Pinterestは、ユーザーが生活のあらゆる場面におけるアイデアやインスピレーションを発見・保存するためのビジュアル探索エンジンです。既存の広告チャネルの効果が頭打ちになる中、特にビジュアル訴求が重要な商材を扱うマーケティング担当者にとって、新たな顧客接点となるプラットフォームの開拓は急務となっています。この記事では、Pinterestの基本的な仕組みから、他のSNSとの違い、具体的なマーケティング活用法、そして成功に向けたポイントまでを網羅的に解説します。
目次
Pinterestとは?「発見」を促すビジュアル探索エンジン
Pinterestは、一般的にSNSとして認識されることもありますが、その本質は「ビジュアル探索エンジン」です。ユーザーは「ピン」と呼ばれる画像や動画を自身の「ボード」に保存・整理することで、将来の購買や行動計画のためのアイデアを集めます。
例えば、「北欧 インテリア」や「春 ファッション コーデ」といったキーワードで検索すると、関連する無数の画像(ピン)が表示されます。ユーザーは気に入ったピンを自分の「インテリア」や「ファッション」といったボードに保存し、自分だけのアイデアブックを作成していきます。
この「未来の計画のためにアイデアを探す」というユーザー行動が、他のSNSとの大きな違いであり、マーケティングにおいて重要なポイントです。
1. Pinterestの主要な用語
Pinterestを理解する上で、まずは基本的な用語を把握することが重要です。
- ピン (Pin): Pinterest上に投稿される画像や動画コンテンツのことです。各ピンには、説明文やリンク先URLを設定でき、ユーザーを自社サイトへ誘導する役割を持ちます。
- ボード (Board): ピンをテーマごとに整理・保存するための場所です。ユーザーは「キッチンのレシピ」「旅行の計画」など、自分の興味関心に合わせて自由にボードを作成できます。企業アカウントでは、商品カテゴリやブランドの世界観を伝えるテーマでボードを作成します。
- リピン (Repin): 他のユーザーのピンを自分のボードに保存する行為です。リピンによって情報は拡散され、より多くのユーザーにコンテンツが届きます。
- プロモートピン (Promoted Pin): Pinterest広告のことです。通常のピンと同様の形式で、ユーザーのフィードや検索結果に表示されます。ターゲティング機能を活用し、特定の興味関心を持つユーザー層にアプローチできます。
2. Instagramとの違い
ビジュアルが中心という点で、PinterestはInstagramと比較されることがよくあります。しかし、両者はユーザーの利用目的やプラットフォームの特性が大きく異なります。マーケティング施策を検討する上では、この違いを正確に理解しておく必要があります。
| 比較項目 | ||
|---|---|---|
| プラットフォームの性質 | ビジュアル探索エンジン | SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) |
| 主な利用目的 | 未来の計画、アイデア探し、購買検討 | 現在の共有、コミュニケーション、自己表現 |
| コンテンツの方向性 | 「これからやりたいこと」の発見 | 「今やっていること」の記録・共有 |
| ユーザーの心理状態 | 計画的、探索的、購買意欲が高い | 受動的、交流的、共感を求める |
| 外部リンクへの誘導 | 全てのピンに設定可能で、送客に強い | プロフィール欄やストーリーズなど一部に限定 |
| コンテンツの寿命 | 長い(数ヶ月〜数年後も検索される) | 短い(フィードで数時間〜数日で流れる) |
| 拡散の仕組み | リピン(情報の再整理・保存) | いいね、コメント、シェア(共感の拡散) |
このように、Instagramが「過去〜現在」の体験を共有する場であるのに対し、Pinterestは「未来」の行動のためにアイデアを探すプラットフォームです。ユーザーは明確な目的を持って情報を探索しているため、購買意欲が高い状態で商品やサービスに接触する可能性が高いのです。
なぜ今、マーケティングでPinterestが重要視されるのか

GoogleやMeta(Facebook/Instagram)といった主要な広告プラットフォームでの競争が激化し、CPA(顧客獲得単価)が高騰する中、多くの企業が新たなマーケティングチャネルを模索しています。その中で、Pinterestが注目される背景には、いくつかの明確な理由があります。
1. 購買ファネルの多様な段階にアプローチ可能
