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リスティング広告にかける費用の相場について
リスティング広告とは、検索エンジンの結果ページなどに「広告」として掲載される広告の総称です。Googleなどの検索エンジンでユーザーが入力したキーワードに連動して広告が表示されます。
リスティング広告は「広告のクリック回数」に対して費用が発生するものです。
リスティング広告の費用相場は約10万円~約100万円と幅広く、代理店を通した場合はひと月で約30万円~と言われています。このように、リスティング広告の費用相場は目安でしかありません。広告費の決定方法を知って、効果的に運用する方法が良いでしょう。
リスティング広告の費用の決め方4選
リスティング広告の費用を決める方法を解説します。
クリック単価や売上目標から決めるもの、リスクを回避した広告費の許容ラインから決めるなどの4つの方法があります。それぞれの方法を詳細に説明します。
リスティング広告のクリック単価から決める
ターゲットのキーワードを決めてから、そのキーワードのクリック単価相場にクリック数をかけてリスティング広告費用を求める方法です。人気があるものは単価が高く、人気がないキーワードは安くなります。そのため、ターゲットのキーワードの単価相場とクリック数で自動的に広告費用が決定します。
クリック単価の相場を調べる方法としては、Google広告の場合「キーワードプランナー」、Yahoo!リスティング広告の場合は「キーワードアドバイスツール」を使用すると良いでしょう。リスティング広告のキーワードで上限金額を入力し、広告費用を見積ります。
このようにキーワードが明確になっている場合は、キーワードのクリック単価から広告費用を決めます。
リスティング広告を運用している会社に問い合わせる
短時間に確実な効果を出したい場合は、リスティング広告の代理店に問い合わせて、相談して費用を決める方法が良いでしょう。これなら、マーケティングの専門的な知識がなくても、リスティング広告配信を迅速にスタートできます。
獲得したい成果の目標から計算して決める
売上目標金額が決定していれば、逆算してリスティング広告費用を計算できます。この場合、コンバージョン率(CV率)とクリック単価を暫定的に決めておく必要があります。
単価が40,000円(CV率1%)の商品の売上目標を1,000,000円とする場合、プロモーションのクリック単価を100円とすると、リスティング広告費用に250,000円かかる計算となります。
リスク回避のための許容ラインを定める
この方法は初めてリスティング広告を運用する場合に採用するもので、広告予算から決める方法です。事前に予算額を決めて、Google広告やYahoo!リスティング広告の設定で請求額の上限を設定します。一般に、広告費用の目安は売上の約5~10%です。
リスティング広告の始め方8つの手順
リスティング広告は、比較的簡単に開始できる広告媒体です。ここからは、導入するにあたり、何から始めればよいのか、何を決めなければいけないか解説します。
最低限必要なことは、自社の製品やサービスの分析とターゲットの選定、キーワードの設定などです。フレームワークを使用し自社の製品やサービスについて分析する
マーケティング戦略の企画・立案を行う場合によく活用されているフレームワークを説明します。
フレームワークを利用することで、効率的な戦略の立案、検討漏れの防止、精緻な戦略構築が可能となります。戦略立案のフレームワークは、PEST分析、3C分析、5フォース分析、SWOT分析、STP分析、4P分析(マーケティングミックス)、バリューチェーン分析の7つがあります。用途は下記の通りです。
・PEST分析:マクロ環境を分析する
・3C分析/5フォース分析:ミクロ環境を分析する
・SWOT分析:外部環境と自社の強みや弱みを把握して戦略を立案していく
・STP分析:ターゲット市場を絞り込んで自社と自社の商品、サービスの見せ方を決める
・4P分析:マーケティングミックスの最適な組み合わせで経営的成果の目標を最大にする
・バリューチェーン分析:実務のボトルネックやコストセンターの無駄の洗い出し
自社の魅力的な部分を引き出すキーワードを選定する
