リスティング広告を分析する際のポイント|分析の手順と改善ポイントも解説

リスティング広告の分析について

リスティング広告とは検索エンジンの検索結果のページに表示される広告で、ユーザーが検索したキーワードに連動して掲載される広告です。

リスティング広告を運用する場合は、単に広告を掲載するだけでなく分析を行うことが大切です。

リスティング広告を出しても成果につながらなければ意味がありません。期待したようなコンバージョンに繋がらない場合は、なぜ成果が出ないのかを分析し、改善していくことが重要になります。

特徴について

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの結果ページにユーザーの検索したキーワードに連動して表示される広告です。

ユーザーの関心が高いタイミングで関連した広告が表示されるため、コンバージョン率も高くなりやすいという特徴があります。

リスティング広告は「検索連動広告」とも呼ばれており、Googleのリスティング広告は「Google 広告」、Yahoo!のリスティング広告は「Yahoo! 検索広告」と呼ばれています。

必要性について

リスティング広告の成果を改善するためにも分析を行うことは重要です。

リスティング広告の目的は商品の購入や資料請求などのコンバージョン率を上げることです。リスティング広告を運用する場合は運用効果を分析し、客観的な数値によってどのくらいの効果が出ているのか分析する必要があります。

また、分析の結果期待していたようなコンバージョンに至っていない場合は、目的達成の阻害となっている要因を見つけ出し、改善していくことが大切です。

リスティング広告を分析する際のポイント5選

リスティング広告を運用する場合、単に出稿するだけでなく効果が出ているのか分析を行うことが大切です。

ここではリスティング広告を分析する際のポイントを紹介していきますので、参考にしてみてください。

実際の数値を基に論理的に考える

リスティング広告の分析は、実績に基づいた数値を基に論理的な分析を行うことが大切です。

誰が見ても客観的に理解できる実数値やデータなどの値を基にして、広告の問題点が何なのかを把握し、解決案を導き出す必要があります。

広告運用を長く続けていると惰性で運用してしまっているようなケースもありますが、フィーリングや感覚、勘に頼った分析を行っていては正確な分析はできず、効果的な解決策も検討することはできません。

比較対象を明確に決める

分析を行う際に、何と比べて高いのか、低いのかといった基準が曖昧なまま分析を行ってしまうケースがあります。

そのため、最初に基準点や比較対象などを明確に決める必要があります。

比較対象が明確化されることにより、何が悪いのか判断できるようになります。また、比較対象は条件を揃える必要があるため、ユーザー属性やキーワードなどなるべく条件が等しくなるように設定しましょう。

仮説と事実は切り離す

分析を行う際の問題点として、仮説と事実の切り分けができていないというケースもあります。

正確に分析を行うためには、仮説と事実は切り離して事実のみを分析の判断材料にする必要があります。

仮説自体が悪いものということではないため、分析に入る前に事実と仮説を切り分けたら、仮説は分析に使用せずにそのままにしておきましょう。

分析を進め改善策を見つけ出す

分析を進めていく際には、思考のステップを細かく分け、丁寧に順を追って改善策を見つけ出すことが大切です。

具体的には、「何をどのように対処すべき問題なのか」「課題の発生原因はどこにあるのか」「改善するためにはどのような方向性があるのか」「その方向性で課題を改善するにはどのような施策があるのか」というように順番に原因を見ていきましょう。

このように細かく分析を進めることにより、方向性を誤ることなく施策を打つことができるようになります。

分析する対象を細分化する

分析を行う際にリスティング広告全体のデータをまとめて分析対象としてしまうと、分析を完了するのに時間がかかります。

そのため、1つ1つのキーワードごとに分析対象を細分化することが大切です。

細分化して分析を行うことで、データ分析に時間を掛けることなく効果的に有用なデータを抽出し、分析を行っていくことができます。

CPA

CPA(コンバージョン単価)とは、1件のコンバージョンを獲得する際にかかった費用のことです。

コンバージョンとして顧客獲得を設定している場合は「顧客獲得単価」と呼ぶケースもあります。

CPAが下がるほどその広告の予算内で多くのコンバージョン獲得に繋がっているということになるため、CPAはリスティング広告の費用対効果を確認するための重要な指標となっています。広告を運用する場合は、CPAをできるだけ下げることがポイントです。

