CPMとは?メリット・デメリット、CPCとの違いについて

CPMとは、Cost Per Milleの頭文字を取った単語で、直訳すると「1,000インプレッションあたりのコスト」という意味になります。1,000インプレッションごとに費用が発生する課金方法です。特定の回数(1,000回)ごとに課金されることや、この課金方法を選択した場合、表示回数が最大になるように最適化されるという観点から、ブランド認知度の向上やリーチの拡大を目指すキャンペーンに最適です。

  • CPMとは
  • CPMのメリット
  • CPMのデメリット
  • CPMとCPCを使い分けるポイント
  • CPMを活用するベストプラクティス
  • まとめ
2024年09月18日 2024年09月18日
楓 真瀬莉

CPMとは、広告キャンペーンの課金方法の一つで、認知度向上などの広範なリーチを必要とする広告キャンペーンによく使われます。

CPM課金は広範なユーザーにリーチすることができ、予算のコントロールも容易ですが、無駄なインプレッションが発生するなど予算が無駄になる可能性があることも指摘されています。しかし、いくつかのポイントを抑えることでそれらのリスクを最小限に抑え、メリットを最大限活用することができます。

この記事では、CPMの基本的な知識やCPCとの違い、効果的な活用方法などを解説しています。

CPMとは

CPMはCost Per Milleの頭文字を取った単語で、直訳すると「1,000インプレッションあたりのコスト」という意味になります。デジタルマーケティングの文脈において、CPMはWeb広告が1000回表示されるごとにかかる費用という意味で使われます。

日本語ではインプレッション単価と呼ばれることもあります。

この課金方式は、特にブランド認知度を高めることを目的としたキャンペーンに適しています。

仕組み

CPM課金方式では、広告が1,000回表示されるごとに広告主が設定した金額が課金されます。広告の表示回数が増えると、より多くのユーザーにリーチすることができ、ブランドや商品の認知度を高めることができます。以下のステップでCPMが機能します。

  1. 広告設定(入札):広告入稿前の設定の段階で広告主はCPM入札額を設定します。具体的には、課金方法としてCPMを選択するとともに1,000インプレッションあたりの希望単価も設定します。

  2. 広告配信:設定に基づいて、広告プラットフォームは適切な広告枠に対してオークションを行い、最適な広告を表示します。オークションでは、ターゲティングの精度やクリエイティブの品質も評価されるため、単に高いCPMを提示すれば必ずしも表示されるわけではないことに注意が必要です。

  3. インプレッションが付く:広告がユーザーの画面に表示されると、1回のインプレッションがカウントされます。インプレッションは広告がユーザーに認識されるか否かに関わらず、広告が画面上に配信された際にカウントされます。

  4. 課金:1,000インプレッションごとに設定されたCPM入札額が広告主に課金されます。たとえば、CPMが500円に設定されている場合、広告が1,000回表示されると500円が課金されます。

CPMとCPCの違い

CPMとよく混同されるのがCPC(Cost Per Click)です。語感は似ていますが、これらは異なる課金方式です。

CPMは表示回数を基準に課金額が決定されるのに対し、CPCはクリック回数を基準に課金額が決定されます。また、CPMは1,000回ごとに課金されていくという点も異なります。

さらに、CPM課金は主にブランド認知度を高めるために利用され、CPC課金は直接的なクリック数やコンバージョンを目的としたキャンペーンで選択されることが多いです。

CPMは広範なリーチを目指す場合に有効であり、CPCはコンバージョンが目的の場合に適しています。

CPMのメリット

ここからは、CPM課金方式を選択することで得られるメリットについて解説していきます。

予算管理がしやすい

CPM課金方式の最大のメリットは、予算管理が簡単だという点です。

これは、CPMが表示回数1,000回あたりの固定費用で計算されるからです。

広告主はあらかじめCPM単価を設定し、予算に基づいて広告の表示回数を計画することができます。インプレッションごとに費用が決まっており、それも1,000回ごとに課金されていくため、予想外の費用が発生するリスクを最小限に抑えることができます。特に長期的なキャンペーンでは、予算を安定的に管理できる点が非常に魅力的です。