キーワード選定とは、取得ツールを使用して網羅的にキーワードを洗い出すことです。おすすめのツールは、Googleキーワードプランナーです。
Googleキーワードプランナーを使うと、関連したキーワードが候補として表示され、競合性や入札単価などを調べられます。
ペルソナをはっきりさせる
集客さえできれば良い訳ではありません。リスティング広告の運用を開始する前に、商品やサービスのプロモーションサイトや、個別のキャンペーンサイトなどに「誰を集客したいのか」を考えます。
ターゲットユーザー像を明確にしてペルソナを設定します。このターゲットユーザー像が明確でないと、その後のキーワード選定、広告文の作成において、一貫性がなくなる恐れがあります。
ペルソナをベースにターゲットを絞る
ペルソナを設定したら、これをベースにターゲット範囲を絞ります。
その際、顧客が価値を感じ、その後のアクション・売上につながるようなターゲットの範囲に設定します。例えば「映画好き」のみをターゲットにしてしまうと、「エンターテインメント好き」の10%程度にしかならない事例があるため、この場合は、「エンターテインメント好き」とターゲットを広げ、不必要に絞り込まないほうが良いでしょう。
出向する検索エンジンを決定する
リスティング広告は、検索エンジンが検索した結果に広告を表示させる機能です。日本における検索エンジンは、GoogleかYahoo!の2大シェアと言われています。
そのため、この2つの検索エンジンに対して、リスティング広告を行うと良いでしょう。特に指定がない場合はGoogleのリスティング広告を採用し、集客したいターゲットが高齢の方の場合はYahoo!でのリスティング広告にするなど、使い分ける方法もあります。
検索エンジンに対応したアカウントを作成する
リスティング広告を出稿できる検索エンジンは多数ありますが、中でも多くの検索ユーザーがあるGoogle 広告と、Yahoo!リスティング広告があります。
ここで、Googleの検索結果とGoogle 広告に出稿するアカウントを作成する方法について説明します。1.Google広告の申し込みページにアクセスします。
2.ログインメールアドレス、パスワード、お支払い情報などの登録を行います。
3.Googleアカウントにログインします。持っていない方はアカウトを作成します。
4.アカウント設定が完了したら、次は「キャンペーン」を作成します。
5.キーワードと広告文を一致させるため、グルーピング(区分)を実施します。
ランディングページを設計する
リスティング広告からリンクするランディングページの設計は、後述する成約率にも関係します。
例えば、表示に時間がかからないこと、目的がひとつに絞られていること、他のページへのリンクを減らすことなどに注意して設計します。また、デザインセンスにもこだわって設計すると良いでしょう。
魅力的な広告文を作成する
キーワード選定と並行して、広告文の設計を行います。注意点は、キーワードと広告文が矛盾なく繋がる設計を行うことです。
実際に検索するユーザーが「このワードで検索すると、どのような広告が表示されてクリックしたくなるか」を考えて広告文を設計します。
リスティング広告の費用を抑えるコツ8個
リスティング広告は、ヒット数に比例した広告であるため、使用方法によって費用効果が大きく変動します。
ここからは、リスティング広告費の無駄を減らすコツを8つ説明します。品質スコアを上げる
クリック単価(CPC)を下げても効果を出すためには、キーワードの品質スコアを上げることが重要です。「品質スコア」は、広告ランクの決定要素で、各キーワードに1~10段階で評価が付きます。
なお、掲載順位が高いほど消費者の目に留まる確率は高くなります。
広告順位にこだわらない
広告の掲載順は、必ずしも第1位をとるのが良い訳ではありません。
消費に繋がるクリックは、広告の順位が2位以下でも「クリック率が高い場合」は成果が出るからです。クリック単価を上げすぎずに一日の広告予算に制限を設けるなどして、広告順位の1位にこだわらず、ページに訪れてもらえる回数を増やす工夫をすることで、費用対効果を生みます。
広告の掲載日時を見直す
