次世代SNS「noplace」がZ世代から人気を集める理由とアプリの特徴

TikTokやThreadsなど様々なプラットフォームが登場し、さらに新たなSNSの登場が期待される中で、その答えとなり得るのがnoplaceです。

MySpaceを知っている世代からはどこか懐かしく、Z世代やα世代にとっては全く新しい形のSNSであるnoplaceは、App Storeにリリースされた初日に1位を獲得しました。

この記事では、そんな今注目のSNSアプリについて、話題になった背景や使用感、特徴などについて解説しつつ、なぜここまで人気になったのかを考察していきます。

noplace とは

noplaceホーム画面

noplaceとは、2024年アメリカを中心に話題になったZ世代向けのSNSアプリです。

自身のアカウントを作成して好きなことを投稿するという従来のSNSの基本的な枠組みは踏襲しつつ、Z世代を中心とした若者に刺さるような工夫が数多くみられます。例えば、アプリ全体のデザインがY2Kを思わせるようなレトロ可愛いものに統一されていたり、自身のプロフィールページを好きなようにカスタムできる機能などが該当します。

話題になった経緯

noplaceは、2024年7月の一般公開と同時にアメリカのApp Storeで1位を獲得しました。

一般公開される前は完全招待制SNSとしてアプリを提供していました。一般公開される前までは一部の限定されたユーザーしか使用することができなかったにもかかわらず徐々にうわさが広がっていき、一般公開される直前のnoplaceのウェイティングリストには50万人以上の承認待ちユーザーがいたとされています。

noplaceは既存のSNSで問題視されていた投稿表示の際のアルゴリズムやいいね数やフォロワー数などを排除し、純粋に友達とのつながりを楽しめる仕組みになっています。

多くのSNSやZ世代の傾向を観察してたどり着いたこのシンプルでストレスのない設計が共感を呼び、一気に人気を集める要因となりました。

Tiffany Zhongについて

Noplaceは、若者向けの新しいSNSとして2024年に急速に注目を集めました。その背景を語るうえで欠かせないのが、創業者であるTiffany Zhong氏です。

Zhong氏はもともとベンチャーキャピタル業界で若者のトレンドを分析してきた経験があり、それが高く評価されForbes誌の「マーケティングと広告部門における注目すべき30歳未満の30人」選ばれた過去があります。

こういった経験を通して、Zhong氏は従来のSNSが抱える問題点やZ世代に求められているものは何かといったことを理解していました。特に、フォロワー数やアルゴリズムによるコンテンツの選別が、ユーザー同士のリアルな繋がりを希薄にしていることに早くから言及しています。

この知識を生かして作られたのがnoplaceです。

nospace

noplaceについて検索すると、検索結果に”NoSpace”というものが出てくるかもしれません。

実は、これはnoplaceと同じものです。正確に言うと、現在noplaceと呼ばれているアプリの初期段階の名前がNoSpaceだったのです。

これは、Facebook以前では世界最大規模のSNSであったMySpaceに由来します。

noplaceはMySpaceからインスピレーションを受けて作られており、それを表して最初はMySpaceをもじった名前を付けたのです。しかし、しばらくして名称に対しての使用停止命令が出され、noplaceに名前が変更されました。

noplaceの特徴

先述したことと重複する部分もありますが、noplaceの特筆すべき点について紹介していきます。

Y2Kっぽいかわいいデザイン

まずは、Y2Kっぽいレトロ可愛いデザインです。現在人気になっている大手SNSはデザインがどれもスタイリッシュで年代を問わず受け入れられるようなデザイン、色遣いになっていますが、noplaceは全体的に平成を感じさせるようなデザインになっています。