たとえば、1か月間で10,000インプレッションを目指す場合、CPMが500円なら予算は5,000円になります。

これにより、広告主は費用の予測を付けやすく、予算を確実にコントロールしながらキャンペーンを進行することができます。

クリック単価を抑えられる

CPMはクリックを基準としないため、クリック単価(CPC)を抑えることができるという点もメリットです。

高いインプレッション数が見込めるキャンペーンでは、クリック数も多くなる傾向にあるため、結果的に1クリックあたりのコストが低く抑えられる可能性があります。

CPM課金方式では広告表示による費用をコントロールしやすいため、設定や調整次第では他の課金方式に比べてコストパフォーマンスが高くなることがあります。

認知拡大に最適

CPM課金は、ブランドや商品の認知度を高めるためのキャンペーンに最適です。

広範囲のユーザーに対して広告を表示させることができるため、ブランドの存在感を広範囲にアピールすることができ、短期間でのブランド認知拡大が可能です。テレビやラジオなどの伝統的なマスメディア広告に近い効果を、デジタル環境でも実現できる点が大きな魅力です。

特に、製品やサービスの認知度を高めたい新規企業や、新製品のプロモーションを行う場合は非常に効果的です。広告が多くの人に表示されることで、「見たことがある」「知っている」と感じてもらえる機会が増え、コンバージョンに繋がりやすくなります。

CPMのデメリット

次に、デメリットについてお伝えします。

予想される主なデメリットをあらかじめ把握しておくことで、問題が起きた際に対処できたり、問題が起きることを事前に防ぐことができるようになります。

コンバージョンの予測が難しい

CPM課金方式は、インプレッション数に基づいて課金されるため、実際に広告をクリックしたり、購入に至るコンバージョンを予測するのが難しいというデメリットがあります。

広告が表示されるだけでは、ユーザーが必ずしも商品やサービスに興味を持つとは限りません。このため、広告が大量に表示されてもコンバージョン率が低い場合、結果的にROI(投資対効果)が悪くなる可能性があります。

認知度向上のためのキャンペーンにはCPMが向いていますが、コンバージョンを重視するキャンペーンでは、CPMよりもCPCやCPA(Cost Per Acquisition)といった課金方式の方が効果的な場合があります。

無駄なインプレッションのリスク

CPM課金方式では、広告が表示されるたびに費用が発生するため、ターゲットではないユーザーへの広告表示にも費用が発生します。そのため適切なターゲティングを行わないと、無駄なインプレッションが発生し、費用対効果が低下するリスクがあります。

広範囲に広告を配信する際は特に、自社の商品やサービスに興味を持たないユーザーに対しても広告が表示される場合があります。これにより、無駄な費用がかかるだけでなく、期待する結果が得られない可能性があります。

CPM課金方式を選択する場合は、ターゲティング設定を適切に行い、パフォーマンスを確認しながら調整することが必要となります。

CPMとCPCを使い分けるポイント

CPMとCPCを使い分けるポイントは、キャンペーンの目的です。

キャンペーンの目的を何に設定するかによって課金方式を使分けるようにしましょう。

具体的には、先ほどお伝えした通りブランド認知度を高めたい場合や広範囲なリーチを狙う場合はCPMが適しています。一方、クリック数やコンバージョンを重視する場合はCPCが効果的です。