リスティング広告は、通常の広告に比べて掲載日時を詳細に自由に設定できるメリットがあります。例えば、ゴールデンウイークなどで会社が長期休暇になる期間には、配信を停止して広告費を削減できます。
ターゲットになる顧客の日々の行動を分析し、リスティング広告の掲載日時を見直すとよいでしょう。広告の配信地域を絞る
Google 広告には、地域ターゲティング機能があります。これは、広告の配信地域を詳細に指定できるものです。この機能を使うと、地域別に費用対効果を高めることが可能となり、下記のような項目で最適化が可能です。
・掲載結果を地域別に表示して比較し、重点地域を特定できる
・掲載結果が優れている地域で入札単価や予算を引き上げ、表示回数を増やす
・掲載効果が低い地域は、入札単価や予算を引き下げたり、キャンペーンを見直す
・特定の地域で効果の高い広告テキスト使用、地域別に複数のランディングページを使用できる
・住所表示のオプションで、ビジネス拠点の住所と電話番号を広告に組み込める
広告のターゲットを見直す
リスティング広告は、選定したキーワードを検索をしたターゲットに対して関連広告を表示させるものです。
ターゲットを見直すと、広告効果の改善が可能となります。ターゲットの見直しは、「誰に売っていくか」と考えて検討すると良いでしょう。
リスティング広告を運用して改善を進めていくと、当初のターゲットとズレが生じることがあります。このような場合は、無駄なクリックが増大するだけで、費用対効果が下がってしまいます。迅速にターゲットを見直すと良いでしょう。
h3-6:除外キーワードを設定する
リスティング広告のキーワード設定では、除外キーワードの設定も有効です。「パン屋 東京」のキーワードで入札した場合でも、「パン屋 東京 駅周辺」、「パン屋 東京 ランキング」のようにキーワードに幅を持たせて配信するのが一般的です。
しかし、キーワードの幅が広すぎると、「パン屋 東京 土地売却」のように、ニーズの分野が違うキーワードも選択される可能性があります。
このような場合は、「土地売却」を除外キーワードに設定することで、ニーズの誤りを防げるだけでなく広告の無駄を省くことにもつながります。
リンク先のページでの成約を多くする
リスティング広告の管理の設定見直しでは、費用削減の他に、リンク先のページの成約率を上げることで、大きく費用対効果を改善できます。成約率が上がるリンク先のページとは、表示に時間がかからないこと、目的がひとつに絞られていること、他のページへのリンクを減らしてあること、デザインセンスが良いことなどを押さえたページが例に挙げられます。
様々なマッチタイプを活用する
キーワードのマッチタイプとは、Google広告、Yahoo!リスティング広告の設定において、登録したキーワードと「マッチ」する検索語句をどのようにして広告配信するかを設定するものです。
マッチタイプが異なれば、同じキーワードでも表示回数が大きく変わります。マッチタイプには「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の設定があります。
リスティング広告の上手な運用の仕方
リスティング広告を開始しても運用が大変と感じる場合があります。その場合は、ポイントを絞って確認すると良いでしょう。
リスティング広告の運用では、日々の入札管理や予算管理とともにアカウント構成に関する内容をチェックしましょう。入札管理や予算管理では、入札調整や日予算が抑制されていないかの確認をします。アカウント構成では主に、獲得上位の注力ワードの見極めマッチタイプの見直し、獲得に繋がっていないワードの除外設定などを行います。
リスティング広告の費用について理解し効率的な広告運用を目指そう
リスティング広告は、改善を繰り返すことで効果が増大する可能性があります。
しかし、予算は無限ではないため、効果がなくなった時点で、広告を終了させなければならない場合があります。終了タイミングを逃すと、無駄な広告費用を払い続けるだけになるでしょう。
無駄を省くためには、事前にリスティング広告の配信を始める前に、上限費用や効率的な対処方法を決めておきます。また運用中は、効果なしと判断したら一旦広告配信を止め、戦略を見直すことで、リスティング広告に失敗するリスクを回避できる可能性が高くなります。