原色を基調としたカラフルな色遣いや掲示板を彷彿とさせるようなレイアウトがどことなく平成ギャルを感じさせます。

近年のレトロブームと相まって、ノスタルジックでありながらも新しさを感じさせるデザインが魅力の一つです。

カスタムできるプロフィール

noplace_カスタムされたホーム画面

他のSNSにはない唯一無二の特徴が、プロフィールページの色やボードの形を変えられることです。

初期設定では白地に黒の文字というシンプルなものになっていますが、バックグラウンドやボードの色は自由にカスタムして変更することができます。また、色が用意されているわけではなくカラーチャートの中から自分で好きな色を選ぶので、組み合わせは無限大です。ボードの形は基本的に四角ですが、角の丸みを0にしたり緩やかにしたりなどのカスタムは可能です。

シンプルな仕掛けですが、同じ色でも組み合わせる色を変えたり丸みを追加したりすることによって印象がガラッと変わるため、個性を十分発揮することができます。

公開メッセージが投稿される”wall”の存在

noplaceのプロフィールページには、wallというボードがあります。自分のwallには自分でコメントすることはできず、親しい友達があなたに向けた公開メッセージを残します。

この機能も現在の大手SNSと比べるとかなり珍しい機能で、mixiで紹介文を友達に書いてもらう他己紹介機能を彷彿とさせます。

Tiffany Zhong氏は、noplaceをローンチする際のコンセプトとして「ソーシャルメディアにソーシャルを取り戻す」といった趣旨のことを発言しているため、この機能もその一環なのかもしれません。

写真や動画のアップロードは無し、テキストのみ

最近のSNSには珍しく、noplaceでは写真や動画を投稿することができません。短いテキストと絵文字に限られています。BeRealをはじめとした写真中心のアプリが流行していることを考えると、かなり珍しい戦略に感じられます。

しかし、このテキストのみという機能に魅力を感じる人も多いようです。

テキストのみのメリットとしては、視覚的なプレッシャーがなくより気軽に投稿することができるという点があります。飾ったり取り繕ったりする必要が無く、考えたことや感じたことをありのまますぐに投稿できるのです。こう考えると、アプローチ方法は真逆ですが、BeReal流行の理由と重なる部分があるように感じます。

文章にフォーカスしたシンプルな投稿スタイルが、SNSに疲れを感じ始めている人々にとって魅力的なのかもしれません。

アルゴリズムの放棄

noplaceでは、表示される投稿がアルゴリズムによって整理されることはありません。

InstagramやTikTokをはじめとした現在の大手SNSは、アルゴリズムを使用してパーソナライズされた体験を提供するよう設計されています。例えば、コスメに興味があるならおすすめ欄はコスメに関連する投稿でいっぱいになりますし、サッカーの動画を見ていたら画面をスクロールした先もサッカーの動画である可能性が高くなります。言い方は悪いですが、自分の好みの世界に閉じ込められているような状態だと言い換えることもできます。

一方noplaceではそういったアルゴリズムを使用していないため、様々な投稿がタイムライン(アプリ内ではUPDATESと表示されます)に流れてきます。タイムラインにおける自分の好みの投稿の割合は減りますが新しくユニークなものに出会う確率が高まるため、このタイムラインを通じて新しい友人を得たりコミュニティを広げたりすることができるかもしれません。

App Storeにも記載がある通り、”make new friends” ”find your community”を体現していると言えそうです。

noplaceの使い方

続いて、noplaceを実際に使うにはどうしたら良いかアプリをダウンロードするところから順番に見ていきます。

プロフィールを作成

noplaceを始めるには、まずアプリをダウンロードします。現在出ているバージョンはiPhoneのみになります。

アプリをダウンロードしたら、ユーザー名やアイコン画像を設定し、自己紹介を入力します。noplaceでは実名もしくはニックネームでアイコンは自身の顔写真にすることが多いようです。

他のSNSでも共通する名前や自己紹介を入力するのはもちろん、最近聞いている曲や映画などの近況を追加したり、プロフィールページの色をカスタムしたりといったことが可能です。