キャンペーンの目的に応じて最適な課金方式を選択することで、成果を上げやすくなりますし、調整も容易になります。

CPMを活用するベストプラクティス

広告設定の際にCPM課金方式を選択した場合、どのような点に気を付けたら効果が最大化されるのか解説していきます。

実際に運用するうえで適宜設定を調整する必要がありますが、何から手を付けていいのか分からない場合などは、以下の方法を参考にしてください。

ターゲットを明確化する

CPMキャンペーンを成功させるためには、ターゲットオーディエンスを明確に定義することが重要です。

CPM課金方式を選択する場合のキャンペーンでは、広範なユーザーにリーチすることを目的にしている場合が多いので、その分ターゲット層からずれたユーザーに広告が表示される可能性が高くなるからです。

まずは、ユーザーの属性、興味・関心、行動パターンなどを詳細に分析し、ターゲットプロファイルやペルソナを作成しましょう。その後、明確化されたユーザー像を基にターゲティング設定を詳細に行います。

こうすることで、CPM課金方式を使うことで考えられるリスクを最小限に抑えることができます。

フリークエンシー設定をする

フリークエンシーキャップを設定することもCPMでは重要になります。

フリークエンシーを設定することで、ユーザーに対する広告接触頻度をコントロールすることができます。文字だけ見ると難しく感じますが、フリークエンシーの設定とは一定の期間において広告の表示は一人何回まで、と制限することを指します。

CPMは同一ユーザーかどうかに関わらずインプレッション数をカウントするため、フリークエンシーを設定しないとインプレッション数とかかる費用は増えているのに数人のユーザーにしかリーチできていないといった事態が起こり得ます。フリークエンシーを設定することで、同じユーザーに過剰な広告表示を避け、広告疲れを防ぐことができるのです。

適切なフリークエンシー設定は、ユーザーのエンゲージメントを維持し、広告の効果を最大化するのに役立ちます。

動画を活用する

CPMで成果を上げるというと、広告を見た人の記憶に残ることやインプレッションが増えた分だけクリックやコンバージョンに繋げることなどが挙げられます。そのためには、広告のクリエイティブに動画を活用することが効果的です。

動画広告は、静止画やテキスト広告に比べて、視覚的に訴求力が高いのが特徴です。ユーザーの目に留まりやすく、商品やサービスの特徴を短時間で伝えることができるため、CPM課金方式を採用するキャンペーンにおいて、多くのユーザーに効果的にアプローチできます。

また、動画広告では、動きや音を活用してユーザーの感情に訴えることができるため、記憶に残りやすいという利点もあります。

これにより、単に広告が表示されるだけでなく、ユーザーに印象を残し、コンバージョンにつなげることができるようになります。

配信面の選定

また、広告が表示される配信面を吟味して適切なものを選ぶことも重要です。

どのメディアやプラットフォームに広告を表示させるかによって、同じ広告でもその効果は大きく変わります。高トラフィックで信頼性のあるサイトやアプリに広告を配信することで、より効果的なインプレッションを獲得できます。例えば、広告を表示するウェブサイトやアプリのユーザー層が、自社商品やサービスのターゲット層と一致している場合、広告のリーチ効果が向上し、無駄なインプレッションを減らすことができます。

逆に、ターゲット層と異なるユーザーに広告が表示されると、CPM課金方式では広告が表示されるたびに費用が発生するため、効果が出ないにもかかわらずコストがかさむリスクが高まります。そのため、配信面の選定は、ターゲットの明確化と並んで広告キャンペーンの効果を左右する重要な要素となります。

まとめ

CPMとは、1,000インプレッションごとに費用が発生する課金方法です。

特定の回数(1,000回)ごとに課金されることや、この課金方法を選択した場合、表示回数が最大になるように最適化されるという観点から、ブランド認知度の向上やリーチの拡大を目指すキャンペーンに最適です。

デメリットとしては、コンバージョンの予測が難しいことや無駄なインプレッションが発生する可能性がることなどが挙げられます。

これらを防ぎ、効果を最大化するためにはターゲットや配信面の設定を適切に行うこと、フリークエンシーを設定すること、クリエイティブに動画を活用することなどが重要です。

これらの点を抑えて、CPMの特徴を活かしたキャンペーンを行えるようにしましょう。

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