クリック数

リスティング広告のクリック数がそもそも少ない場合、コンバージョン数も少なくなります。

広告のコンバージョンが少ない原因がクリック数の少なさだった場合は、クリック数を増やすための施策を講じる必要があります。

なお、クリック数をインプレッション数で割ることでその広告の「クリック率」を導き出すことができます。たとえば、インプレッション数が1,000回でクリック数が50回の場合、クリック率は5%です。クリック率が高くなるほど、その広告には効果があったということになります。

コンバージョン数

コンバージョン数とは、リスティング広告をクリックしてサイトに訪れたユーザーが、あらかじめ設定しているコンバージョンに至った数を指します。

コンバージョンは広告主にとって広告の成果と見なす行動となるため、コンバージョンの内容はサイトでの商品の購入や会員登録、問い合わせなどさまざまです。

広告のコンバージョン数が少ない場合、そもそもクリック数が少ない、コンバージョン率が悪いといった原因が考えられます。

広告の目的達成を明確にする

達成すべき目標が明確化できていない状態では、何が課題となっているのか把握することができません。

そのため、解決すべき課題をはっきりさせるためにも、その広告が達成することを目指しているゴールを明確化しましょう。

まずは達成すべき目的を決め、そこから目標数値やKPIなどを洗い出していき、どのような課題があるのかを特定していくという流れにすることが大切です。

全体像を把握し分析をする

リスティング広告を分析する場合、特に影響が大きいと思われるところから分析を行う必要があります。

そのため、全体像の把握を行うことが必要不可欠です。

たとえばリスティング広告のCPAが悪化しているのを改善したいのであれば、キャンペーンで使用しているキーワード全体を見て、特に使用している費用が大きいなど影響が大きいキーワードを見つけることが先決となります。

リスティング広告の分析の手順4選

広告運用担当者になったばかりの場合、そもそもどのようにしてリスティング広告を分析すればよいのか分からないというケースは多いでしょう。

ここではリスティング広告の分析の手順について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

課題を特定する

リスティング広告の分析の目的は、広告運用に関して自社の抱えている課題が何なのかを把握し、解決することです。

そのため、リスティング広告の分析を行う場合にはまずは最終的な目標や課題を特定する必要があります。

課題が明確化されていなければ、分析を行う際にどのデータを使えばよいのか分からなくなります。また、改善すべき目標が設定されていないと、効果のある改善策を立案することもできないでしょう。

改善策を検討する

課題を特定したら、どのような改善策が考えられるのか検討していきましょう。

課題がはっきりしていれば、分析にどの数値を使用すれば良いのか分かるようになります。

そして、思考のステップごとに順を追って原因を探っていくことにより、方向性を誤らずに現時点でやるべき改善案を提案することができるようになります。

また、課題の特定と改善策の検討は出稿している広告ごとに行いましょう。

改善策を実行する

今やるべき改善策が決まったら、具体的な方法に落とし込んで実行しましょう。

たとえば達成すべき課題が「インプレッション数を増やしてクリック率を上げる」といった内容である場合、具体的な改善方法としては、キーワードの見直しやキャンペーンの設定、出稿している広告の変更などがあります。

改善策は普段の広告運用業務の中で実行できる内容を設定するようにしましょう。

結果分析をする

具体的な施策を実行したら、効果の結果分析を行いましょう。

どのような効果があったのかは、レポートを見ることで確認できます。

結果分析を行う際には、期間を3ヵ月、6ヵ月、1年といったように分けて、どのような変化があったのかをチェックしましょう。

施策を実施したにもかかわらず効果が見られない場合は、指標の選定や施策が誤っている可能性があるため、原因の特定を行い、より効果のある改善策を検討するようにしましょう。

リスティング広告を分析結果で改善するポイント7選

リスティング広告の分析方法が分かっても、具体的な改善策が思いつかないケースもあるでしょう。リスティング広告を改善するポイントとしては、ターゲットの絞り込みや適切なキーワードを選ぶことなどが重要になります。

