ディスプレイ広告のターゲティング種類と使い分けるポイント

ディスプレイ広告のターゲティングとは、ユーザーの属性や行動に基づいて広告を表示する場所やユーザーを絞り込む設定です。広告配信プラットフォームによって様々なターゲティング手法が提供されています。ターゲット設定を適切に行うことにより広告の関連性が高まり、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。

  • ディスプレイ広告のターゲティングとは
  • Googleディスプレイ広告のターゲティング種類
  • Yahoo!ディスプレイ広告のターゲティング種類
  • ディスプレイ広告のターゲティング種類の使い分け方
  • まとめ
2024年09月18日 2024年09月18日
楓 真瀬莉

ディスプレイ広告のターゲティングは、広告で成果を上げるために必ず押さえておきたいポイントです。

広告配信プラットフォームによって様々なターゲティング手法が提供されていますが、マーケティング施策においてターゲティングをどのように扱うか、どのように使い分けるかといった考え方には共通している部分が多々あります。

基本的な考え方を理解することで、広告配信プラットフォームのアップデートなどがあっても柔軟に対応してターゲティング設定を使いこなせるようになります。

この記事では、ターゲティングの仕組みや手順、使い分け方法のほかに、主要広告配信プラットフォームにおける各ターゲティングの解説も行っています。

ディスプレイ広告のターゲティングとは

ディスプレイ広告のターゲティングとは、ユーザーの属性や行動に基づいて広告を表示する場所やユーザーを絞り込む設定です。

Googleディスプレイネットワーク(GDN)やYahoo! ディスプレイアドネットワーク(YDA)などの広告配信プラットフォームを利用することで、広告主はバナー広告やテキスト広告を効率的に配信することができます。また、広告の配信の際に、それぞれの広告配信プラットフォームでサポートされているターゲット設定を行うことで、特定のユーザーに広告を配信し、関心を引きやすくします。

ターゲット設定を適切に行うことにより広告の関連性が高まり、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。

仕組み

ディスプレイ広告のターゲティングはいずれの広告配信プラットフォームにおいても、大まかに以下のステップで機能します。

  1. ターゲティング設定:広告主がターゲットとするユーザー属性(年齢、性別、興味・関心など)や行動(サイト訪問履歴、購入履歴など)を設定します。
  2. 広告配信:広告プラットフォームが、設定されたターゲットに基づいて広告を配信します。
  3. データ収集と分析:広告のインプレッション、クリック数、コンバージョン数などのデータを収集し、ターゲティング効果を分析します。
  4. 最適化:収集したデータを基に、ターゲティング設定や広告クリエイティブを調整し、広告キャンペーンのパフォーマンスを向上させます。

Googleディスプレイ広告のターゲティング種類

GDNでは、配信面を絞るターゲティング手法が3つ、ユーザーを絞るターゲティング手法が3つサポートいます。以下でそれぞれ詳しく解説していきます。

トピックターゲティング

トピックターゲティングは、配信面のターゲティングの一つです。GDNが用意しているトピックから広告キャンペーンに合ったものを選択し、選択したトピックに関連するWebサイトやページに広告を表示することができます。広告の内容に関連するトピックを設定することで、興味を持つユーザーに広告を配信できます。

配信面のターゲティングの中では、最も広い範囲にリーチすることができるターゲティング手法です。

コンテンツターゲティング

コンテンツターゲティングも、配信面のターゲティングです。登録したキーワードに関連する媒体に広告を配信することができます。

トピックターゲティングは用意されたトピックの中から選択する形でしたが、このコンテンツターゲティングでは、自身で自由にキーワードを設定することができます。キーワードに基づいて広告を表示するため、より詳細に特定の興味・関心を持つユーザーにリーチできます。

これにより、ユーザーが興味を持つコンテンツに広告を表示できます。

プレースメントターゲティング

プレースメントターゲティングも、配信面のターゲティングの一つで、この中では最も狭い範囲にリーチします。具体的には、広告を表示する特定のWebサイトやアプリを指定して広告を配信します。

広告を表示したい特定のサイトやアプリを選択し、そこに広告を掲載することで、ターゲットに効果的にリーチすることができます。自社の広告配信に最適なWebサイトやモバイルアプリを指定することで広告の関連性が高まり、広告キャンペーンを最適化することができます。