ユーザーはPinterestを「アイデア探し」から「具体的な商品比較」まで、購買に至るさまざまな段階で利用します。例えば、家を建てようと考えているユーザーは、まず「リビング デザイン」といった広いキーワードで情報収集を始め、徐々に「ソファ 北欧 ブランド」「無垢材 ダイニングテーブル」といった具体的なキーワードで商品を絞り込んでいきます。
企業は、それぞれの段階に合わせたコンテンツ(ピン)を用意することで、認知獲得から購買決定まで、顧客の意思決定プロセスに継続的に寄り添うことが可能です。
2. コンテンツが資産として蓄積される
TwitterやInstagramの投稿は、数時間から数日でタイムラインから流れてしまいますが、Pinterestのピンは「ストック型」のコンテンツです。一度投稿したピンは、数ヶ月後、あるいは数年後も検索結果に表示され続け、継続的にウェブサイトへの流入を生み出します。
これは、プラットフォーム内に最も効果的なコンテンツを蓄積していくことで、長期的に安定した集客効果が期待できることを意味します。広告費を投下し続けなければ効果が途切れる運用型広告とは対照的に、コンテンツそのものが企業の資産となるのです。
3. サードパーティCookie規制後の有力な選択肢
プライバシー保護の観点からサードパーティCookieの利用が制限される中、ユーザーの興味関心に基づいたターゲティング広告の精度維持が課題となっています。
Pinterestは、ユーザーが自ら興味のあるピンを保存し、ボードを作成するというプラットフォームの仕組み自体が、強力なインタレストデータ(興味関心データ)の源泉です。ユーザーが能動的に示す興味に基づいて広告を配信できるため、Cookie規制の影響を受けにくく、今後さらにその価値が高まると考えられています。
Pinterestをマーケティングに活用する4つのメリット

Pinterestをビジネス活用することで、企業は具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。ここでは、マーケティング担当者が知っておくべき4つの主要なメリットを解説します。
1. 高い購買意欲を持つユーザーにリーチできる
Pinterestユーザーの多くは、購買や何らかの行動を前提として情報収集を行っています。Pinterestの公式データによると、ユーザーの85%が「新しいプロジェクトを始めるときにPinterestを利用する」と回答しており、その行動が購買に直結しやすいことが示唆されています。単に情報を消費するだけでなく、具体的なアクションを起こす意欲の高いユーザー層に直接アプローチできる点は、他のプラットフォームにはない大きな強みです。
(出典)
https://www.threadpost.jp/blog/schedule-pinterest-posts
2. コンテンツの寿命が長く、継続的な流入が見込める
前述の通り、Pinterestのピンはフロー情報ではなくストック情報としての性質を持ちます。優れたピンは長期間にわたって検索され、リピンされ続けるため、半永久的にトラフィックを生み出す可能性があります。例えば、季節性の高いコンテンツ(「クリスマス ギフト」「母の日 プレゼント」など)を一度作成しておけば、毎年その時期になると再びユーザーの目に触れる機会が増え、安定した集客源となります。
3. 潜在顧客へのアプローチとブランディングに効果的
ユーザーは、まだ具体的な商品名を知らない段階で、漠然としたイメージやキーワード(例:「ナチュラルな暮らし」「ミニマルな部屋」)で検索を行います。このような潜在顧客層に対して、自社の世界観に合ったビジュアルを提示することで、自然な形でブランドや商品を認知させることが可能です。ビジュアルを通じてブランドイメージを訴求し、顧客ロイヤルティを醸成するブランディング施策とも非常に相性が良いプラットフォームです。
4. 外部サイトへの送客効果が高い
Pinterestの最大の特長の一つが、すべてのピンに外部サイトへのリンクを設定できる点です。ユーザーは気になったピンをクリックするだけで、シームレスにECサイトの商品ページやブログ記事に遷移できます。この強力な送客機能により、認知拡大だけでなく、直接的なトラフィック獲得や売上向上に貢献します。実際に多くのEC事業者が、Pinterestを主要な集客チャネルの一つとして活用しています。
自社に合ったPinterest活用法を見極める5つのポイント

Pinterestの可能性を理解した上で、次に考えるべきは「自社で活用すべきか、どう活用すべきか」です。ここでは、Pinterest活用を成功させるために、事前に検討すべき5つのポイントを解説します。
1. 商材とプラットフォームの相性を見極める