ここではリスティング広告を分析結果で改善するポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。

対象とするターゲットの絞り込み

リスティング広告を出す場合、自社のターゲットをどの層にするのかは非常に重要なポイントになります。

広告のターゲティングが正しく行われていなければ、リスティング広告で成果を出すことはできないでしょう。

リスティング広告は地域やデバイスなどで細かくターゲティングできるため、自社が狙うべきターゲットに配信できるように設定しましょう。

キーワードの重要性

リスティング広告はユーザーが検索したキーワードに連動して表示されるため、キーワードの選定が非常に重要になります。

適切ではないキーワードを設定していると訴求したいユーザーに対して広告が配信できず、成果にも繋がりません。

キーワードを調整する場合は、成果に繋がらないキーワードの除外やキーワードの再選定などを行うことが必要になります。

入札単価の見直し

リスティング広告の掲載順位は品質スコアと入札単価によって決定されるため、入札単価が低すぎると上位表示されない可能性があります。

たとえばCPAの改善のために入札単価を下げている場合などは、単価を下げ過ぎていないかどうか見直す必要があります。徐々に単価を引き上げながら、表示順位を上げていくようにしましょう。

興味関心を持つ広告文

表示されたリスティング広告が実際にクリックされるかどうかに関わってくるのが広告文です。

ユーザーは検索結果に表示されるリスティング広告の広告文のテキストを読んでクリックするかどうかを判断することになるため、ユーザーの興味関心を惹くような広告文を作成することが重要になります。

具体的な手法としては、広告文にキーワードや具体的な数値を含めると効果的です。

曜日・時間帯の配信設定

リスティング広告は曜日と時間帯の組み合わせで配信スケジュールを設定することができます。

たとえばBtoCの場合、多くのユーザーがスマホを利用している時間帯に配信設定を行うことで、広告のコンバージョン率を上げることが可能になります。

具体的には出勤時間帯や昼休み、帰宅後のゴールデンタイムまでの時間を狙って配信することで、効果を上げられる可能性があります。

成果が出ないキーワードの停止

キャンペーンの中で成果が出ていないキーワードを停止するといった対策も効果的です。

成果の出ないキーワードを停止すればその分予算にも余裕ができます。広告を出す予算をこれ以上増やすことができないという場合でも、不要なキーワードを停止することで予算配分を見直すことができます。

キーワードのマッチタイプを選ぶ

リスティング広告には「完全一致」「フレーズ一致」「絞り込み部分一致」「部分一致」というマッチタイプがあります。

リスティング広告ではキーワードのマッチタイプをどれにするのかも重要なポイントになります。

たとえば完全一致のキーワードばかりでは広告の配信数が伸びず、部分一致ばかりでは無駄なクリック数ばかり伸びるといった可能性もあります。

リスティング広告の分析の注意点

ここまで紹介してきたとおり、リスティング広告は効果を最大化するために適切な手法で分析を行い、改善していくことが大切です。

ここでは最後にリスティング広告の分析の注意点を2点解説していきます。

とりあえずでしてみてとタスクを振らない

リスティング広告の分析を新人や未経験の人にお願いするというケースもあるでしょう。

しかし「とりあえず分析してもらう」というスタンスでタスクを振っても、分析をやったことがない人はつまずいてしまったり、うまく結果が出なかったりする可能性があるためNGです。

つまずくポイントを押さえておく

分析タスクをお願いする場合は、先につまずくポイントを押さえておきましょう。

つまずきやすいポイントとしては、「比較対象が設定されていない」「特に目につく部分だけを分析してしまう」「仮説と事実の切り分けができていない」「自分の中での一次情報を根拠にしてしまう」などがあります。

これらのポイントを事前に伝えておけば、分析結果の質の向上が期待できます。

リスティング広告の分析の重要性を理解しよう

リンスティング広告の運用を行う場合、分析して改善していくことが重要です。

ぜひ本記事で紹介したリスティング広告を分析する際のポイントや分析の手順、改善ポイントなどを参考に、リスティング広告を分析してCPAやコンバージョンなどを改善していくようにしましょう。