また広告主は、自社のターゲット層が多く訪れるサイトを選定することで、効率的にリーチを拡大できます。

インタレストカテゴリ

インタレストカテゴリは、人のターゲティングです。ユーザーのオンライン行動や閲覧履歴、興味・関心に基づいて広告を配信します。

このターゲティングには、自身で設定したカテゴリに対して興味があるユーザーに広くリーチする設定や購買意欲の強いユーザーに絞って広告を配信する設定、すべて手動でカスタムできる設定などが用意されています。自社の戦略に基づいて最適な設定を活用することができます。

これにより、自社の戦略に基づいて、狙ったユーザーに高い精度で広告を表示することができます。

ユーザー属性

ユーザー属性ターゲティングも人のターゲティングの一種で、年齢、性別、地域などのデモグラフィック情報に基づいて広告を配信します。

ターゲットオーディエンスの特性に合わせて広告を配信し、特定の属性を持つユーザーにリーチできます。

リターゲティング

リターゲティングも人のターゲティングの一種です。一度自社のWebサイトを訪れたユーザーに対して再度広告を配信する手法です。関心を示したユーザーに再度アプローチし、コンバージョン率を向上させます。

サイト内のどのページに訪れたユーザーなのか、どの期間に訪れたユーザーなのかといった、細かい設定が可能です。

これにより買い忘れや登録し忘れなどが減ったり、ブランド想起率が上がるため、コンバージョン率の向上が期待できます。

Yahoo!ディスプレイ広告のターゲティング種類

YDAでは、配信面を絞るターゲティング手法が3つ、ユーザーを絞るターゲティング手法が5つサポートされています。

以下でそれぞれ詳しく解説していきます。

サイトカテゴリ

サイトカテゴリターゲティングは、配信面を指定する「配信面のターゲティング」の一種で、特定のカテゴリーに分類されたWebサイトに広告を配信する手法です。

任意のカテゴリを選択し、そのカテゴリに属するWebサイトに広告を配信するため、特定のジャンルに関心を持つユーザーにリーチできます。

これにより、広告との関連性が高いサイトに広告を出稿することができ、そのカテゴリに対して興味関心を持っているユーザーに対して広告を表示することができます。

コンテンツキーワード

コンテンツキーワードターゲティングは、指定したキーワードと関連性の高いサイトに広告を配信する方法です。YDAがキーワードに基づいてコンテンツを解析し、関連するWebサイトやアプリに広告を配信する仕組みです。

例えば、ニュースサイトの中でも設定したキーワードに関連のある記事のページのみに広告を出稿することができます。このような使い方をすることで、特定のトピックに関心を持つユーザーにリーチできます。

ユーザーが閲覧しているコンテンツのキーワードに一致する広告を表示することで、関連性を高めることができます。

プレイスメント

プレイスメントターゲティングは、特定のWebサイトやアプリを指定して広告を配信する方法です。配信面のターゲティングの中では、もっとも配信面を絞ったターゲティングになります。

自社のターゲットユーザーや潜在顧客がよく訪れるサイトを分析し、そのサイトに絞って広告を配信します。

これにより、ターゲット外のユーザーへの無駄な広告配信が減り、ターゲットユーザーに対して効果的にリーチすることができます。

オーディエンスリスト(旧:オーディエンスカテゴリ)

オーディエンスリストターゲティングは人のターゲティングの一種で、ユーザーの興味・関心などオンライン行動に基づいて広告を配信する方法です。

広告掲載媒体であるYDAがユーザーの過去の行動データを基にグループを作成しており、広告主はそのグループの中から任意のものを選択して、そのグループに向けて広告を配信することができます。また、オーディエンスカテゴリは2023年10月に提供を終了し、オーディエンスリストターゲティングに統合されました。それに伴い、広告主も手動で任意のリストを作成できるようになりました。

現在は、広告主が作成する「オーディエンス」と、YDAが提供する「共通オーディエンス」の2種類のリストを使用することができます。

興味・関心に基づいてターゲティングを行うため、ユーザーに関連性の高い広告を表示することができます。

デモグラフィック

デモグラフィックターゲティングは、年齢、性別、地域などのユーザー属性に基づいて広告を配信する方法です。

ターゲットオーディエンスの特性に合わせて広告を配信することができます。

特定の属性を持つユーザーに対して広告を配信することで、効果的なマーケティングが可能となります。

サーチキーワードターゲティング

サーチキーワードターゲティングは、ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに基づいて広告を配信する方法です。

