GMV Maxとは、TikTok Shopにおける広告配信を自動で最適化し、売上(GMV:Gross Merchandise Value=流通取引総額)の最大化を目指す広告メニューです。
主にEC事業者が使用する広告メニューで、Google 広告におけるP-MAX、Meta広告におけるAdvanced Shopping Campaignにあたります。
このツールの最大の特徴は、広告の作成・配信・最適化をAI(人工知能)が自動で行う点にあります。広告用の素材(=クリエイティブアセット)として、ブランドが投稿した動画やアフィリエイターが作成した動画など、あらゆる素材を活用できます。また、有料広告とオーガニック投稿(自然な形で投稿されたコンテンツ)を組み合わせて配信することで、より多くのユーザーにリーチできる仕組みです。
さらに、TikTokの「フィード」や「検索結果」、「Shopタブ」など、複数の表示面(プレースメント)に一括で出稿できる点も魅力といえます。複雑な設定なしで、TikTok Shopにおける売上拡大を効率よく狙える強力なツールです。
目次
GMV Maxの概要と基本機能
TikTok Shopにおける「GMV(Gross Merchandise Value)」は、一定期間内に販売された商品の総取引額を示す指標です。たとえば、1万円の商品が100個売れれば、GMVは100万円となります。
この指標には、広告経由の注文だけでなく、オーガニック投稿やアフィリエイト経由の売上も含まれます。つまり、TikTok内での販売活動全体を定量的に評価する基準として活用できるのが特徴です。
利益とは異なり、あくまでも売上規模を測るためのものですが、ブランドや広告運用担当者にとっては、施策の成果を可視化する上で欠かせないデータといえるでしょう。
GMV Maxの位置づけと役割
GMV Maxは、TikTok Shopにおける広告運用を自動化し、売上の最大化をサポートするための重要なツールです。その位置づけは、「TikTok内の販売促進を支える広告ソリューションの中核」といえます。従来の広告運用では、クリエイティブ(広告素材)の作成やターゲティングの調整など、多くの工程を手動で行う必要がありましたが、このツールではそれらをAI(人工知能)が自動で処理します。
役割としては、TikTok上に存在するオーガニック投稿(自然な投稿)、アフィリエイト動画、そして有料広告を一体化し、全体の広告効果を最適化することにあります。これにより、広告だけでなく、ブランドが投稿した通常の動画やインフルエンサーによる紹介動画も含めて、総合的に売上(GMV:流通取引総額)を押し上げることができます。
配信面に関して
GMV Maxでは、TikTok内のさまざまな配信面に広告を表示させることができます。
1つ目は「フィード」です。これはTikTokアプリを開いたときに表示される、おすすめ動画の一覧(For Youページ)で、ユーザーが日常的に見るコンテンツの中に広告が自然に表示されます。
2つ目は「検索結果」です。ユーザーが特定のキーワードを検索したときに表示される結果の中に、関連する商品広告を掲載することができます。購買意欲が高いユーザーに届きやすい場所といえるでしょう。
3つ目は「Shopタブ」です。TikTokアプリ内にあるショッピング専用のタブで、ユーザーが商品を探す目的でアクセスする場所です。ここにも広告を表示できるため、購入に近い行動を取っているユーザーにアプローチできます。
これらの複数のチャネルを一括で活用できることが、GMV Maxの大きな強みといえます。
キャンペーンの種類
GMV Maxキャンペーンには主に2種類があり、1つは「商品GMV最大値」です。これは、購買につながりやすい商品やクリエイティブ、配信面をAIが判断し、より高い成果が期待できる組み合わせで広告を構成します。
もう1つは「LIVE GMV最大値」で、TikTok LIVEにおける売上を最大化することを目的としたキャンペーンです。
目標ROIを設定することもできるので、目標のROIの中で予算を最大化させることも可能です。
する仕組みが整っています。
GMV Maxの始め方と運用ガイド
このメニューを始めるためには、まずTikTok Shopの「Seller Center(セラーセンター)」に登録し、商品を出品しておく必要があります。そのうえで、GMV Maxのキャンペーンを有効化することで、自動広告運用がスタートできます。
導入にあたっては、プロモーションしたい商品を選び、広告に使いたい動画や画像(クリエイティブアセット)をアップロードします。これらの素材をもとに、AI(人工知能)が自動的に広告を生成し、最適な配信先やタイミングを判断します。
運用が始まった後は、Seller Centerにある専用のダッシュボードで成果を確認できます。ここでは、どの広告がどれだけ売上につながったか、費用対効果(ROI)はどうか、といった重要な指標を一目で把握することができます。
専門的な知識がなくても、シンプルな設定と画面操作でスタートできるため、まずは一部の商品から試してみることをおすすめします。
まとめ
GMV Maxは、TikTok Shopにおける売上最大化と広告運用の効率化を同時に実現できる広告メニューです。AI(人工知能)の力を活用して、広告の作成・配信・最適化を自動で行うため、専門知識がなくても高い成果を上げることが可能です。
Google 広告におけるP-MAXの配信割合が広がってきていたり、Meta広告におけるASC配信が広がっているようにEC事業者のTikTok広告においてもGMV Maxが主流になってくるはずです。
また、オーガニック投稿やアフィリエイト、そして有料広告といった異なる流入経路を一括で最適化できる点も大きな魅力といえます。さらに、TikTok内の複数のプレースメント(表示場所)に対応しているため、幅広いユーザーにリーチすることができます。
このように、少ない運用負担で売上と費用対効果(ROI)の両方を向上させる仕組みが整っており、TikTok Shopと併用して活用することをおすすめします。