上記の画像ではライムイエロー×ピンクという組み合わせですが、モノトーンにしたり、ビビッドにしたり自分の好みで変えることが出来ます。

友達を探す

noplace_友達一覧

noplaceでは、友達を探す方法として招待リンクを送ったり検索欄から検索する方法などが用意されています。他のSNSと同じように、連絡先を同期する方法もあります。一方「知り合いかも?」のようなアルゴリズムによるおすすめ機能はありません。

noplaceの友達機能で特徴的なのは2つで、他人のフォロワー数が可視化されないところと特に親しい友人を「トップフレンド」に追加することができるという機能です。後者については、MySpaceにも同じ機能があるため、懐かしいと感じる人もいるかもしれません。

SNSにありがちな「フォロワー数を増やす」文化とは異なり、本当に親しい人との交流を楽しむことが目的となっている印象です。

投稿する

noplace_タイムライン

noplaceではテキストを自由に投稿でき、写真や動画を添付することが出来ないというのが大きな特徴の一つです。また、すべての投稿はアルゴリズムに左右されず時系列で表示されます。フィルターやアルゴリズムによる調整がないため、表示されるポストに偏りがなく純粋に他者とのコミュニケーションを楽しむことが出来ます。

他のSNSで言うコメントのような機能はnoteと呼ばれ、いいねのような機能はboostsと呼ばれます。noteはコメントとほとんど同じですが、boostsはいいねやGoodボタンとは違う部分が多々あります。

boostsを付ける際、数に制限はありません。良いと思ったポストには10個でも100個でもboostsを付けることができます。ボタンなどは無く、ポストを長押しすることでboostsします。また、InstagramやXでいいねするというとハートマークが想起されますが、noplaceはポストを長押ししてboostsしている間は虹のマークが出てきます。

テキストのみでアルゴリズムに左右されないといった特徴からは、インターネットが浸透し始めた頃のような純粋な繋がりや何気ないやり取りが思い起こされます。日常のちょっとした出来事や思い出を飾ることなくシェアできる点が今の若者にウケているのかもしれません。

若者から支持を集める理由

ここまで、noplaceの特徴について触れてきましたが、その中でもたびたび触れてきた「若者に人気の理由」について筆者の見解を交えながらまとめていきたいと思います。

”レトロ”が新しい

Noplaceのインターフェースや機能は、90年代から2000年代初期のインターネット文化を思わせるデザインになっています。シンプルなUIや時系列表示、広告なしの環境が、「懐かしさ」として若者の間で新鮮に映っています。近年のSNSはアルゴリズムによる情報操作が多く、ユーザーが見たいものよりも最適化されたコンテンツが表示される傾向がありますが、Noplaceはその逆を行き、純粋なユーザーの声が届きやすい設計になっています。このノスタルジックな体験が、多くの若者にとって「新しい」と感じられ、人気を集めています。

パーソナライズに逆行したソーシャルな空間

Noplaceの最大の特徴は、アルゴリズムによるパーソナライズを極力排除し、時系列での投稿表示を採用している点です。多くのSNSは、ユーザーの興味や行動履歴に基づいて最適なコンテンツをレコメンドしますが、Noplaceはこれに逆行し、「リアルな繋がり」を重視する設計となっています。すべての投稿が時系列で流れ、フォロワー数や「いいね」の数が可視化されないため、比較や競争のプレッシャーがなく、気軽に利用できます。このシンプルかつ開放的な環境が、デジタルネイティブ世代の共感を呼び、多くの若者から支持を集めています。

Noplaceは、「友達とつながることの楽しさ」にフォーカスしたアプリとして、今後も注目される可能性が高いでしょう。

まとめ

カスタムできるnoplace

noplaceは、2024年に突如アメリカのApp Storeで1位を取ったことでその名前を広めた新しいアプリです。

Z世代やα世代をターゲットとしたレトロかわいいアプリとして注目を集めています。

現在は英語版のiPhone用アプリしか発表されていませんが、今後android版や翻訳版がリリースされる場合さらに注目を集めることが期待されます。

また現在は広告の配信がありませんが、多くのSNSが辿ってきたように、今後のユーザー数増加に伴って広告配信ができるようになる可能性は十分あり得ます。

Xの代わりになるアプリが探されたりTikTok禁止法案が話題に上がる昨今では、今後のアップデートに注目する必要がありそうです。