特定のキーワードについて、検索した回数や期間の指定などの細かい設定も可能です。検索行動を取ったユーザーに対して、関連性の高い広告を表示します。

これにより、特定の検索意図を持つユーザーに対してピンポイントにリーチすることができます。

サイトリターゲティング

サイトリターゲティングは、過去に自社のWebサイトを訪れたことがあるユーザーに対して再度広告を配信する方法です。

何日以内の訪問か(リーセンシー)、サイト内のどのページに訪れた人か(階層)などを設定することが可能です。

関心を示したユーザーに再度アプローチし、コンバージョン率を向上させます。またこれにより、再訪問や購入を促進することができます。

類似ユーザー配信

類似ユーザー配信は、既存の顧客データを基に、同様の特徴を持つ新規ユーザーに対して広告を配信する方法です。

例えば、自社サイト内でコンバージョンに至ったユーザーの傾向として、20代男性で「YDA」というキーワードの検索履歴があるという特徴があるとします。その場合、自社サイトに訪問したことのない20代男性で「YDA」という検索履歴がある人に対して広告を表示することでクリックの可能性が高まります。

これにより、新たな見込み客を効果的に発掘することができます。

ディスプレイ広告のターゲティング種類の使い分け方

ここからは、上記で解説したターゲティング手法をどのように使い分けたらよいのかについて解説していきます。

基本的には、上の図にあるようなファネルごとにコンバージョンまでのフェーズを区切って考えていきます。

潜在層がターゲット

まず最初は、ファネルの一番上の潜在層についてです。このフェーズにいるユーザーは、商品やサービス自体は認知しているが、コンバージョンを考えるまでには至っていないというユーザーです。商品やサービスの認知はしているので、認知層と言われることもあります。

認知層に対しては、トピックターゲティングやインタレストカテゴリターゲティングが効果的です。

トピックターゲティングで認知を広げたり、繰り返し広告を配信することで確実に商品やサービスを覚えてもらうことができます。また、インタレストカテゴリなどの既に興味関心を持っているユーザーに対する広告配信では、商品やサービスの具体的な訴求ポイントや使うことでのメリットを伝える広告を届けることで、商品の購入を検討してもらえるよう促します。

検討層がターゲット

その次の検討層のユーザーは、他の選択肢と比較しながら実際の商品やサービスの購入を検討しています。

検討層に対しては、類似ユーザー配信やカスタムオーディエンスターゲティングが効果的です。

既に購入履歴のあるユーザーと類似したユーザー層に広告を届けることで、コンバージョンに至る可能性が高くなります。また、カスタムオーディエンスなどを使って、比較ガイドや既存顧客のレビュー、デモンストレーション、無料サンプルの配布などを行います。自社の商品やサービスを選ぶ理由を明確にし、競合他社との差別化を図ることで検討を終わらせ、確実にコンバージョンに進んでもらえるよう促します。

自社製品の優位性を示し、購入意欲を高めることがこの段階のユーザーに対する広告の役割です。

コンバージョンを狙う

最後が顕在層です。この層のユーザーはコンバージョンの手前にいます。

コンバージョンを狙う段階では、リターゲティングが最も効果的です。

リターゲティングやカスタムオーディエンスなどを使って、購入意思の強いユーザーに向けて広告を配信します。この場合の広告は、購入手続きが簡単であることを伝えたり、今購入することでメリットがあることなどを伝えるものが特に効果的です。

顧客の意思決定を促し、購入を確実に完了させることや顧客満足度を高めることがこの段階での目標です。

まとめ

ディスプレイ広告のターゲティングは、使用する広告配信プラットフォームによって様々な種類のものが用意されています。

ターゲティングの種類が異なる場合でも、ターゲティング設定を行い、広告を配信、パフォーマンスの分析を行いながら最適化していくという流れは同じです。

また、ターゲティングの使い分けについては、潜在層のユーザーに対しては商品やサービスに対する興味や関心をより確かなものにして購入を検討してもらうことを目標に、検討層のユーザーに対しては他社と比べて自社製品の優位性を示し購入意欲を高めることを目標に、顕在層のユーザーに対しては顧客の意思決定を促し、購入を確実に完了させることを目標にターゲティング戦略を立てると効果的です。

これらの知識を使って、効果的な成果が挙げられるように取り組んでいきましょう。

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