、3.ニュースフィードリンク説明文、4.アクションの4項目を決める必要あります。
メインテキストには、Instagramアカウントの下に表示させるテキストを入力(必須)。また、広告から遷移させたいWebサイトがある場合、そのURLを追加して設定することが可能です。次に、見出しとニュースフィードリンク説明を追記(任意)。最後に、「インストール」や「申し込み」などからCTAボタンのテキストを選択すれば、おおよそ設定の完了します。
弊社のWeb広告サービスについて
Instagramの広告に関する理解は深まりましたでしょうか。今回は初心者マーケターを対象に、Instagramのマーケティング効果や広告の仕組みについて解説してきました。これらはほんの障りの部分であるため、実際効果を発揮するにはより深い理解が必要です。
株式会社Hagakureでは、マーケティングの初心者らを対象にWeb広告などのノウハウを学べる動画コンテンツ「デジプロ」を提供しています。その他、無料個別相談会やWeb広告の運用代行なども行っています。是非、この機会にサービスの利用を考えてみて下さい。