Pinterestはビジュアルが中心のプラットフォームであるため、視覚的に魅力を伝えやすい商材との相性が非常に良いです。
- 特に相性が良い商材: アパレル、インテリア、コスメ、食品・レシピ、ウェディング、旅行、ハンドメイド、住宅・リフォームなど。
- 活用の工夫が必要な商材: 金融商品、BtoBサービス、無形商材など。これらの場合でも、インフォグラフィックや課題解決のイメージ図、導入事例のビジュアル化など、コンテンツを工夫することで十分に活用は可能です。
2. ビジネスアカウントを開設し、分析機能を活用する
Pinterestをマーケティングで利用する場合は、必ず「ビジネスアカウント」に切り替える必要があります。ビジネスアカウントでは、無料で以下のような機能が利用できます。
- Pinterestアナリティクス: インプレッション数、クリック数、保存数などのパフォーマンスデータを確認できます。どのピンが人気なのかを分析し、コンテンツ改善に役立てます。
- リッチピン: ウェブサイトのメタデータを読み込み、ピンに価格や在庫情報、記事の見出しなどを自動で表示させる機能です。ユーザーにとってより有益な情報を提供できます。
3. SEOを意識したピンとボードを作成する
Pinterestは探索エンジンであるため、Google検索と同様にSEO(検索エンジン最適化)の考え方が重要です。ユーザーが検索するであろうキーワードを意識して、ピンのタイトルや説明文、ボード名を作成します。例えば、ただ「新作ワンピース」とするのではなく、「【2024年春夏】リネン素材のAラインロングワンピース|きれいめカジュアルコーデ」のように、具体的なキーワードを盛り込むことで、検索結果に表示されやすくなります。
4. Pinterest広告(プロモートピン)の活用を検討する
オーガニック(無料)での運用と並行して、Pinterest広告の活用も有効な手段です。特定のターゲット層に絞ってピンを配信できるため、新商品の認知拡大やキャンペーンの告知、ECサイトへの集客強化など、短期的な目標達成に効果を発揮します。まずは少額からテスト配信を行い、費用対効果を見ながら本格的な活用を検討するのが良いでしょう。
5. 成果を測定するための指標(KPI)を設定する
Pinterestマーケティングを始める前に、目的を明確にし、成果を測るためのKPI(重要業績評価指標)を設定することが不可欠です。
- 認知拡大が目的の場合: インプレッション数、リーチ数
- エンゲージメント向上が目的の場合: 保存数(リピン)、クローズアップ数
- ウェブサイトへの送客が目的の場合: アウトバウンドクリック数
- 売上向上が目的の場合: コンバージョン数、ROAS(広告費用対効果)
これらの指標を定期的に観測し、PDCAサイクルを回していくことが成功の鍵です。
Pinterest広告の実践的な運用スキルならデジプロへ

ここまで解説してきたように、Pinterestはマーケティングチャネルとして大きな可能性を秘めています。しかし、その効果を最大限に引き出すには、プラットフォームの特性を理解した上での戦略設計、SEOを意識したコンテンツ作成、そしてデータに基づく広告運用スキルが不可欠です。
インハウスでの運用を目指す企業にとって、これらの専門知識を体系的に学び、実践的なスキルを身につけることが成功への近道です。
1. 実際の管理画面を使った実践的なカリキュラム
デジプロでは、Pinterest広告を含む主要なWeb広告媒体の管理画面を実際に操作しながら学ぶ、超実践的なカリキュラムを提供しています。座学で理論を学ぶだけでなく、アカウント設定からターゲティング、クリエイティブの入稿、効果測定まで、一連の運用フローをハンズオンで習得できます。明日からすぐに実務で使えるスキルが身につくのが特徴です。
2. 現役のプロマーケターによるマンツーマン指導
デジプロの講師は、厳しい選考を通過した現役のプロマーケターのみです。業界の最前線で活躍するプロフェッショナルが、受講生一人ひとりの課題や目標に合わせてマンツーマンで徹底的にサポートします。Pinterest広告の運用でつまずきがちなポイントや、業界特有の成功パターンなど、実務経験者だからこそ語れる知見を得ることができます。
3. 企業ごとの課題に合わせたカリキュラムのカスタマイズ
法人研修プランでは、企業ごとの商材やマーケティング課題に合わせてカリキュラムを柔軟にカスタマイズすることが可能です。「Pinterestを活用してECサイトの売上を伸ばしたい」「インハウスの広告運用チームを育成したい」といった具体的なご要望に応じて、自社に合った研修プログラムを設計します。
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